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中小企業経営強化税制とは〜空調設備の導入で減税に〜
2020.10.30 空調機器導入ノウハウ
条件を満たした空調設備の導入で「税額控除」を受けられることをご存知ですか?
空調設備は、行政が行う中小企業支援事業「中小企業経営強化税制」の対象となる設備であり、一定の条件を満たして導入することで「税額控除」などの優遇措置を受けることができます。
これは期間限定の制度ですので、空調設備の導入を考えている企業にとって、コストを抑えつつ設備投資ができる絶好のチャンスといえるでしょう。
ここでは中小企業経営強化税制の内容と、実際に税額控除を受けつつ空調設備を導入するためにはどうしたら良いのかを解説していきます。
目次
◎中小企業経営強化税制とは
中小企業経営強化税制とは、中小企業等経営強化法に定められた要件を満たす中小企業が、新たに設備投資などをする際に税制上の優遇を受けられる制度のことです。
行政が中小企業の経営支援をできるよう作られた制度で、平成29年(2017年)4月1日〜令和3年(2021年)3月31日までの期間内に行われた設備投資などが、その対象となります。
中小企業経営強化税制が適用された場合、法人税(個人事業主の場合は所得税)の即時償却、または導入費用の税額控除(7%~10%、控除額は企業の規模による)を受けることができます。
設備の取得に係る税制措置の概要
法人税(※1)について、即時償却又は取得価額の10%(※2)の税額控除が選択適用できます。
※1 個人事業主の場合には所得税
※2 資本金3000万円超1億円以下の法人は7%
設備投資にかかるコストを低く抑えることができるため、対象となる設備投資を行う際は、是非とも活用したい制度といえるでしょう。
◎中小企業経営強化税制の対象
中小企業経営強化税制が適用されるのは、基本的に「中小企業等経営強化法 第2条 第2項」に規定される「中小企業者等」に該当する企業となっています。
では、中小企業経営強化税制の対象となる「中小企業」とは、具体的にどういった形態を指すのでしょうか。
中小企業者等とは?
・資本金又は出資金の額が1億円以下の法人
・資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
・常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
・協同組合等
また「青色申告」を提出していることが前提条件となっており、以下のような企業については、資本金が1億円以下の場合でも中小企業経営強化税制の対象となりませんのでご注意ください。
①同一の大規模法人(注)から2分の1以上の出資を受ける法人
②2以上の大規模法人(注)から3分の2以上の出資を受ける法人
③前3事業年度の所得金額の平均額等が15億円を超える法人
(注)大規模法人とは、資本金又は出資金の額が1億円超の法人、資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小企業等経営強化法に規定する認定事業再編投資組合を経由して間接的に保有している部分のみ)及び中小企業投資育成株式会社を除きます。
「大法人」の定義については細かい規定が存在しています。特に子会社などが中小企業経営強化税制を利用する際は、事前に税理士などの専門家と相談しながら行ってください。
◎中小企業経営強化税制の指定事業
また中小企業経営強化税制を利用するためには、自企業が指定の事業を行っているか、確認しておく必要があります。
※「電気業」や「熱供給業」、「水道業」、「娯楽業(映画業を除く)」などは指定外。
料亭やバー、キャバレー、ナイトクラブなどの「飲食店業」については、生活衛生同業組合の組合員が営むものに限り対象です。
なお、「性風俗関連特殊営業」に該当する事業については対象外になっています。
◎中小企業経営強化税制の利用と空調設備導入の流れ
中小企業経営強化税制を利用して空調設備を導入するための流れは、以下となります。
1.導入機器の選定
中小企業経営強化税制の対象となる空調設備には、一定の要件が定められています。
要件については設備の販売店に確認できるため、相談しながら選定するようにしましょう。
2.「証明書」の取得
中小企業経営強化税制の利用には、選定した空調設備が制度の要件を満たしていることを証明するため「証明書」が必要です。
証明書は「日本冷凍空調工業会」によって発行されますが、基本的には販売店に依頼して発行をしてもらいます。
また、証明書が発行されるまでは一か月程度かかるため、注意が必要です。
3.「先端設備等導入計画」の作成、申請
「先端設備等導入計画」を作成し、証明書の写しとともに、区市町村へ提出します。
※先端設備等導入計画は、各区市町村が策定する導入促進基本計画に沿って作成してください。
4.認定、空調設備導入
先端設備等導入計画が認定された場合、担当大臣名義で「計画認定書」と「計画申請書の写し」が交付されます。
申請から認定の連絡までの期間は、30日程度が目安となります。
認定がされてから中小企業経営強化税制のもと、空調設備の導入が可能となります。
5.申告
設備の導入が完了しだい、証明書と計画認定書、計画申請書(いずれも写し)を添付した上で、納税申告を行います。
また、申請などを行わず先に設備導入した場合でも、設備の購入や工事の完了から60日以内に「経営力向上計画」を申請することで、税制優遇を受けることが可能です。
ただし、認定に時間がかかってしまった場合ですと、申請が受理されないおそれもありますので、基本的には認定を受けてから設備の購入、工事を行うことおすすめします。
◎中小企業経営強化税制の利用と空調設備導入の注意点
中小企業経営強化税制を利用する際に必ず行っておきたいのが、税理士や税務署など税制の専門家への事前相談です。
中小企業経営強化税制の適用には細かな要件がありますので、見落としがあった場合、制度が適用されないことも考えられます。
また場合によっては、他の減税制度を用いたほうがコストを低くできるケースもあり、そうした判断は専門家でもない限り、なかなか難しいものがあります。
より確実で、効率的な減税を行うためにも、専門家への相談は必須といえます。
◎減税しつつ空調設備を導入しよう
中小企業経営強化税制を活用することで、減税によるコスト削減を行いつつ、空調設備を導入することができます。
必要書類の準備作成や専門家への相談が必要となる分、手間はかかるかもしれませんが、行政補助のもと新たな設備投資ができるのは、大きな魅力といえるでしょう。
中小企業経営強化税制の期間は、令和3年(2021年)3月31日までとなっていますのでお間違えのないようご注意ください。
今年度中に空調設備の導入を検討しているようなら、中小企業経営強化税制の適用期間内に行うことがオススメします。
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