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ライフサイクルコスト(LCC)とは?ライフサイクルコストを見直し運営コストの最適化を
2024.07.05 空調機器導入ノウハウ
建物の建築費用から廃棄するまでの全期間で発生する総合的なコストを、ライフサイクルコスト(LCC)といいます。
初期費用だけでなく、ランニングコストとなる保守・メンテナンス費用、エネルギーコスト、最終的な処分に必要な廃棄処理費用を含めることで、全体のコストを可視化できます。
この記事では、ライフサイクルコスト(LCC)とは何か、また、その重要性と空調設備にかかる費用について詳しく解説していきます。
目次
ライフサイクルコスト(LCC)とは
ライフサイクルコスト(LCC)とは、英語で「Life Cycle Cost」と呼び、その頭文字を取って「LCC」と略して呼ばれています。
設計・施工にかかる初期費用だけでなく、その後の [運用費用・保守費用・廃棄費用] など、購入から廃棄処分するまでの期間にかかる総費用の分析や数値を可視化するものです。
ライフサイクルコスト(LCC)における包括的な視点により、その製品や設備のコストパフォーマンスを把握でき、コストの見直しや継続的な運営に大きく寄与します。
また、ビルや商業施設などの建物では「建物のライフサイクルコスト」とも呼ばれています。
ライフサイクルコスト(LCC)は総合的なコストを算出できるため、どの部門のコストが高い / 低いかを把握することができ、必要に応じて対策することが可能です。
ライフサイクルコスト(LCC)の構成要素
ライフサイクルコスト(LCC)の構成要素は、主に以下の3つに大別できます。
- 初期費用
- 建築前の計画や設計、施工などの費用
- 製品や設備の購入や設置にかかる費用
- 運用、保守費用(ランニングコスト)
- 日常的な運用にかかる費用(電気、ガスなどの光熱費など)
- 定期的なメンテナンスにかかる費用
- 突発的な故障や破損にかかる修理費用
- 廃棄処分費用
- 廃棄物の処理にかかる費用
- リサイクルが可能な部品の処理費用
- 産業廃棄物の運搬費用
上記の費用を計算して、ライフサイクルコスト(LCC)を算出します。
ライフサイクルコスト(LCC)の重要性
ライフサイクルコスト(LCC)の重要性は前述したように、購入から廃棄するまでにかかる全ての費用を算出します。
つまり、全体でどの程度の費用がかかるのかを把握することにより、あらかじめ必要な費用を算出したり、資産価値を維持するための費用も算出できます。
また、ライフサイクルコスト(LCC)で算出した費用は資金準備だけではなく、コスト全体を見直す指標にもなり、コストに関する課題の抽出も可能にします。
コストの見直しや最適化
先ほど解説した「初期費用」「運用・保守費用」の分野では、コストの見直しが可能です。
初期費用の最適化
施工で必要な資材や導入する設備の選定などの費用を見直すことができます。
例えば、エネルギー効率の高いものを選定することで、中長期的なエネルギーコストの削減を可能にします。
初期費用をただ削減するだけではなく、あえて高品質な材料や設備を導入し、初期費用が高くなったとしても、長期的な視点で運用コストを削減するといった方法も選択できます。
運用・保守費用の最適化
運用・保守費用では、保守を含めたコストを算出します。
運用費用
・稼働している設備が日常的に消費するエネルギー想定値を算出
保守費用
・設備に対する定期点検・保険・修理費を算出
これらの合算で吐き出された数値を運用・保守費用とし、その費用から無駄を洗い出すことができます。
ライフサイクルコスト(LCC)の見直し
ライフサイクルコスト(LCC)の見直しによるメリットは先述したように、ライフサイクルにかかる総コストの削減に大きく寄与します。
しかし、ライフサイクルコスト(LCC)は定期的に見直し、建築前の指標と建築後の指標を照らし合わせる必要もあります。
その理由を以下で解説していきます。
運営予算の進捗状況
ライフサイクルコスト(LCC)を見直すことで、試算と実績のギャップから運営の進捗状況を把握できます。
運営の進捗状況を把握することで、過去に出した指標通りに進めているかが明確になり、予算の超過や不足も可視化します。
状況に応じて運営の軌道修正も検討でき、あらためてライフサイクルコスト(LCC)を引き直すことも可能です。
空調設備とライフサイクルコスト(LCC)
ライフサイクルコスト(LCC)の初期費用の中に、空調設備の購入費用から設置工事の費用が含まれます。
その他には空調設備で消費するエネルギーコストや修理を含むメンテナンス費用、入れ替え時にかかる工事やそれに伴う廃棄費用も算出されます。
以下では空調設備の導入から廃棄までにかかる勘定項目を解説していきます。
空調設備導入費用
空調設備の導入費用は空調設備機器の購入から設置工事までの費用を指し、ライフサイクルコスト(LCC)では初期費用の部類で計上されます。
空調設備運用費用
空調設備運用費用は導入後、運用にかかる費用となり、運用・保守費用(ランニングコスト)として計上されます。
この費用は、台数分の稼働時間や消費電力などから算出されます。
空調設備修理・メンテナンス費用
空調設備の修理・メンテナンス費用もランニングコストに計上されます。
故障を防ぐ定期的なメンテナンスやインフラ設備を一元管理し、故障など異常時に即座に対応するための保険やツール、サービスの利用費用も含まれます。
空調設備廃棄費用
空調設備には耐用年数が設けられており、ライフサイクルコスト(LCC)では耐用年数を基準に廃棄費用を算出します。
まとめ
ライフサイクルコスト(LCC)は建築前に試算する総合的なコストの指標です。
あくまで、計画時に想定されるコストのため、実際に運用した実績値と大きく異なる可能性もあります。
そして、今の時代、空調機はなくてはならないものであり、長期的に使っていく設備です。
導入時には、ぜひ省エネ性能の高い空調設備を検討されてはいかがでしょうか?
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