NEWS
乾燥が健康に与える悪影響とは? 正しい湿度の管理方法を解説
2024.12.06 空調機器導入ノウハウ
乾燥によって、さまざまな健康被害を及ぼすことはご存じでしょうか。
この記事では、冬に空気が乾燥する理由や、それによって引き起こされる健康被害、その対策などについて詳しく解説していきます。
目次
冬に空気が乾燥する理由
空気中の水分量は、気温が高くなるにつれて増え、気温が低くなるにつれて少なくなる仕組みを持ちます。
そして、空気に含まれる水分量は最大量が決まっており、温度が25℃のときと10℃のときを比較すると、25℃のときの方がたくさん水分を含むことができます。
冬に乾燥を感じる理由は、冬になると気温が下がるため、空気中に含まれる水蒸気量が減ってしまうからです。
乾燥した空気は水分を持つところ、つまり人の体などから水分を奪っていきます。
ちなみに、空気中の水蒸気量が多かった夏場から秋になる過程で、屋外の相対湿度(一般的に言う「湿度」のこと)は10%も下がると言われています。
乾燥によって引き起こされる健康被害とは
以下の3つは、乾燥によって引き起こされる健康被害の一例です。
・呼吸器系への悪影響:風邪やウイルス感染のリスク
・皮膚トラブル:肌荒れやかゆみ、湿疹のリスク
・目の乾燥:ドライアイ発生や視力低下のリスク
呼吸器系への悪影響:風邪やウイルス感染のリスク
喉や鼻の粘膜が乾燥すると、細菌やウイルスが体内に侵入しやすくなります。
人の鼻から喉まで続く粘膜は「せん毛」と呼ばれる1,000分の1mmほどの毛のような細胞に覆われています。
このせん毛は1秒間に15〜17回程度の速さで小刻みに動いており、粘膜表面の粘液に流れを作ります(せん毛運動)。
通常、このせん毛運動によって体内に侵入した細菌やウイルスは咳や痰と共に対外に出されるか、唾液と一緒に飲み込まれて胃液で分解されます。
しかし乾燥によって粘膜が乾いてしまうと、せん毛運動のパワーが低下し、病原体やアレルギー物質が体内の奥まで入り込んでしまうのです。
これによって風邪やインフルエンザなどに罹患しやすくなるほか、喘息やアレルギー症状を悪化させる場合もあります。
皮膚トラブル:肌荒れやかゆみ、湿疹のリスク
乾燥によって肌バリアが低下することで、髪の毛や衣服が触れるなどの少しの外部刺激にも敏感に反応するようになります。
そもそも乾燥肌とは、肌内部にあるセラミドや皮脂が減り、肌の水分保持力が低下した状態のことです。
肌が正常なときには、皮脂・角質細胞間皮脂・天然保湿因子の3つで水分を保ち「バリア」ができています。
それが空気の乾燥によって乱れて減少すると、その隙間から水分が出てしまい、乾燥肌になります。
乾燥すると肌は少しの刺激でかゆみを感じますが、かきむしることで湿疹や皮膚炎を発生させるリスクも上がります。
目の乾燥:ドライアイ発生や視力低下のリスク
空気が乾燥していると、目も乾いてドライアイを発症し、痛みやかゆみ、視力の低下、目やにの発生などにつながることがあります。
これは、目の粘膜からも水分が奪われるためです。
目の乾きを放置するとドライアイが進んでしまうため、目薬を差して目に潤いを与えるなどの対策が必要です。
参考:一般財団法人日本予防医学協会健康づくりかわら版「内側から潤う乾燥肌対策」
参考:WAKUNAGAキヨーレオピン「冬の乾燥から身体を守ろう」
参考:龍角散「のど粘膜のうるおいを保つことで、のどの線毛運動を正常に」
室内の乾燥が進みやすい理由
室内は、外に比べて、湿度が大きく変動します。
特に冬場になると気温が低いことが原因で外気が乾燥し、さらに暖房器具を使用するため、より湿度が下がることになります。
寒さを防ぐために密閉された室内において湿度が下がりやすい理由は、暖房器具による空気の乾燥や、換気不足による湿度の不均一さなどがあります。
エアコンは室内温度を調整しますが、空気中の水分を取り除く「除湿」効果を伴います。
エアコンをつけると乾燥すると言われる理由は、以下の通りです。
・冷房運転時:室内の水分が凝縮されて排出されるため湿度が低下する
・暖房運転時:室内の気温が上がるため空気中の水分の空き容量が増えることで湿度が低下する
乾燥した空気は水分のあるところから水分を奪うのですが、その対象には植物や衣類のみならず、前述したように人間も含まれます。
そのため、室内の湿度を管理することが非常に大切です。
特に乾燥しやすい暖房器具はエアコン
冬に使われる暖房器具は、一部乾燥しにくいもの(オイルヒーターや石油ストーブなど)もありますが、概ね空気を乾燥させます。
その中でも特に乾燥しやすいものが、エアコンです。
エアコンは炎を熱源とする暖房器具とは異なり、空気を温める際に水蒸気を発生させません。
室内全体の空気を温められるというメリットがありますが、より広範囲に乾燥の影響を及ぼすことにもなります。
適切な湿度が健康を維持する
湿度は高過ぎても、低すぎてもさまざまな悪影響を発生させます。
湿度が高いとカビが発生したり、パソコンなどの精密機器が故障したり、ダニも発生しやすくなります。
結露も出るため家も傷みやすいでしょう。
一方で、湿度が低いとウィルスが活発化して感染症のリスクが上がるほか、全身にかゆさや痛みといった症状がでやすくなります。
ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)のデータによると、人が過ごしやすくウイルス対策にもなる湿度は、40〜60%とされています。
室内の湿度を適切に管理して、健康維持に努めましょう。
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。
▼あわせて読みたい