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“F☆☆☆☆マーク”の意味は?読み方やシックハウスなどの空気環境について解説

2025.10.10 空調機器導入ノウハウ

"F☆☆☆☆マーク"の意味は?読み方やシックハウスなどの空気環境について解説

新しい家を建てたり、リフォームをしたりする際、あるいは新しい家具を選んでいるとき、「F☆☆☆☆(エフフォースター)」という謎めいたマークを目にしたことはありませんか?

まるで星の数が多いほど良さそうなこのマークが一体何を意味しているのか、そしてそれが私たちの健康や室内の空気環境とどう関係しているのか、詳しく知らない方も多いかもしれません。

特に、小さなお子さんがいるご家庭やアレルギー体質の方がいらっしゃる場合、室内の空気の質は非常に気になるところですよね。

この記事では、このF☆☆☆☆マークの意味から、シックハウス症候群との関連、そして建築基準法における位置づけまで、専門的な内容を分かりやすく解説していきます。

F☆☆☆☆マークとは?

F☆☆☆☆マークは建材や家具などに表示される、室内の空気環境を守るための重要な指標です。

このマークが何を意味し、なぜ重要なのかを理解することは健康的な住まいづくりに不可欠と言えるでしょう。

F☆☆☆☆マークが生まれた背景

この「F☆☆☆☆」というマークが誕生した背景には、1990年代以降に社会問題として大きく取り上げられた「シックハウス症候群」があります。

多くの人が、新築やリフォーム後の建物で体調不良を訴えるようになり、その原因が建材から放散される化学物質にあることが明らかになってきました。

特に、高気密・高断熱化が進んだ現代の住宅では、一度室内に放出された化学物質が外へ逃げにくく、濃度が高まりやすいという特性も問題視されました。

こうした状況を受け、国を挙げて対策が求められるようになったのです。

参考サイト:【シックハウス症候群】対策方法と換気不足が招く人体への悪影響とは? | 業務用エアコンの取付工事と空間デザインは【ReAir-リエア-】

シックハウス対策との関係

F☆☆☆☆マークは、シックハウス症候群の主要な原因物質の一つである「ホルムアルデヒド」の発散量を規制するために生まれました。

ホルムアルデヒドは接着剤、塗料、防腐剤など、多くの建材や家具に使われており、常温で気化しやすい性質を持っています。

その刺激臭から「目がチカチカする」「喉が痛い」といった症状を引き起こすことがあり、小さなお子さんやアレルギー体質の方には特に注意が必要な物質です。

このマークがある製品は、ホルムアルデヒドの発散量が非常に少ない、つまり、シックハウス症候群のリスクを低減する効果が高いと国が認めている証拠だと捉えて良いでしょう。

建築基準法におけるF☆☆☆☆マーク

建築基準法におけるF☆☆☆☆マーク

F☆☆☆☆マークは、シックハウス対策として2003年7月に改正された建築基準法(国土交通省が管轄)と深く関連しています。

特に、家を新しく建てたり、大規模なリフォームを行ったりする際には、この法律で定められた基準を理解しておくことが不可欠です。

ホルムアルデヒド規制とF☆☆☆☆等級

建築基準法では、ホルムアルデヒドの発散量によって建材の使用が厳しく制限されています。

F☆☆☆☆マークは、その規制に対応するための明確な等級基準を私たちに示してくれるものです。

建築基準法で定められたホルムアルデヒド発散の等級

ホルムアルデヒド発散等級と使用制限(2003年7月建築基準法改正より)

等級 ホルムアルデヒド発散量 使用面積制限 備考
F☆☆☆☆ 0.005mg/m²h以下 制限なし 最も発散量が少ない
F☆☆☆ 0.02mg/m²h以下 使用面積制限あり
F☆☆ 0.12mg/m²h以下 使用面積制限あり
F☆ 0.12mg/m²hを超える 使用禁止

※mg/m²hは、1平方メートルあたり1時間で発散するホルムアルデヒドの量を示しています。

参考サイト:ホルムアルデヒド放散等級自主表示に関するガイドライン – 日本建築仕上材工業会

この表を見ていただければ一目瞭然ですが、F☆☆☆☆はホルムアルデヒドの発散量が最も少なく、室内のどこにでもどれだけの面積でも使用できる唯一の建材であることを意味します。

