株式会社AUTHORITY CREATIVE WORKS|心地よい空間を創造する空間プロデュース

AUTHORITY | since 2010

NEWS

業務用エアコン室外機の盗難が急増中!金属盗対策法・古物営業法改正と今すぐできる防犯対策を解説

2026.09.11 空調機器導入ノウハウ

業務用エアコン室外機の盗難が急増中!金属盗対策法・古物営業法改正と今すぐできる防犯対策を解説

「出社したら、屋上や建物裏に設置していたはずの業務用エアコンの室外機がごっそりなくなっていた」。
そんな信じがたい被害が、いま全国の工場やオフィス、店舗で相次いで発生しています。
空き巣や強盗と違い、室外機そのものに現金が入っているわけではありません。
しかし内部の銅配管や熱交換器が金属資源として高値で売却できるため、窃盗の標的になっているのです。
「うちには関係ない」と思われがちなこの被害は、実は誰の会社にも起こり得る全国的な問題へと拡大しています。
本記事では、警察庁の統計データや最新の法改正の内容を確認したうえで、業務用エアコンの室外機盗難の実態と、今日から実践できる防犯対策について、空調設備の専門会社の立場から解説します。

なぜ今、業務用エアコンの室外機が狙われているのか

銅価格の高騰と「見えない資源」としての室外機

室外機が盗難のターゲットになる最大の理由は、内部に使われている銅(どう)の存在です。
室外機には、冷媒を循環させるための銅製配管や、熱交換器のコイルなど、大量の銅部材が使用されています。
近年は世界的な脱炭素化の流れや再生可能エネルギー関連需要の高まりを背景に銅の国際価格が高水準で推移しており、金属スクラップとしての銅は換金性の高い「資源」になっています。
警察庁が公表した検討会の報告書でも、令和5年に発生した金属盗の被害額のうち、約7割を銅が占めていることが明らかにされています。
また室外機は屋外や人目の少ない裏手・屋上に設置されることが多く、電動工具さえあれば数分で持ち去られてしまう点も、狙われやすい要因のひとつといえます。

警察庁データで見る金属盗被害の急増

「自社は大丈夫」と考えている方にこそ知っていただきたいのが、被害の増加スピードです。
警察庁「令和6年の犯罪情勢」によると、銅板・銅線・グレーチング・室外機など金属類を狙った盗難=金属盗の認知件数は、統計を取り始めた令和2年以降、右肩上がりで増加を続けています。
令和6年には20,701件と、前年からさらに27.2%増加しました。

金属盗の認知件数
令和2年 5,478件
令和3年 7,534件
令和4年 10,368件
令和5年 16,276件
令和6年 20,701件(前年比27.2%増)

この4年間で被害件数は約3.8倍にまで膨れ上がっており、金属盗は今や刑法犯全体の増加を牽引する要因のひとつになっています。
警察庁の検討会報告書では、金属盗のうち銅が被害額の約7割を占めることも指摘されており、銅を多く含む業務用エアコンの室外機は、今後さらに標的になりやすい状況が続くと考えられます。

相次ぐ法改正 ― 「金属盗対策法」と古物営業法の強化

盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律

被害の急増を受け、政府は令和7年6月、金属盗を防ぐための新法「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(いわゆる金属盗対策法)を成立させました。
神奈川県警察の発表によると、犯行用具(ケーブルカッターやボルトクリッパー等)の隠匿携帯禁止や盗難防止に関する情報周知については令和7年9月1日から、金属くず買受業者に対する届出制・本人確認義務化などの措置については令和8年6月頃から、それぞれ施行されています。
つまり本記事執筆時点では、金属盗対策法はすでに全面施行されている状態です。
金属くず買受業者は、銅を買い取る際に相手方の本人確認や取引記録の作成・保存が義務付けられ、盗品の疑いがある場合は警察への申告も求められるようになりました。

