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「上手に室内換気できていますか?」効果的な換気方法を解説!
2021.08.06 空調機器活用ノウハウ
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、換気の重要性が指摘されています。
この記事では、実際にどのような換気であれば必要量を満たし、効率的に空気を入れ換えられるのかという点について、建物や季節ごとに分けて当記事で解説していきます。
目次
換気の基礎知識
換気という言葉から「換気扇」をイメージする方が多いかもしれません。しかし、換気とは外気を取り込む給気と、室内の汚れた空気を外に逃がす排気の2つを合わせた言葉です。
換気とは
室内の空気と外の空気を入れ換えることで、室内の空気中にある汚れた空気を部屋の外へ逃がしたり薄めたりすることができます。
汚れた空気とは
室内の汚れた空気の物質には、一酸化炭素、二酸化炭素、ハウスダスト、花粉、細菌、ウイルス、ホルムアルデヒドなどが挙げられます。
ホルムアルデヒドは、接着剤や防腐剤に含まれる化学物質です。目がチカチカする、頭痛や息苦しさなど体の不調を感じるといった症状が出るシックハウス症候群の原因の1つとされています。
換気の必要性
室内の空気が入れ替わらないと、汚れた空気がどんどんたまっていき健康に悪影響をおよぼす可能性があります。
汚れた空気を薄めたり減らしたりするためには、意識して「換気」を行うことが重要です。また、近年では建物の気密性が高まっています。
気密性の高さは冷暖房の効きに関わってくるので重要な項目ではありますが、一方で汚れた空気が外に出ていきにくい状況も生んでしまいます。自然に空気の入れ換えが起こりにくいので、換気が必要です。
建物によって効率的な換気方法が異なる
換気は屋内にいる限り重要なものです。しかし、効率的に換気を行うためには、ある程度の知識も必要です。建物によってベストな換気方法は異なるので、確認しておきましょう。
住宅の場合
まず住宅の換気で大事なのは24時間換気システムを使用することです。24時間換気システムは2003年7月以降に建てられた建物なら必ず備わっています。
このシステムは単純に24時間換気扇を回しっぱなしにするというものではなく、キッチンやお風呂などの換気扇を使うと、壁や天井の換気口から汚れた空気が外に出され、同時に新しい空気を取り込むように設計されたものです。
2時間で室内の空気をすべて入れ替えることができる仕組みになっているので、季節を問わず24時間換気システムは常にオンの状態にしておきましょう。
こまめに窓を開けて部屋の空気が入れ替わるための通り道を作るようにするのもおすすめです。
窓を開けて換気をする際の基本は、室内の対角線上に窓を開けることです。一か所や隣あった窓ではなく、斜向かいの窓を開けることで、空気が効率よく流れるようになります。
風がなくて空気の流れが悪いときは、空気が入ってくる方の窓を少しだけ開け、出ていく方の窓を大きく開けると効率よく換気ができます。
また、窓が1つしかない場合は、窓を開けて、窓に向かって扇風機やサーキュレータを回すこともおすすめです。
窓がない場合も、扇風機やサーキュレータを活用することで空気が流れるようになり、別の部屋の窓や換気扇から排気ができるようになります。
オフィスの場合
オフィスが入っているような建物の場合、機械を使っての換気が行われていることがあります。まずは備え付けの換気設備がどこにあるか確認してみましょう。
多くの場合はオフィスや各部屋ごとに換気設備が設けられています。
機械での換気は効率がいいですが、人が集まるところや間仕切りによっては空気が流れにくい場所ができてしまうこともあります。
そのため、オフィスでも住宅と同様に空気の流れを作ってあげるのがおすすめです。
具体的には、会議後はドアを開けておく、始業前に窓を開けておくといったことを意識するだけで、空気環境の改善につながります。
飲食店の場合
ビルのテナントとして入っている場合、基本の換気方法はオフィスと同じです。
一方で戸建ての店舗や小型の店舗の場合は、一般住宅と同じく、対角線上に窓を開ける換気方法が有効です。もちろん建物に換気設備が導入されていれば、そちらと並行して行うことでより効果的に換気を行うことができます。
ドアや窓を開けて空気の流れを作る、厨房の換気扇は常に回しておくといった少しの工夫が有効です。
季節に合わせた換気方法も有効
換気は室内に汚れた空気をためこまないために重要なものです。しかし、換気を行うと空気が入れかわるので冷暖房の効率が落ちるという点が気になる方も多いでしょう。夏と冬、それぞれの換気のコツをご紹介します。
夏場の換気方法
外出で汗だくになったところを冷房で一気に冷やしたい気持ちは分かります。
しかし、外出時には窓を締め切っていますので空気がこもった状態になっています。そういうときにやっておきたいのが、エアコンの電源を入れる前の「換気」です。
一度、暖かい空気を外に追い出すことで、結果的にすばやく部屋を冷やせます。エアコンは室内の空気を循環させているもので、基本的に換気は行えません。そのためエアコン運転中も定期的に窓を開けて換気をする必要があります。
また、夏場に窓を開けるとどうしても室温が上がってしまうため、室温の変化を極力抑えた換気を行う際にはエアコンの設定温度を低めにする必要があります。
その問題を解消することができるのが「高機能換気設備」です。(高機能換気設備については「高機能換気設備と通常の換気設備との違いについて」で解説しています)
この高機能換気設備は、通常「給気口」と「排気口」の2つに分かれている給排気設備を、1つの機械で行うことができることに加え、給気の際に熱交換器を通すことで、取り入れる外気を調温してから室内に取り込むことができるものです。
高機能換気設備(全熱交換器)は三菱電機の「ロスナイ」やダイキンの「ベンティエール」などで広く知られており、高機能なフィルターを通すことで綺麗な空気だけを室内に取り入れることもできます。
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エアコンに近い窓を開けると急激にあたたかい空気をエアコンが取り込むことになるので負荷がかかり、電気代が上がる原因にもなります。
夏場や冬場など、外気と室内の温度差が激しい場合にも換気は必要です。導入費用はかかってしまいますが、エアコンにかかる電気代を抑えるためにも高機能換気設備の導入を検討してもいいかもしれません。
冬場の換気方法
冬場は夏に比べて室温と気温の差が大きくなりがちです。
特に冬場の朝方や夜に換気を行う際には、まずはエアコンをつけて部屋をあたためてください。
冬の寒い日には、室温の方が外気温よりも暖かいことが多くなります。部屋の温度が上がる前に換気を行うと室温が外気温に寄ってしまうことになり、エアコンの設定温度と室温との差が広がるため、電気代が上がってしまう原因になってしまいます。
外気との寒暖差が激しい場合には、先に部屋をあたためておいてから換気をすることで、換気をした際の室温の下がり方が緩やかになるため、換気とエアコン起動の順序に気を配ることも大切です。
まとめ
換気とひとくちに言っても、さまざまなポイントがあります。
ポイントをおさえることで、夏や冬のエアコンが欠かせない時期でも快適に過ごしながら換気ができます。
換気をする際は、換気設備の利用や空気の流れを作ることに加え、季節ごとに異なる換気手順を意識してみることをおすすめします。
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