これは、特に化学物質に敏感な方や小さなお子さんがいるご家庭にとって、非常に安心できる基準と言えるでしょう。

24時間換気システムの設置義務

建築基準法では、ホルムアルデヒドの発散量が比較的少ないF☆☆☆やF☆☆の建材を使用した場合でも、シックハウス対策として「24時間換気システム」の設置が義務付けられています。

これは、室内の空気を常に新鮮に保ち、化学物質の濃度を低く維持するためです。

仮にF☆☆☆☆の建材だけで家を建てたとしても、他の家具や生活用品から発生する化学物質もあるため、24時間換気システムを適切に稼働させることは、現代の住宅における基本的なマナーであり、健康を守るための大切な習慣だと考えて良いでしょう。

参考サイト:「上手に室内換気できていますか?」効果的な換気方法を解説! 

F☆☆☆☆マークがない建材・家具のリスクと注意点

F☆☆☆☆マークがない建材・家具のリスクと注意点

F☆☆☆☆マークがない、あるいはF☆☆、F☆☆☆といった低等級の建材や家具を使用することには、いくつかのリスクが伴います。

特に、室内の空気環境に敏感な方は、製品選びの際に慎重な判断が求められます。

法規制外の製品を選ぶ際のリスク

例えば、DIY用の塗料や、個人で輸入した家具など、F☆☆☆☆マークの表示がない製品には注意が必要です。

これらは建築基準法の規制対象外であることが多く、ホルムアルデヒドの発散量が不明なため、室内の空気環境を悪化させるリスクをはらんでいます。

特に、低価格な製品の中には、発散量が多いものが含まれている可能性もあります。

もし、F☆☆☆☆マークがない製品を選ぶ場合は、製造元に問い合わせるなどして、その製品の安全性やホルムアルデヒドの発散量について、可能な限り情報を確認することが賢明な選択と言えるでしょう。

シックハウス対策としての選定基準

家具やカーテン、おもちゃなど、建築基準法の直接的な規制を受けない製品であっても、ホルムアルデヒドなどの化学物質が放散される可能性は十分にあります。

そのため、F☆☆☆☆マークは建材だけでなく、これらの製品を選ぶ際にも安全性の重要な目安として活用できます。

特に、子ども部屋や寝室など、長時間過ごす空間に置くものについては、F☆☆☆☆マークが付いている製品を優先的に選ぶことが、家族全員のシックハウス対策の第一歩となるでしょう。

マークがなくても、「低ホルムアルデヒド」「VOC(揮発性有機化合物)フリー」といった表記があるかどうかもチェックするポイントになります。

参考サイト:高機能換気設備(全熱交換器)はシックハウス問題(風邪菌、ウィルス、ホルムアルデヒド等)にどのような効果があるか

シックハウス対策とF☆☆☆☆製品の選び方

シックハウス対策とF☆☆☆☆製品の選び方

健康で快適な室内環境を維持するためには、F☆☆☆☆製品を賢く選び、その他のシックハウス対策と組み合わせることが重要です。

単にマークの有無を確認するだけでなく、その製品がどのように使われるか、そして設置後のケアまでを考える視点が必要になってきます。

どんな製品にF☆☆☆☆マークが付いているのか

F☆☆☆☆マークは、主に建築材料やそれに準ずる製品に表示されています。

私たちが普段の生活の中で、どのような製品にこのマークが付いているのかを知ることで、製品選びの際に迷うことが少なくなるでしょう。

主要なF☆☆☆☆表示対象製品

F☆☆☆☆マークが表示されている製品の代表例は、以下のようなものが挙げられます。

F☆☆☆☆マークが表示されている製品の代表例
  • 木質建材:合板、フローリング、パーティクルボード、MDF、集成材など、住宅の構造や内装に使われる木材製品全般。
  • 接着剤:上記の建材を固定する際に使われる接着剤。
  • 塗料:壁や木材の塗装に使用される塗料、ニスなど。
  • 内装材:壁紙(クロス)、天井材、床材といった、室内の表面を構成する材料。

 

これらの製品は、家を建てる際やリフォーム時に使用されることが多いため、設計段階からF☆☆☆☆等級の製品を選ぶことをぜひ建築士さんや工務店さんに相談してみてください。