古物営業法施行規則の改正でエアコン室外機も対象に

古物営業法では買い取り時の本人確認が義務付けられていますが、これまで対価の総額が1万円未満の取引は原則として本人確認が免除されていました。
しかし大日本印刷(DNP)のコラムによると、2025年10月1日施行の施行規則改正により、電線・グレーチングと並び、エアコン等の室外機についても取引金額にかかわらず本人確認が免除されない対象に加えられました。
これは裏を返せば、それだけ室外機が「盗品として持ち込まれやすい物品」として国に認識されている証拠でもあります。

室外機が盗まれるとどんな被害が出るのか

室外機の盗難は、単なる「モノがなくなる被害」では済みません。
室外機がなくなれば冷暖房が使えなくなり、店舗であれば営業休止、工場であれば生産ラインや倉庫の温湿度管理に支障が出るなど、事業そのものが止まってしまうリスクがあります。
修理では対応できず設置工事からのやり直しになるケースが多く、機種の手配から配管・電気工事まで含めると、復旧までに数日から数週間を要することも珍しくありません。
また、盗難保険や火災保険の契約内容によっては補償の対象外だったり、免責金額が設定されていたりする場合もあります。
日頃から保険契約の内容を確認しておくことと、盗まれにくい環境をつくることの両輪で備えておくことが重要です。

今すぐ実践できる室外機の防犯対策

埼玉県警察は「室外機が狙われています!」と題した注意喚起の中で、具体的な防犯対策を紹介しています。
これらは戸建て住宅だけでなく、店舗やオフィス、工場の室外機にもそのまま応用できる内容です。

  • アンカーボルトによる土台固定:コンクリート基礎に室外機をしっかり固定し、簡単に持ち上げられない状態にする。
  • 盗難防止用ネジへの交換:専用工具がないと外せない特殊ネジを使用し、一般的な工具での分解を防ぐ。
  • ワイヤーやチェーンでの固定:建物や地中埋設の構造物と室外機をつなぎ、持ち去りにくくする。
  • 専用ケージ・フェンスによる囲い込み:通風を妨げない設計のケージで物理的に覆う。
  • 防犯カメラ・センサーライトの設置:人の動きを検知して威嚇し、証拠映像としても機能させる。
  • 所有者名・社名の記載:転売しにくくするための刻印や表示を行う。
  • 定期的な点検:固定金具の緩みや劣化がないか、日常の保守点検の中で確認する。

埼玉県警察も指摘するとおり、泥棒は「音」「光」「時間」「人の目」を嫌う傾向があります。
一つの対策だけに頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることで、盗難のリスクは大きく下げることができます。
特に複数の室外機をまとめて設置している工場・倉庫・商業施設では、個々の室外機の固定に加えて、敷地全体の照明やフェンス、防犯カメラの死角をなくすといった敷地単位での見直しも効果的です。

オーソリティー空調がサポートできること

私たちオーソリティー空調では、業務用エアコンの新規設置やリプレイス工事の際に、設置場所の状況に応じた盗難防止金具や固定方法のご提案を行っています。
すでに設置されている室外機についても、定期メンテナンスの機会に固定状況やネジの緩みを点検し、必要に応じて盗難防止用部材への交換をご案内することが可能です。
「うちの室外機は大丈夫だろうか」「設置環境を見直したい」といったご相談だけでも構いません。
空調設備の専門会社として、お客様の大切な設備と事業活動を守るお手伝いをいたします。

金属価格の高騰を背景に、業務用エアコンの室外機盗難はもはや他人事ではないリスクになっています。
警察庁の統計が示すとおり被害件数は年々増加しており、法改正によって買い取り業者側の規制は強化されているものの、被害そのものをゼロにするものではありません。
大切な設備と事業を守るために、まずは自社の室外機の設置状況を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
室外機の防犯対策や空調設備に関するご相談は、ぜひオーソリティー空調までお気軽にお問い合わせください。

参考文献