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換気が必要な理由!”給気と排気のバランス”について
2020.08.21 空調機器活用ノウハウ
室内の空気を清潔に保つために必要なのが換気です。
ですが、「どうして換気が必要なのか、換気にはどのような効果があるのか」をはっきり理解できていない人も少なくはないですよね。換気による空気の入れ替えは、毎日の健康にも大きく関わってきます。
そこで今回は、換気がどうして必要なのか、効率的に換気を行うにはどうすれば良いかなどについて、詳しく解説していきます。
目次
◎換気はどうして必要?
換気とは、外にあるきれいな空気を室内に取り入れて、室内の空気を外に出すことを言います。空気中には目に見えないほど小さなホコリなどが無数に漂っています。
これは室内も同様で、換気は部屋の中の空気を清潔に保つために欠かせません。換気をしないでおくと空気中にさまざまなウィルスやホコリ、花粉などが漂っている状態になってしまい、場合によっては体調不良の要因になってしまいます。
流行している新型コロナウィルスも、くしゃみなどの飛沫によって一定時間を空気中で漂うエアロゾルという状態で、長時間生き続けるという研究結果も出ているようですので、ますます換気や空調設備の重要性が問われるようになってきました。
▼”換気でコロナ対策”についてはこちら
また、夏場の換気は室内に溜まった暑い空気を追い出し、涼しい空気を取り込むなど、室内の温度や湿度を調整する効果も期待できます。
◎給気と排気それぞれが持つ効果
室内の空気を外に出すことは「排気」、外の空気を取り入れることは「給気」と呼びます。この排気と給気がセットになってはじめて換気になります。
サーキュレーターや扇風機などを使って室内にある空気を循環させても、ホコリなど体調に影響を与えるものが含まれた空気のままではあまり効果はありません。
そこで排気と給気できれいな空気を室内に取り入れ、空気の入れ替えをしてからサーキュレーターなどで循環させるのが良いでしょう。
ちなみに、一般的な家庭用エアコンについて勘違いしている方が多いのですが、エアコンは室内の空気を循環させているだけで、室外の空気は取り入れていません。
つまりエアコンの稼働だけでは換気になりませんので注意が必要です。
その一方で高機能換気設備と呼ばれる、1つの機器で給気・排気・給気の温度調整機能に加えて空気清浄フィルターも備わった、メリットの多い空調機器もあります。
▼高機能換気設備についてはこちら
また給気と排気のバランスが悪い空間だと、玄関のドアが重い、開きにくいなどといった事態が起こってしまいます。それ以外にも排気量が少ないことで汚れた空気が留まってしまい、換気設備の機能を活用できていないこともありますので、給気・排気のバランスは信頼のおける詳しい業者に調査を依頼するのもおすすめです。
◎換気をしないとどうなる?
空気には目に見えないくらい小さなホコリやハウスダストなど、多くのものが空気中に漂っています。
日本の住宅の構造として、夏場は涼しく、冬場は温かく過ごせるように、断熱材などを用いて外気の影響を受けにくくなるよう設計が行われています。
そのため換気を行わなければ、呼吸による二酸化炭素やホコリで汚れた空気、湿気が外に出て行きにくい状況を作り出してしまいます。
また、汚れた空気が室内に溜まったままにしておくと、シックハウス症候群などを引き起こす要因にもなってしまいます。
シックハウス症候群とは、シックビル症候群から転じた和製造語で、室内空気汚染により発症する健康被害のことを指します。
主にカビやダニ、空気中の有害な物質が原因で発症し、その症状としては目や皮膚のかゆみ、鼻水などアレルギーに近い症状が出るのが一般的です。
酷い症状になると、めまいや嘔吐などを引き起こす可能性もあるため、なんとしても換気などで対策をしておきたいところです。
症状には個人差が大きいと言われていますので、ご自宅やオフィス、店舗でこのような症状が出るようでしたら、換気がうまくできていない可能性を疑ってみても良いかもしれません。
また気密性が高いお部屋は湿気も溜まりやすいため、換気や除湿など何かしらの対策が必要になってきます。
1年の中でも特に降雨量が多く、湿度も高くなりやすい夏~秋の時期は室内に湿気が溜まりやすく、家の中の空気がじめっとしてしまいます。
湿気は不快感を覚えるだけに留まらず、カビの発生する原因にもなります。
特にカビが発生しやすいのは、トイレ、浴室や洗面所、キッチンなどの水回りはもちろんですが、クローゼットや食器棚など、換気を怠ってしまいがちの密閉空間になっているところです。
カビは体調への影響はもちろんですが、壁や大事なお洋服、革製品にできてしまうと取り返しがつかないこと事態になりかねません。
カビの発生を抑制するという意味でも、湿気を部屋の外に逃がす「換気」は大切だと言えます。
密閉された室内にはシックハウス症候群の原因物質だけでなく、あらゆるにおい物質が充満しています。
焼肉やタバコなどの強いにおいの場合も換気を行うことで対処が可能ですが、うまく換気ができていなければにおい物質の多くが壁や天井などに付着してしまい、におい残りの原因になってしまいます。
このことからも、換気にはお部屋臭の原因となるにおい物質を外に追い出す役割もあると言えます。前述しましたが、「エアコンは外の空気を取り入れている」と思っている人も少なくありません。ですがこれは明らかな勘違いです。
※一部機種を除く
実際に普及している家庭用エアコンは、室内の空気を吸い込み、冷やしたり温めたりして部屋の中に送りだすのみで、外気を取り入れてはいません。
つまりエアコンの稼働だけではホコリやウィルス対策にはならないため、別に定期的な換気を行う必要があります。
どうしても外気を取り入れた換気が難しい空間の場合、家庭用エアコンの中には空気清浄機能がついた機種や換気機能が付いたものがありますので、そちらも検討してみてください。
◎効率良く換気をするには?
