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風を利用して快適な体感温度に! 暑さ・寒さの和らげ方を解説
2025.04.18 空調機器活用ノウハウ

- 体感温度と影響する要素について
- 体感温度を考慮して室内で快適に過ごす方法について
暑い夏の日、エアコンをつけているのにまだ暑く感じて、つい設定温度を下げてしまうことはありませんか?
人によって暑さや寒さの感じ方は異なります。
そのため、自分は暑いと感じていても、周りの人は逆に寒いと感じていることもあります。
このように「人が実際に感じる温度」のことを体感温度と呼びます。
この記事では、体感温度とは具体的にどのようなものか、そして風を上手に活用して体感温度をコントロールする方法について解説していきます。
体感温度とは? 体感温度に影響する4つの要素
人が「暑い」や「寒い」と感じるときは「体感温度」によって判断しています。
たとえば、気温が低い日でも暖かく感じたり、逆に気温が高くても涼しく感じることがあるように、体感温度は実際の外気温とは異なります。
体感温度は気温のみならず、さまざまな気象状況が関係していますが、大きく関わってくるのは気温・湿度・風・日照の4つです。
- 気温:高ければ暑く感じ、低ければ寒く感じる。
- 湿度:気温が高く湿度も高ければ暑く、気温が低い場合は湿度が高いほど寒く感じる。
- 風:風が強いほど、寒く感じる。
- 日照:日差しがあると暖かく感じ、日差しがないと寒く感じる。
体感温度と湿度の関係
気温だけでなく湿度も考慮して、人が実際に感じる「暑さ」や「涼しさ」を数値で示した指標のひとつに、「ミスナールの体感温度」があります。
これは、気温と湿度の関係性を数値化したもので、基本的な考え方は以下の通りです。
- 気温が高いほど、湿度が体感温度に与える影響は大きくなる:暑い日は、わずかな湿度の変化でも体感温度が大きく変化します。
- 湿度が高いほど、体感温度は実際の気温に近づき、より暑く感じる:これは汗が蒸発しにくくなるためで、熱が体にこもりやすくなります。
- 湿度が低いほど、体感温度は実際の気温より低くなり、涼しく感じる:汗が効率よく蒸発し、体の熱が放出されやすくなるからです。
たとえば、気温が30℃を超える真夏日の場合、
- 湿度が低いカラッとした日:「暑いけれど、日陰に入ると少し楽」と感じるかもしれません。
- 湿度が高いジメジメした日:「まとわりつくような暑さで、息苦しい!」と、強い不快感を覚えることもあります。
と、このような「まとわりつくような暑さ」を数値で示すのが、ミスナールの体感温度のイメージです。人は、汗をかくことで体温を調節しています。
汗が蒸発するときに体の熱を奪ってくれるため、涼しく感じるのですが、空気中の湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、体に残りやすくなります。
その結果、同じ気温でも湿度が高い日は、体内に熱がこもりやすく、より蒸し暑く感じるのです。
「風冷え」は風が体表面の熱を奪うために起こる
風が強く吹いたとき「寒い!」と感じる現象が「風冷え」です。
夏の暑い日でも風があると多少涼しく感じますが、それも同じ原理で、風によって人の体の表面にある熱が奪われることによって涼しさを感じているのです。
一般的に、風速が1m増すごとに、おおよその目安として体感温度が1℃下がると言われています。
たとえば、気温が10℃のときに風速10mの風が吹く場合、体感温度は0℃のようになるということです。
快適に過ごすために風量や湿度・温度を利用する
一年を通して快適に過ごすためには、風・湿度・気温をバランスよく管理することが必要です。
前述のとおり、人間は同じ温度のときでも風や湿度によって体感温度が変化します。
このような体感温度の特性をうまく活用することによって、より快適な室内環境をつくることができます。
体感温度のコントロールで夏場を快適に過ごす方法
これらを実践することで、快適に過ごしやすくなるだけでなく、節電効果も期待できます。
- エアコン温度を25℃~28℃を目安に設定する
- 扇風機やサーキュレーターを使う
- 除湿器を使って体感温度を下げる
エアコン温度を25℃~28℃を目安に設定する
夏場のエアコン温度は25℃〜28℃くらいがちょうどよいとされています。
これは、外気との気温差が5℃以上になると心身に不調をきたしやすくなるためです。
「キンキンに冷やす」のではなく「過ごしやすい気温を維持する」という考え方をすると、このくらいの温度設定が最適です。
扇風機やサーキュレーターを使う
設定温度だけでは暑く感じるときは、
扇風機やサーキュレーターを使って風を起こし、体感温度を下げましょう。
前述したように、風が直接体に当たることで表面温度を下げられます。
また、扇風機やサーキュレーターによって風が動くことで換気も促進されるため、より快適な環境を保ちやすくなります。
除湿器を使って体感温度を下げる
夏場は湿度が高いと体感温度が上がり、より暑く感じやすくなります。
そのため、除湿器を使って室内の湿度を下げることが、快適な環境づくりに効果的です。
ジメジメ、ムシムシといった環境は、集中力を減少させ、生産性にも悪影響を与えます。
体感温度のコントロールで冬場を快適に過ごす方法
冬を快適に過ごすためには、以下の3つのポイントを意識してみましょう。
- エアコン温度を20℃~22℃を目安に設定する
- 風が体に直接当たらないようにする
- 加湿器を使って体感温度を上げる
エアコン温度を20℃~22℃を目安に設定する
冬場のエアコン温度は20℃〜22℃程度に設定しましょう。
個人差(年齢、性別、体質など)はありますが、集中力が最も高まりやすい室温は22℃前後とする研究結果もあります。
脳が物事を考えるときには熱を発するため、少し涼しいと感じるくらいの環境が、高いパフォーマンスを維持しやすいとされています。
風が体に直接当たらないようにする
体質によっては、エアコンの設定温度でも寒く感じることがあります。
そのような場合は、エアコンの風が直接体に当たらないようにしましょう。
風が当たることで体感温度が下がり、また、体を縮めることによって血流が滞りやすくなるため、さらに寒さを感じるようになります。
加湿器を使って体感温度を上げる
冬場は空気が乾燥しやすく、室温が同じでも寒く感じやすくなります。
そのようなときは、加湿器を使って湿度を調整するのがおすすめです。
加湿することで、乾燥による不快感を軽減できるだけでなく、体感温度が上がり、暖かく感じやすくなります。
風を利用して体感温度をうまくコントロールしよう
人が「暑い」「寒い」と感じるのは、実際の気温だけでなく、湿度や風の有無などによって変わる体感温度によるものです。
その中で、外の気温が高くても、または低くても、空調機器や風の流れを上手に活用することで、快適な空間をつくることができます。
オーソリティー空調では、オフィスや店舗などの空調・換気設備の設計から施工まで一貫して対応しております。
「室内をもっと快適にしたい」「空調・換気の環境を見直したい」など、お困りのことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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