NEWS
空調設備のダクト工事とは? ダクト工事の大切なポイントも解説
2024.03.15 空調機器導入ノウハウ
空調設備を整えるときになくてはならないのがダクト工事です。
ダクトは天井の中に設置されていることも多いため、あまり見る機会はないかもしれませんが、空気の通り道という重要な役割を持っています。
この記事では、ダクト工事について、そもそもダクトとは何か、ダクト工事の種類には主にどんなものがあるのか、その目的や工事のポイントなどについてご紹介します。
目次
ダクトは空気を運ぶ管
ダクトは空気やガスが通る配管の一種で、日本語では「風道」や「風道管」とも言います。
空調機で作られた冷気や暖気はダクトを通って室内に運ばれていきます。
また、空調だけではなく、換気においても重要な役割を持っていますので、快適な室内環境を作るには欠かせないものです。
空調設備に必要なダクト工事の種類と目的
ダクト工事には主に以下の3パターンあり、ここではそれぞれの目的について解説していきます。
- 空調ダクト
- 換気ダクト
- 排煙ダクト
空調ダクト
空調機器からの風を建物内に流すために設置するのが空調ダクトです。
ダクトの始まりは空調機器に繋がれており、風を出したい場所に吹出口をそれぞれ設置することで冷気や暖気を室内へ送ります。
吹出口までの距離が長い場合はダクトの途中で吸込みのためのファンを設置し、スムーズに空気が流れるようにしなければなりません。
建物内に空気を送り込むダクトを「給気(SA)ダクト」、空気が空調機に戻ってくるダクトを「還気(RA)ダクト」と呼びます。
換気ダクト
換気ダクトは建物内の空気の入れ替え(換気)のために設置します。
換気をしないと汚れた空気が室内にたまってしまい、カビ発生の原因や、健康への悪影響も考えられます。
コロナウイルスの感染対策としても換気は重要視されていましたが、通年通して換気は必要なものです。
新鮮な空気を取り込むダクトを「外気(OA)ダクト」、汚れた空気を排出するダクトを「排気(EA)ダクト」と言います。
排煙ダクト
排煙ダクト(SEA)は火災のときに必要な設備です。
特徴は、素早く煙を排出するためにダクト内の圧力が高くなっていることで、高圧ダクトや高速ダクトとも呼ばれます。
断熱性能を持っているため、万が一の場合にも対応可能です。
排煙ダクトは消防法によって定期点検と報告が義務付けられています。
ダクトの形状
次にダクトの形状について以下の3つをご紹介していきます。
- 丸ダクト
- 角ダクト
- オーバルダクト
丸ダクト
丸ダクトはその名の通り、円形のダクトです。
板状の鋼材をらせん状に巻いて円形に成形したものをスパイラルダクトとも呼びます。
丸い形状のため空気抵抗が少なく、スムーズに中の空気を通すことが可能です。
角ダクト
角ダクトは、四角い形状のダクトです。
そのため壁や天井に沿って設置しやすく、円形ではないため余分なスペースを作らず設置することができます。
しかし、丸ダクトに比べて空気抵抗が多く、空気が流れにくいというデメリットがあります。
オーバルダクト
オーバルダクトは楕円形の形状で、設置の自由度が高い特徴があります。
スペースの少ない天井裏など、高さが限られたスペース内に収めることができますので、丸ダクトと角ダクトの両方のメリットを持っています。
ダクトに使われる代表的な材質
ここからはダクトの材質や特徴について解説していきます。
- 亜鉛メッキ鋼板
- ステンレス鋼板
- ガルバリウム鋼板
- 塩ビコーティング鋼板
亜鉛メッキ鋼板
一般的によく使用されているもので、丸ダクトや角ダクトなどにも使用されています。
腐食や錆に比較的弱いため、屋外で使う場合には腐食防止処理が必要です。
ステンレス鋼板
丸や角ダクトへの加工性が容易なうえに、融亜鉛メッキ鋼板に比べて耐食性が強いため、屋外や厨房などで多く使用されています。
光沢感もあり美しいダクトですが、金額は比較的高めです。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、湿度が高い環境や屋外などで使われることがあります。
また、耐熱性にも優れ、腐食にも強いため、さまざまな環境で使用できるというメリットもあります。
塩ビコーティング鋼板
錆や腐食に強く、水分や腐食性ガスを含む空気などを流すために使われることが多い材質です。
薬品工場や病院などの排気ダクトとしても使われています。
ダクト工事のポイント5つ
次に、実際ダクト工事をするうえで気を付けたい5つのことについてご紹介していきます。
- ダクトは最短距離となるようにする
- 異常な曲げ方をしない
- ダクトを過度に絞ったり拡張したりしない
- メンテナンスのことも考えて設置する
- 試運転時には養生をする
ダクトは最短距離となるようにする
ダクト内の圧力損失を極力減らすため、できるだけ最短距離で設置することが大切です。
長さや曲がりを揃え、分岐の場合はできるだけ機器本体に近い場所で取るようにしましょう。
異常な曲げ方をしない
ダクトを曲げる場合はできるだけ緩やかにし、異常にきつい角度での曲げ方をしないことが大切です。
風の流れは抵抗によって阻害されるため、抵抗が大きいと風が流れなくなり、給気ファンなどで風を押し出してもうまく流れないというケースがでてきます。
まっすぐなダクトでも抵抗はありますが、それが窮屈に曲がっているとさらに抵抗が発生するため、ダクトの曲げ方には注意しなければなりません。
ダクトを過度に絞ったり拡張したりしない
曲げと同じでダクトを過度に絞ったり拡張したりすると、ダクト内部で風の乱流が発生します。
その乱流が抵抗となって風が滞りやすくなるため、ダクトの角度にも注意が必要です。
メンテナンスのことも考えて設置する
長年使用するためにはメンテナンスが必要です。
経年劣化時のメンテナンスを考え、その際邪魔にならないような位置に設置するようにしましょう。
試運転時には養生をする
ダクト設置後には、試運転をして調整を行います。
そのとき、ダクト内部にたまったほこりなどが大量に吹き出して新品の内装を汚してしまう可能性があります。
それを防ぐため、試運転の前にはしっかりと内部のゴミなどを取り除き、念のために、吹出口周辺の養生もしておくと安心です。
ダクト工事は必要不可欠! 役割や設置時のポイントを知っておこう
快適な室内環境を作るためには、空調機が欠かせず、その際に必要となってくるのがダクト工事です。
天井内に埋め込まれていてなかなか目につきにくいことも多いですが、ダクトの設置は効率的かつ機能的に施工する必要があります。
ダクトに関する工事はぜひオーソリティー空調へお任せください。
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。
▼あわせて読みたい