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業務用エアコンの寿命と入替時期とは?法定耐用年数や減価償却についても解説

2025.09.12 空調機器活用ノウハウ

賃貸と持ち家ではエアコンの掃除方法は異なる?掃除方法や注意点を解説!
この記事の概要
  • 一般的な寿命は10〜15年、業種や環境で前後する
  • 寿命サインは「効きの悪化」「異音」「水漏れ」「電気代増加」
  • 法定耐用年数(6年)は帳簿上の基準であり、実際の寿命とは異なる
  • 減価償却を理解すれば更新時の会計処理がスムーズになる
  • 入替判断は「修理費累積」「電気代」「規制対応」を基準に考える

ふとした時に「うちの業務用エアコン、そろそろ替え時かな」と感じることはありませんか。

冷えが悪くなったり、修理費がかさんだりすると、入替の判断が頭をよぎります。

しかし実際には、寿命の目安・法定耐用年数・減価償却など複数の要素が絡み合うため、経営判断は簡単ではありません。

この記事では業務用エアコンの寿命の基本から、寿命サイン、法定耐用年数と実際の違い、減価償却の考え方まで整理して解説します。

業務用エアコンの寿命とは

エアコンの寿命は単純に「壊れる年数」ではなく、性能低下や修理コストも含めた総合的な目安です。

一般的には10〜15年ですが、環境によって差が大きく、業態やメンテナンス状況によって短くも長くもなります。

一般的な寿命は10〜15年

業務用エアコンは家庭用より稼働時間が長いため、平均寿命は10〜15年が目安とされています。

日本冷凍空調工業会の調査によると、オフィスビルの更新平均は約12年、飲食店では10年前後で交換されるケースが多いと報告されています。

油煙や湿気の影響を受けやすい業種ほど寿命は短くなる傾向にあります。

20年以上使えるケースと注意点

一方で、20年以上使い続けている事例も存在します。

ホテルや図書館など空調が常時安定して稼働し、大きな負荷変動が少ない場合には長寿命化しやすいのです。

しかし長期使用では部品供給が終了するリスクや最新機種との電気代の差が大きくなり、結果的にコスト増になるケースもあります。

長く使えても「お得」とは限らないのが実情です。

業務用エアコンの寿命サインとは

寿命に近づいたエアコンは必ずしも突然壊れるわけではなく、小さなサインを出しています。

その兆候を見逃さないことが、急な故障や売上損失を防ぐ第一歩です。

冷暖房の効きが悪くなる

設定温度にしても部屋が冷えにくい、暖まりにくいと感じるのは典型的なサインです。

コンプレッサーの劣化や冷媒漏れが原因となり、効率が落ちています。

飲食店で「夏場に店内が30℃を超えてしまった」という例もあり、顧客満足度に直結するため注意が必要です。

異音や振動が増える

送風ファンの摩耗やモーターの劣化が進むと、カラカラ、ゴーといった異音が聞こえ始めます。

私の経験では、あるオフィスで「夜に残業しているとエアコンの音がうるさい」という苦情が増え、点検するとベアリング摩耗が進行していました。

音の変化は軽視できないサインです。

水漏れや結露が頻発する

ドレン配管の詰まりや熱交換器の劣化で、水漏れや結露が起きやすくなります。

天井カセット型では天井材の汚損につながり、修繕費も発生します。「空調より内装補修費の方が高くついた」という声もあるほどです。

年々電気代が高くなる

性能が落ちると同じ設定温度を保つのに余計な電力を消費します。

10年前のモデルと最新機種を比較すると、省エネ性能は最大で30%以上改善しているケースもあります。

毎月の電気代がじわじわ増えるのは寿命のサインと考えられます。

法定耐用年数と実際の使用年数の違い

寿命を考える際、必ず登場するのが「法定耐用年数」です。

しかしこれは会計・税務上の基準であり、実際の使用可能年数とは異なります。

国税庁が定める法定耐用年数

国税庁の耐用年数省令によれば、業務用エアコン(建物附属設備に分類)は「6年」と定められています。

