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ZEBとは?ZEBの種類と企業にもたらす影響を解説
2024.08.16 空調機器導入ノウハウ
- ZEBの基本情報を解説
- 4つのZEBの種類
- ZEBがもたらす好影響
近年環境保護への意識が高まり、また建物で使われるエネルギー効率化への重要性も高まっています。
そこで注目されているのがZEBです。
ZEBとは建物で使われるエネルギーを効率化し、年間の一次エネルギー消費量をゼロにできる建物を指します。
この記事では、ZEBに焦点を当てて解説します。
ZEBとはなにか、分類される4つのZEB、メリット、ZEHとの違いについて説明していきますので、ぜひご参考ください。
目次
ZEBとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」
ZEBは、Net Zero Energy Buildingの略でZEB(ゼブ)と呼ばれています。
日本語にすると「年間に建物で消費する一次エネルギーの消費量を、正味(ネット)でゼロにすることを目指した建物」のことです。
ZEBは、まず省エネが基本です。
高い断熱性を持った壁や窓を施したり、高効率な空調機器、電力消費の少ないLED照明を使うなどが挙げられます。
それでも減らせない分については、太陽光発電といった再生可能エネルギーを利用して賄うという考え方です。
つまりZEBは、実際にエネルギーがゼロのビルというわけではなく「計算上ゼロエネルギーであるビル」ということになります。
ZEBとZEHの違い
似たような言葉にZEHがあります。
ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのことで、使用する一次エネルギーの年間消費量がゼロの建物を指すという指標は同じですが、ZEBとは対象となる建築物が異なります。
ZEHの対象は一般住宅で、ZEBの対象はビルや工場、学校などです。
ZEBの種類とそれぞれのランク
ZEBには以下4つの種類があります。
それぞれの具体的な内容について解説していきます。
- ZEB Oriented
- ZEB Ready
- Nearly ZEB
- ZEB
ZEB Oriented
ZEB Oriented(ゼブ オリエンティッド)はZEBの4つの分類の中で最もエネルギー削減率が低い建物で、ZEBを「目指している」状態の建物のことを言います。
ZEB化が難しい大規模な建物が対象です。
延べ面積が10,000㎡以上の建物に対し、用途別の個別目標が設定されているため、その要件を満たす必要があります。
用途別の目標としては、たとえば事務所や学校、工場などは、一次エネルギー消費量を40%以上削減することを目指します。
ホテルや病院、百貨店、飲食店、集会場などは、一次エネルギー消費量を30%以上削減することが目標です。
そして、さらなる省エネルギーの実現に向けた処置として「国が定めたエネルギー削減性能計算プログラムで未評価の技術の導入」が必要となります。
ZEB Orientedの要件を達成し、さらにエネルギー削減率を高めることによって、次の項目で解説するZEB Readyを目指せるため、政府は最初の一歩としてZEB Orientedに挑戦することを呼び掛けています。
ZEB Ready
ZEB Ready(ゼブ レディー)とは、50%以上の一次エネルギー消費量削減に適合した建物のことで、ZEBの入り口に立った状態のことを言います。
この段階で、高断熱化を実現していたり、高効率の省エネ設備を備えている建物です。
太陽光発電などの再生可能エネルギーによって作り出すエネルギー消費量は考慮しないため、ZEB Readyの建物は超省エネビルということになります。
Nearly ZEB
Nearly ZEB(ニアリー ゼブ)は、ZEBに限りなく近い建物のことです。
ZEBになるには100%以上のエネルギー削減率が必要ですが、Nearly ZEBは75%以上を達成することが必要とされます。
ZEB Readyの要件を満たし、さらに再生可能エネルギーを利用して年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけている状態です。
ZEB
前述したように、ZEB(ゼブ)は年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロ、もしくはマイナスを実現できている建物のことです。
省エネによって基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減ができており、再生可能エネルギーによって基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減ができている建物を指します。
ZEBが企業にもたらす影響
以下の4つは、ZEBが企業にもたらすよい影響です。
- 光熱費の削減
- 快適性や生産性の向上
- 建物の不動産価値の向上
- 事業継続性の向上
光熱費の削減
ZEB化することはつまり、建物のエネルギー消費量が極めて少なくなるということです。
そのため、光熱費を大きく抑えられ、また原油や天然ガスの価格が高騰してもその影響を受けにくく、災害や世界情勢に耐えやすくなります。
快適性や生産性の向上
温室効果ガスの排出を抑制するためにエアコンの温度設定を上げるなど、環境に配慮する動きには「我慢が必要」というイメージがありますが、ZEBではそのような我慢は必要ありません。
ZEBは超省エネの建物において自然エネルギーを上手に活用できるため、快適性が損なわれずに済みます。
その結果、従業員への心身の負担が少なく、生産性が向上します。
建物の不動産価値の向上
ZEBを実現すると温室効果ガスの削減につながるため、一般的な建築物に比べて不動産価値の向上が期待できます。
事業継続性の向上
ZEB化に成功することはつまり、一時的にエネルギー的な自立がかなうということです。
地震や電力不足、電力費用の高騰などが発生しても業務が停滞しにくくなるため、事業の持続性が向上します。
新築でなくとも後からZEB化は可能
これから新しく建築するという場合でなくとも、ZEB化は可能です。
実際に、築20〜30年のビルでもZEB化に着手し、超省エネビルであるZEB Readyを達成している企業があります。
方法としては、床下に断熱材を設置したり空調を高効率空調へ変更したり、太陽光発電設備を設置したりといった方法です。
ただし、環境に優しい設備を導入する場合、初期費用がかかることは避けられません。
また、再生可能エネルギー配給の安定性を確保する必要があったり、法律や規制が変わった場合には対応を求められたりするなど、注意点もいくつか存在します。
そのため、ZEB化の際には慎重な計画と長期的な目線が必要ですが、導入することで、多くのメリットも受けられます。
ZEBは導入するメリットが多くある建物
ZEBは、環境に配慮しつつ、資産価値の向上やビジネス継続性の向上、光熱費の大幅な削減などのメリットを多く受けられる建物です。
建物のオーナー、そこで働く人、その建物を利用する人など、さまざまな立場の方にとってそれぞれによい影響があります。
日本は現在ZEB拡大を目指しているため、新築建築物と既存建築物のどちらにも支援事業があり、時期によっては補助金制度も用意されている場合があります。
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