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省エネルギー設備の導入と電気システムの最適化による会社の電気代節約
2023.09.29 空調機器活用ノウハウ
近年の電気代高騰により、電気代の削減はどこの企業にとっても大きな課題です。
まずはどのようなものに電気を多く使っているのかを知り、そのうえで、削減しやすい項目から確実に節約していきましょう。
この記事では、電気代の中で多くの割合を占めているものは何か、そしてそれぞれの節約方法をご紹介します。
毎月の節電量は大したことがなくとも、それが5年、10年と積み重なれば大きな金額になりますので、取り組みやすい節電方法から取り入れてみてはいかがでしょうか。
目次
企業の電気代は空調・照明・OA機器で約8割を占めている
節電方法を知る前に、まずは現状を理解することが大切です。
どこに電気代がかかっているのかを知るため、資源エネルギー庁が発表している「一般的なオフィスビルにおける用途別電力消費比率」の夏季と冬季をそれぞれみてみましょう。
【夏季】
参考と画像の出典:資源エネルギー庁
【冬季】
参考と画像の出典:資源エネルギー庁
図を見ると、夏場は気温が高いために「空調設備」の占める割合が多く、冬場は日照時間が短い関係で「照明器具」の占める割合が多いとわかります。
両方に共通するのは、空調設備・照明器具・OA機器だけで全体の8割を占めていることです。
つまり、この3つを節電できれば、大きな電気代削減につながります。
会社の電気代節約のためにできること
電気代を節約するためには、企業側とそこで働く人の両方が節電を意識することが大切です。
たとえば、従業員ができることの一例としては「卓上扇風機やうちわなど、体を冷やせる道具を使う」や「クールビズを実行して衣類で体温調節する」などがあるでしょう。
このように、簡単に取り入れられることから取り組むことをおすすめします。
しかし大きな節電につながるのは、前述した空調・照明器具・OA機器に対しての電力をカットをすることです。
この3つが企業の電気代の約8割を占めていることから考えると、3項目の節電アクションは必須項目とも言えます。
- ・空調設備での節電
- ・照明器具での節電
- ・OA機器での節電
次から、上記3つについて具体的に説明します。
空調設備での節電
まずは空調設備での節電についてみていきましょう。
取り組みには以下のようなものがあります。
- ・エアコンの温度設定
- ・フィルターのこまめな掃除
- ・室内の環境を整える
- ・古いエアコンの入れ替え
- ・BAS(ビルディングオートメーション・システム)の導入
エアコンの温度設定
エアコンは温度調節をする際に多くの電力を消費するため、夏は28度で冷房、冬は20度で暖房の設定にしておくことがおすすめです。
エアコンの冷房は1度上げれば約13%、暖房は1度下げることで約10%の節電効果があります。
これに関しては、AGCアメニテック株式会社が「設定温度を緩和した場合としない場合について戸建住宅及び事務所ビル基準階ペリメータ部の年間熱負荷計算実行とその比較」を行い、設定温度を1度緩和することで戸建て住宅では17%~19%、ビルのオフィスでは15%~16%の熱負荷削減になったことを述べています。
参考:AGCアメニテック株式会社環境技術部「Thermal load, Energy-conserving Simulation」
また、夏場に暑くなってからエアコンのスイッチを入れると冷やそうとするための電気代がよりかかるため、できるだけ涼しい気温のうちにエアコンを動かしたり、まずは窓を開けて外気と同じ程度にしてからスイッチを入れる、などといった方法もおすすめです。
フィルターのこまめな掃除
エアコンはフィルターに埃が溜まると循環に支障をきたし、運転効率が落ちます。
ダイキンによる実験では、フィルター掃除をした場合としなかった場合(約3年分の埃)では48.9%の消費電力量の削減がわかりました。
参考:ダイキン「フィルター掃除と室外機周辺の片付けによるエアコンの節電効果を検証」