換気を行うだけであれば、家の中にある換気システムを一定時間稼働させたままにすれば問題ありません。
建築基準法により、2003年以降に建てられた住宅は換気装置を設置することが義務付けられており、これを24時間回したままにすることで理論上は十分な換気を行えるようになっています。
オフィスに関しても同様で、労働安全衛生法で換気量が定められています。ですが、夏場の暑さや湿気など、より効率よく換気をしたい場合もありますよね。そんな時には、換気設備の働きを最大限に高めるために「サーキュレーターや扇風機」を使いましょう。
サーキュレーターや扇風機はファンの後ろ側の空気を吸って前に放出しています。
そのため、窓を開けて換気する際にはサーキュレーターを窓側に置き、部屋の内側に空気が流れるようにすることで、効率良く外の空気を取り入れることができます。
【豆知識】サーキュレーターと扇風機の違い
サーキュレーターと扇風機は一見同じように思いますが、目的の違いから分けられています。
サーキュレーターは空気を循環させるためのもので、直線的に長く風を送り出すことができます。
一方で扇風機は、広範囲に風が向かうように設計されているため、近距離の人へ向けた送風が得意です。
新たに購入を考えている場合は、求めている効果に併せて機器を選ぶと良いでしょう。
また、サーキュレーターや換気システムなどの機械を使用しない換気の方法もあります。その方法とは、2箇所以上窓を開けることです。
このような機械を使わずに給気と排気を行うことは、自然換気と呼ばれます。自然換気を行う際には空気の通り道を作るよう、窓を2箇所空ける必要があります。
もし窓が1箇所しかを開いていない場合、給気と排気が同じ窓から自然に行われるのを待つことになるため、とても効率が悪くなります。
ですので、できる限り窓を2か所以上開けるようにし、空気の入り口と出口を個別に作ってあげることで、スムーズに空気の入れ替えを行えるようになります。
また厚生労働省では、機械を使わない換気を行う場合には毎時2回以上、窓を2箇所以上全開にした自然換気を推奨しています。
■換気回数※を毎時2回以上(30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する。)とすること。
※ 換気回数とは、部屋の空気がすべて外気と入れ替わる回数をいう。■空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、二方向の壁の窓を開放すること。窓が一つしかない場合は、ドアを開けること。
つまり30分に1回は換気を行った方が良いと言っているわけですね。
また、換気を行う際に気を付けたいのは取り込む空気の湿度です。空気中の湿度は季節・天気・時間帯によって異なります。日照時間の長い晴れの日では、暖かくなりやすい昼間の時間帯に湿度が低くなりがちです。
湿度の低くなった時間帯を狙って、カラっとした空気を取り込むことができれば室内を快適に保つことができます。
▼湿気対策についての解説はこちら
◎健康的な生活のためにも換気は大事!きれいな空気で気持ちの良い生活を!
換気をせずに同じ空気がいつまでも家の中に溜まってしまうと、シックハウス症候群やアレルギーの発症による体調不良にも繋がってしまかねません。
できれば毎日、全てのお部屋の換気を行うことが大切です。
この記事でご紹介した換気のコツをうまく取り入れることで、ただ窓を開けるだけよりも効率的に、新鮮な空気に入れ替えられる換気ができるようになります!
換気の力で室内をきれいな空気に変え、より健康に、気分良くおうち時間をお過ごしください。
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