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エアコン冷媒ガスの役割と設置・撤去作業について
2021.10.22 社内情報
こんにちは!コナカです。
子供の頃、暑い日に家の冷蔵庫の扉を開けて涼んだ経験はありませんか?
※良い子はマネしないようにしてくださいね!
実は冷蔵庫もエアコンの冷房と似た構造で庫内を冷やしているのです!
冷蔵庫やエアコンで冷気を出すために欠かせないのが「冷媒ガス」。
今回は、エアコンの室外機と室内機を循環しながら熱を運ぶ「冷媒ガス」についてご紹介いたします!
エアコンの冷媒ガスの役割について
エアコンに必要不可欠な冷媒ガスは、触ると凍傷の危険があるほどにとても冷たいガスです。
その冷たい冷媒ガスは、室内機と室外機を繋いだ冷媒配管の中を巡回しながら熱を運ぶ役割を担っています。
では、冷房運転時の冷媒ガスは、室内をどのように冷やしているのでしょうか?
それは、「気化熱」です。
液体が気体になるときに周囲から熱をうばい、気体は液体になるときに周囲に熱を放出します。そして、「熱」が高温から低温へ移動するという特徴を利用し、熱を移動させる仕組みです!
エアコンの室内機では、蛇行させた冷媒配管にアルミフィンを取り付けた「熱交換器」により、気化熱を利用して室内の熱をうばい、室内の熱を持った冷媒ガスは、室外機で外気よりも高い温度にして外に熱を放出します。
このように、冷媒ガスが気体や液体に姿を変えながら循環することにより、冷房時には部屋の熱を外に、暖房時には外の熱を室内に取り込んでいるのです!
新規設置の際に冷媒配管にかける2種の圧力について
新しいエアコンを設置する工程の中で、冷媒配管に圧力をかける2種類の作業があります。
プラスの圧力(正圧)とマイナスの圧力(負圧)をかける、2つの作業についてご紹介いたします!
耐圧試験
1つ目は、正圧をかける工程です。
冷媒配管に「耐圧試験」を行います。
耐圧試験とは、室内機と室外機を繋いだ配管がしっかりとつながり、穴や隙間などによる漏れがないかを確認する試験です。
配管に耐圧試験用に指定された、通常設計圧力以上の高い圧力をかけたまま、24時間以上圧力をかけ続けて、気密が保持されているか試験するそうです!
※写真のメーター表示は大気圧を0 Pa(パスカル)とし、4.15MPa(メガパスカル)の正圧がかかっている状態を示しています。
真空引き
2つ目は、負圧をかける工程です。
耐圧試験をクリアしたあとに行う「真空引き」という作業についてご紹介します!
真空引きは、冷媒配管内を真空乾燥させる作業です!
エアコンの冷媒配管内の気圧を下げることで、配管内部の水分が蒸発します。
その空気を完全に抜き、真空の状態にして配管内部を乾燥させるのです!
冷媒ガスに空気が混ざると、水分の凍結などによるエアコンの故障や、ガスの破壊処理などに問題が生じるため、大切な作業工程です。
写真の計測器は、大気圧以下のマイナスの圧力(負圧)を測るための真空計で、目盛りの右端に大気圧を0 Paとした目盛りがあり、針は右端からスタートするマイナスを示すメーターです。
真空引きの作業では、左端のマイナス0.1MPaの目盛りになるまで負圧をかけて真空状態にするのです。
エアコンを設置する際に職人が行う、冷媒配管にかける正圧と負圧についてご紹介しました!
他にも規定量の冷媒ガスが入っていない場合にはガス充填をするなどの様々な工程を経て、安全で快適なエアコンとしてお使いいただけるようになります!
私は今までガスが液体か気体か、ガスの温度などについて考えたことがありませんでしたし、冷媒ガス自体も知りませんでしたが、見回してみると、身近には様々なガスが使われていることに気が付きます!
そういえば、私が先日使ったゴキブリを-85℃の冷却効果で凍らせるスプレーもガスでした!
古いエアコン撤去後のガス回収について
古い室外機を撤去した後は、処分をする前にしなくてはいけない作業があります。
撤去後に処分をすると言っても、そのままポイっとは捨てられないのです!
今まで室内の温度調整をしていた冷媒ガスの「ガス回収」をしなければなりません!室外機に残っているガスをろ過して不純物を取り、ガスボンベに移します。
ポップなカラーのコードが付いていて、カラフルな見た目に楽しそうにも見えますが、ガス回収の作業には、冷媒フロン類取扱技術者の資格が必要です。
有資格者にお任せしましょう!
さいごに
冷媒ガスの種類はエアコンでも用途により様々な種類が使われます。
エアコンと冷蔵庫も冷媒ガスの種類は違いますが、冷蔵庫はエアコンの室内機と室外機が一体化されたような構造のようです。
冷蔵庫とエアコンは蒸発する際の気化熱を利用して、冷蔵庫は庫内を冷やし、エアコンの冷房は室内を冷やしているのですね!
とはいえ、涼む時には冷蔵庫の扉を開けて涼むのではなく、エアコンの冷房機能を使いましょう!
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