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エアコンの仕組みとは?冷房と暖房の稼働方法を解説
2023.07.09 空調機器活用ノウハウ
夏や冬だけでなく、梅雨時の部屋干しや少しずつ寒さを感じる秋にも活躍するエアコン。近年では猛暑日と呼ばれるような日も多く、自身の体調管理のためにもエアコンは生活に欠かせないものです。
この記事では、エアコンがどのような仕組みで室内を冷やしたり暖めたりしているのかについて解説をしていきます。エアコンの効きが悪いときの対処法についても紹介してますので、ぜひ併せてご覧ください。
目次
エアコンの仕組みとは
エアコンは室内機から冷たい風や温かい風を吹き出していますが、ポイントとなるのは「熱の移動」です。室内の空気に含まれる熱が外に運ばれて熱が少なくなれば涼しくなり、逆に熱が室内に運ばれてくれば暖かくなります。
熱の移動は室内機と室外機がセットで行っています。
冷房の仕組み
室内機から取り込んだ空気のうち、空気中の熱だけを室内機の中にある熱交換器に乗せ、冷媒ガスを通して室外機まで運びます。
初めに室内機で取り込んだ空気は熱が取り除かれて冷たくなり、冷たい風として室内に戻ります。
冷媒ガスに乗って室外機まで運ばれた熱は、室外機にある熱交換器を通過するとき、室外機内の圧縮機で圧力を加えて高温にされます。
その後、室外機の背面から取り込んだ空気とともにファンで熱を外に排出します。
そのため、室外機から出ている空気は、室内のものではなく、室外機の後ろから取り込んだ空気です。
室外機で冷媒に圧力を加えて高温にする理由は「熱は、熱が少ない方に移動する性質」を利用するためです。
冷媒ガスを高温にすれば、たとえ夏であっても外の空気の方が熱が少なくなりますので、外に熱を排出しやすくなります。
そして、室外機から熱を外に逃がして冷たくなった冷媒ガスは、再びパイプを通って室内機に向かいます。
熱を逃がし、室内機で取り込む空気よりも冷媒ガスの方が熱が少ない状態になることで、室内から取り込んだ空気の熱が移動でき、熱交換器で乗せ、冷媒で室外機に運べるのです。
繰り返し室内の熱を屋外に逃がすことで、室内が涼しくなるのが冷房の仕組みです。
暖房の仕組み
暖房時は冷房と逆の流れで、ここでも「熱は、熱が少ない方に移動する性質」が利用されています。
暖房の場合は、スタートを室外機から考えると分かりやすいです。
室外機の熱交換器で外の空気の熱を集めて冷媒に乗せて、圧縮機で冷媒ガスを高温にし、その状態で室内機へ向かいます。室内機から取り込み、熱を奪われた空気は、室外機のファンから排出します。
冬は、高温になった冷媒ガスよりも室内の空気の方が熱が少なくなります。熱は少ない方に移動するので、冷媒ガスの熱は熱交換器を通り、室内機のファンから空気と一緒に室内に吹き出されます。
熱を放出した冷媒ガスは、次に室外機に向かいます。そして、室外機にある減圧器により冷媒ガスは超低温になります。
すると今度は外の空気よりも冷媒ガスの方が熱が少ない状態になるので、冬の冷たい空気からも熱を取り込めるようになるわけです。
外気の熱をどんどんと繰り返し室内に送り込むことで、室内が暖まるのが、暖房の仕組みです。
冷媒ガスとは
エアコンの室外機と室内機をつなぐホースの中に満たされている冷媒ガスによって、熱を運び、夏は外に熱を排出し、冬は熱を室内に吹き出すことが可能になっています。
冷媒ガスの代表例はフロンガスです。冷媒ガスはエアコン以外には、冷蔵庫などに使われています。
冷媒ガスの種類
フロンガスの中でも構造の違いから、さまざまな種類のものがあります。フロンガス以外の冷媒ガスとしては、アンモニア、CO2、プロパンなどが挙げられます。
エアコン廃棄に伴う冷媒ガス(フロンガス)の廃棄方法
最初期に冷媒ガスとして使用されていたフロンガスは、オゾン層を破壊することが分かり、1996年より先進国を中心に使用禁止となりました。
その後開発された、いくつかの代替フロンと呼ばれるものは、オゾン層は破壊しないものの、地球温暖化を促進してしまうものとして使用や廃棄に一定の規制がかけられています。
エアコンの冷媒として使用されてきたフロンガスや代替フロンは、一定の手順をふまずに廃棄してしまうと、空気中に放出されてしまいます。
平成14年には、オゾン層の破壊や地球温暖化を招くフロンを大気中にみだりに放出することを禁止し、廃棄時に正しい改修および処理の実施を義務付けた「フロン回収・破壊法概要」が制定されました。
◆参考サイト:一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構 冷媒回収推進・技術センター
回収したフロンは、再び冷媒として使用できるようにする再生処理か、環境に影響のない物質への破壊処理が行われます。
フロンガスを回収する方法には、ガスを吸引し圧縮したのち冷却してガスを液化させて回収容器に入れる方法が一般的で、破壊する方法にはプラズマによって分解する方法などがあります。
熱交換器の役割
熱交換器は熱を移動させるために必要なものです。
エアコンに熱交換器がなければ、冷房も暖房もできません。
熱交換器は熱を運ぶ際の駅のような役割をしていて、熱を外に逃がすときには熱をのせて室外機まで運び、室外機の熱交換器で熱をおろします。
反対に熱を外から取り込むときは外の熱を室外機の熱交換器にのせ、室内機の熱交換器まで運び、そこで熱をおろします。
熱交換器の種類
熱交換器には液体同士や気体同士で熱交換を行うもの、気体と液体で熱交換を行うものがあります。
エアコンには、気体と液体で熱交換を行う「フィンチューブ型熱交換器」が使われています。
エアコン冷暖房の効きが悪く感じたら
エアコンの効きを左右する要素には、冷媒の調子と風力の2つがあります。
たとえば、冷房運転をしているとき、しっかりと風は出ているが、その風が冷たくないといった場合、風力に問題はなく、冷媒に問題があると考えられます。
このような場合は、業者に修理や交換を依頼する必要があります。
一方で風力に問題がある場合は、自力でも解決できる場合があります。
ここからは、その方法について紹介します。
エアコン内部と外部を掃除する
エアコンからしっかりと風が出ない理由としては、エアコンの内部や外部(フィルター)にホコリがたまっていることが考えられます。
フィルターは、取り外してホコリを取りのぞいてみましょう。
汚れがひどい場合には水洗いすると綺麗にホコリがとれます。
エアコンのカバーやフィルターを外すと、内部の金属部分が見えてきます。
そこにもホコリがたまりますので、柔らかいブラシでホコリを取ったり、掃除機でホコリを吸い込む方法もあります。
エアコンから異音・異臭がしないか確認する
エアコンからの異臭は、ホコリや汚れが原因のことが多いです。
エアコンの内部と外部を掃除しても異臭が取れない場合は、外からは見えない内部の奥の汚れが原因ということもあり得ます。
こちらは業者に依頼してクリーニングしてもらう必要があります。
異音がする場合も同様に、エアコン内部の機器に問題がある場合がありますので、業者に依頼してチェックしてもらうことをおすすめします。
エアコンに一つでも異変を感じたら業者に相談
エアコン内部は精密機器ですので、無理に直そうとするとかえって故障してしまうことが多いです。
調子が悪いと思ったら、まず業者に相談するのがおすすめです。まずはお気軽にオーソリティー空調までお問合せください!
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。
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