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体育館で設置できる業務用エアコンの種類とは

2023.07.07 空調機器導入ノウハウ

地球温暖化に伴い、毎年夏場に学校の職員を悩ませるのが体育館での熱中症対策です。

近年、体育館にはエアコン(空調設備)の導入が進められていますが、巨大なワンフロアにはどのようなエアコンが設置できるのかと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
この記事では、体育館などの巨大なフロアでも効率よく冷やしたり温めたりできる空調設備についてご紹介します。

業務用エアコンの種類やそのメリット・デメリットもみていきましょう。

市や学校などの体育館に空調は必要? 導入を勧める理由


 
令和の今、市や学校などの体育館には空調設備の導入が進められていますが、空調設備を導入する理由として以下のようなことが考えられます。

  • ・平均気温が年々上昇しているから
  • ・運動中は熱中症のリスクが高まるから
  • ・体育館内の気温や湿度は変化しにくいから

 
上記で述べた理由について、それぞれ説明していきます。
 

平均気温が年々上昇しているから

地球温暖化は今も進んでおり、日本でも平均気温が年々上昇中です。

さらに、猛暑日と呼ばれる35度以上になる日数も増えています。

次の図は、気象庁が出している日本の年平均気温差の経年変化です。


出典:気象庁「日本の年平均気温偏差の経年変化(1898~2022年)」

グラフを見ると、気温の上昇がはっきりとわかります。

温度としては1℃や2℃であるため微々たるものと思う方もいるかもしれませんが、例えば反射熱で高温になりやすいコンクリートジャングルと呼ばれる都会においては、数度の気温上昇も人に大きな影響を与えます。
 

運動中は熱中症リスクが高まるから

運動中は熱中症リスクが高まることから、夏場の運動は屋外でも屋内でも熱中症対策が欠かせません。

熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることにより体温調節機能がうまく働かなくなってしまうことです。

気分が悪くなって震えや吐き気をもよおすほか、救急搬送されたり、最悪の場合は亡くなることもあります。

環境省の発表によると、学校での活動中に起きた熱中症は、中学校では85%、高校では83%が体育の授業や部活動中に発生しています。

特に体育館は熱気がこもりやすく、熱中症にかかるリスクが高い場所です。

体育館は窓から直射日光が入って建物が温められるうえに、窓を開けるなどの換気をしても夏場は外気温が高いために熱がこもり、高温に拍車がかかるような状態になってしまいます。

参考:環境省熱中症予防情報サイト「部活動中の熱中症対策」

参考:環境省「熱中症の現状と対策について」
 

体育館内の気温や湿度は変化しにくいから

前述したように、体育館という広いワンフロアは熱がこもりやすい構造をしています。

天井面からの日射による熱の侵入が大きく、また空間が広いために熱容量も巨大であり、一度気温や湿度が上がるとなかなか下がりません。

環境省のまとめによると、体育館の暑さ指数は午後1時ごろから高くなりはじめ、午後5時くらいにピークに到達します。

参考:環境省「熱中症予防情報サイト」

 

体育館におすすめな空調設備

体育館におすすめな空調設備

体育館のような巨大なフロアに設置するエアコンは能力が大きい業務用のものです。

家庭用エアコンとは仕様も設計も異なり、大きな空間を効率的に冷やせるようになっています。

業務用エアコンにはさまざまな種類がありますが、体育館におすすめなのは「エアハンドリングユニット」と「設備用パッケージエアコン」です。

それぞれの概要とメリットデメリットを紹介していきます。
 

①エアハンドリングユニット

エアハンドリングユニットは、主に大空間の空調を目的として作られた機器です。

略してエアハンとも呼ばれており、体育館のほかにも病院や工場、オフィスビルなどで使用されています。

仕組みとしては、巨大な室内機を建物の屋上などに設置し、室内機で作られた冷・温風をダクトから部屋の中に送り込む方法です。

建物の規模に合わせるため、基本的にはオーダーメイドでつくられます。

エアハンドリングユニットのメリット

メリットは次のような項目が挙げられます。

  • ・空調機器の設置場所をまとめられる
  • ・メンテナンスが簡単
  • ・風の当たり具合を調節できる
  • ・送風機の数を減らせる

 
屋上や外壁沿いの一点に集中して空調機器を設置できるうえ、シンプルな作りでメンテナンスが簡単、かつまとめてできるというメリットもあります。

また、バドミントンのように風が影響する競技においては、エリアのダンパーを閉じて吹出や吸込をしないようにもできるため、競技進行を邪魔しません。
 
大規模施設においては空気の清浄度について厳しく規定されているため、通常であれば送風機をたくさん用意して空気を室内へ送り込まなければなりません。

しかし、エアハンドリングユニットは外の空気を部屋に送っているため、送風機の数を減らすことも可能です。

エアハンドリングユニットのデメリット

  • ・価格が高い
  • ・故障すると全体の空調ができなくなる

 
デメリットは「価格が高い」ことと「ユニットの故障で全体の空調ができなくなる」ことです。

オーダーメイドで作られるゆえに、導入価格が高くなります。

また、ユニットが故障すると施設全体の空調ができなくなるため、バックアップについても考えておく必要があります。
 

②設備用パッケージエアコン

設備用パッケージエアコンは、工場やホールなど広い空間に利用されるエアコンです。

水冷式と空冷式の2つがあり、どちらでも体育館へ導入できます。

設備用パッケージエアコンのメリット

メリットは次の3つが挙げられます。

  • ・既製品なので工事が最小限で済む
  • ・比較的安価に抑えやすい
  • ・送風の調節が可能

 
設備用パッケージエアコンは既製品です。

そのため工事も最小限で済ませられるうえ、エアハンと比べると安価でコストを抑えやすくなっています。

また、ダクトの吹出口位置などが変更可能で送風の調節ができるため、風の影響を受ける競技でも使用に問題ありません。

設備用パッケージエアコンのデメリット

  • ・形状が少ない

 
設備用パッケージエアコンは一般的な業務用エアコンとは異なり、形状の選択肢があまりありません。

主に床置きタイプか天吊りタイプの2つから選ぶことになります。

 

体育館では冷風機も設置可能

体育館では冷風機も設置可能
 
体育館には、冷風機の設置も可能です。

スポットエアコンという冷風機は、局地的に強い冷風を送って狙った場所だけを冷やす機器です。

体育館全体を冷やす効果は弱いですが、人がいるところだけをピンポイントで冷却できます。

メリットは導入コストが安いことと、種類が複数あり、施工不要で届いたその日から使える機器もあります。
 

体育館へのエアコン設置数は増加中

年々猛暑日が増えつつある日本では、体育館への空調設備導入が進んでいます。

空間が広いので導入費用は高額になりがちですが、各都市では補助金制度もあるため、まずは使える制度がないか確認してみてください。

また、体育館は災害時に避難所として使う場所でもあるため、空調設備を整えるメリットは非常に大きいです。

そのため、体育館へエアコンを導入して、熱中症のリスク回避を目指しましょう。
 


換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。

 

 

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