エアコンのフィルター掃除の目安は2週間に1回程度ですが、最低でも季節の変わり目には掃除しておくことがおすすめです。
室内の環境を整える
空調が効きやすくなるように、夏場はカーテンやブラインドをして直射日光を遮り、冬場はカーテンやブラインドを開けて日光を入れるなどがおすすめです。
エアコンは、起動時に最も電力を消費します。
そのため、こまめにエアコンの電源オンオフするのではなく、人が少ないなら風量を調節するなどをして、エアコンの設定温度や使用時間を抑えるようにしましょう。
業務用エアコンの消費電力を抑える方法としては、以下の記事もぜひご参考ください。
「業務用エアコンの消費電力と風量の関係と電気代を抑える方法を解説」
古いエアコンの入れ替え
15年以上前の型になると、消費電力が現在の倍ほどもかかる場合があります。
もしも型が古いエアコンを長年使っているなら、入れ替えの検討もおすすめです。
業務用エアコンの寿命と買い替え時期については、以下の記事もぜひご参考ください。
「業務用エアコンの寿命は何年?エアコンの買い替え時期と目安を解説!」
BAS(ビルディングオートメーション・システム)の導入
BASはオフィス内の照明や空調、防犯セキュリティなどの機器をネットで一括管理するシステムです。
「建物の頭脳」と言われており、BASで管理しているデータを利用して、エネルギー消費の量を把握・管理・分析を行うシステムがBEMSです。建物内の快適な環境を維持、コントロールしながら省エネルギーの実現を可能にします。
システムが自動的にエアコンの温度調節を行うため、電気の使用量を減らすことに手間がかかりません。導入費用は企業によって異なるため、専門企業への相談が必要です。
照明機器での節電
照明機器でできる節電は「LED化」と「こまめな消灯・照明の間引き」があります。
LED化
オフィスでは朝から晩まで電灯をつけっぱなしというところが少なくありません。
そのため、消費電力が少なく玉切れもほとんど起こさないLED電球に切り替えることがおすすめです。照明をLEDにすることで、消費電力を蛍光灯の約50%、白熱電球の約20%ほどに減らせます。
参考:一般社団法人日本照明工業会「照明器具のリニューアルで快適・省エネ・安全」
こまめな消灯と照明の間引き
また、電灯そのものをこまめに消灯したり間引いたりすることも大切です。業務効率が落ちない程度に、意識してやってみましょう。
OA機器での節電
パソコンやプリンターなど、仕事の必需品であるOA機器が使用する電力もできるだけカットしましょう。
具体的な方法としては「スリープモードの使用」や「使い終わったらコンセントを抜く」などがあります。
スリープモードの使用
電源を落としてしまうと使用するたびに起動することになり、時間と電力をかえって消費してしまいます。
しかし最近のOA機器の多くはスリープモードを搭載しているため、電気代を節約しながらすぐに使える状態にもできます。
たとえばNECのパソコンLAVIE(A2797/DAB)では、標準時が約34W、最大時が約90Wですが、スリープモードだと約4.8Wです。
常時電源オンだったPCにスリープモードを設定すると、約70%の節電につながることがわかります。
参考:NEC「LAVIE公式サイト」
使い終わったらコンセントを抜く
待機電力は消費電力量の全体の約6%を占めています。
つまり、使用しないコンセントを外す、スイッチ付き電源タップに切り替えて不要な場合はオフにするなどの行動で、それなりの節電効果が期待できます。
会社を悩ませる電気代の節約にはさまざまな方法がある!
近年の電気代の高騰を受け、すでにさまざまな節約方法を実践されている会社の方もいらっしゃると思います。
節電を意識するためには、まず従業員全員が同じ意識を持ち、冒頭で解説した節電方法を検討してみてはいかがでしょうか。
オーソリティー空調では、高効率空調を取り扱っていますので、入れ替えをご検討の方はぜひお問い合わせください。
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