それが室内の空気環境を良好に保つ上で、最も効果的な方法です。

家具や塗料選びのポイント

建材だけでなく、家具やDIY用の塗料にもF☆☆☆☆表示があるものを選ぶと、さらに安心感が増します。

特に小さなお子さんが触れる機会の多いおもちゃや家具、あるいはご自身で室内の壁に塗る塗料などは、F☆☆☆☆マークが付いているかを確認することが、家族の健康を守る上で大切な行動となります。

マークがなくても「低ホルムアルデヒド」「VOC(揮発性有機化合物)フリー」といった、ホルムアルデヒド以外の化学物質にも配慮した表記があるかを確認するのも、賢い製品選びのポイントです。

よくある質問

F☆☆☆☆マークは全ての建材に必須ですか

F☆☆☆☆マークは全ての建材に必須というわけではありません。

ですが建築基準法で指定された特定の建材においては、ホルムアルデヒドの発散量に応じた使用制限があり、その判断基準としてF☆☆☆☆等級が非常に重要になります。

例えば、壁や天井、床といった室内に使われる建材には、ホルムアルデヒドの発散量によってF☆☆☆☆からF☆までの等級があり、F☆の建材は室内への使用が禁止されています。

F☆☆☆☆の建材であれば使用面積の制限なく使えますが、F☆☆やF☆☆☆の建材は、24時間換気システムとの組み合わせや、使用できる面積に制限があります。

これは、住む人の健康を守り、室内の空気質を一定の基準に保つための大切なルールだと覚えておきましょう。

F☆☆☆☆の家具や塗料は価格が高いのでしょうか

一概にF☆☆☆☆の家具や塗料が、他の製品に比べて著しく高価であるとは限りません。

確かに開発コストや品質管理の厳しさから、同種の製品と比較して価格がやや高くなる傾向はありますが、近年ではF☆☆☆☆基準を満たす製品の種類が非常に増え、価格帯も多様化しています。

特に大手メーカーの製品では、F☆☆☆☆が標準仕様となっていることも珍しくありません。

健康や安全は価格に換えられない価値がありますから、購入の際には価格だけで判断せず、製品の表示をよく確認し、F☆☆☆☆マークが付いているものを選ぶことをお勧めします。

長期的に見れば、安心できる空気環境を手に入れるための賢い選択と言えるでしょう。

F☆☆☆☆マークがない家具は使わない方が良いですか

F☆☆☆☆マークがない家具でも、一概に「使わない方が良い」と断言することはできませんが使用する際には注意が必要です。

F☆☆☆☆マークは、主に建築基準法に基づく建材の表示基準であり、家具には直接的な表示義務がありません。

そのため、マークがなくても低ホルムアルデヒドの製品は確かに存在します。

しかし、マークがない場合は、ホルムアルデヒドの発散量が不明であるため、特に小さなお子さんがいるご家庭やアレルギー体質の方がいる場合は慎重な検討が必要です。

購入前にメーカーに問い合わせてホルムアルデヒドの発散量を確認したり、「低VOC」や「ノンホルムアルデヒド」などの表示がある製品を選ぶことをおすすめします。

新しい家具を設置した後は、しばらくの間、換気をこまめに行うことも有効な対策となります。

まとめ

この記事では、「F☆☆☆☆(エフフォースター)」マークが何を意味するのか、その読み方からシックハウス症候群との関連、そして建築基準法における位置づけまで、詳しく解説してきました。

このマークは、私たちの生活空間におけるホルムアルデヒドの発散量を抑え、健康で快適な空気環境を守るための、非常に重要な指標であることがお分かりいただけたかと思います。

F☆☆☆☆は、ホルムアルデヒドの発散量が最も少ない建材や製品に与えられる最高等級であり、新築やリフォームの際には、このマークの製品を積極的に選ぶことが、シックハウス対策の第一歩となります。

また、家具や塗料を選ぶ際にも、F☆☆☆☆マークやそれに準ずる表示を確認する習慣をつけることが、ご家族の健康を守る上で大切です。

安心で快適な住まいづくりは、F☆☆☆☆マークのような小さな表示に意識を向けることから始まります。

参考文献