業務用エアコンの法定耐用年数一覧

区分 耐用年数
業務用エアコン(建物附属設備) 6年
冷凍・冷蔵設備 6年
照明設備 6年

法定耐用年数と実使用寿命のギャップ

帳簿上は6年で減価償却が終了しますが、実際の寿命は10〜15年。

つまり「帳簿上はゼロでも、現場では動いている」状態が普通です。

このギャップを理解していないと、税務と現場判断が噛み合わなくなります。

会計処理と経営判断の使い分け

耐用年数はあくまで税務上の基準であり、更新の判断は「故障リスク」「省エネ効果」「修繕コスト」を総合的に考える必要があります。

会計と実務を切り分けて考えることが重要です。

減価償却とエアコン更新

エアコンの入替を検討する際、避けて通れないのが減価償却の考え方です。

減価償却とは

減価償却とは高額な設備を購入した際に、その費用を一度に経費にせず、耐用年数に応じて分割して費用計上する会計処理です。

たとえば200万円のエアコンを導入し、耐用年数6年なら毎年約33万円ずつ費用化していきます。

エアコン更新に伴う会計・税務の影響

新規導入すると再び減価償却が始まり、経費負担のペースが変わります。

法人税や資金繰りへの影響を踏まえ、投資タイミングを見極める必要があります。

修理費と資本的支出の区別

修理費が「経費」になるのか「資本的支出(固定資産扱い)」になるのかは税務上重要なポイントです。

たとえば単なる部品交換は修理費ですが、能力を向上させる改修は資本的支出にあたります。

国税庁のタックスアンサーで詳細が示されています。

買い替え時期を判断するポイント

入替の最適タイミングは単純に「壊れたら」ではなく、経済合理性や環境規制を含めて考える必要があります。

故障頻度と修理コストの比較

「修理費累積が本体価格の50%を超えたら入替を検討」がひとつの目安です。

修理と入替のコスト比較

項目 修理継続 新規導入
年間修理費平均 数万円から数十万円 0円(保証内)
電気代 高いまま、もしくは徐々に高くなる 以前と比較して安くなる傾向
稼働リスク
10年間の総コスト 400万円 200万円+電気代削減効果

電気代や省エネ性能の差

最新機種はインバータ制御や省エネ基準対応で、10年前モデルに比べ30%前後の節電効果があります。

電気代削減だけでも入替費用の一部を回収できるのです。

法改正や環境規制への適合

フロン排出抑制法では、冷媒漏えい管理が強化されています。

古い機種は規制対応が難しく、更新の必要性が高まっています。

よくある質問

Q1. 業務用エアコンは何年で交換すべきか

結論としては「10〜15年が目安」です。

環境条件で前後しますが、修理費や電気代が増加している場合は更新検討のサインといえます。

Q2. 法定耐用年数が過ぎても使い続けられるか

使い続けることは可能です。

法定耐用年数はあくまで会計上の基準であり、現場で稼働に問題がなければ利用に制限はありません。

Q3. 減価償却は一括償却できるのか

原則できません。

ただし中小企業向けの特例制度(即時償却制度)があるため、税理士に確認すると有利に処理できる場合があります。

Q4. 修理と入替の判断基準はどこにあるか

修理費累積が高額になった場合、省エネ効果が大きく見込める場合、環境規制に適合できない場合は入替の判断が合理的です。

まとめ

業務用エアコンの寿命は10〜15年が目安で寿命サインを見逃さず、法定耐用年数との違いを理解することが重要です。

減価償却や会計処理を踏まえて、修理費・電気代・規制対応を総合的に判断すれば、最適な更新タイミングを見極められます。


空調設備の設置から、内装設計・工事を含む空間デザイン、そして最新設備による快適な空気環境の施工プランまで。

空調のトータルコーディネートは、オーソリティー空調にぜひお任せください。

参考文献

 

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