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エアコンを取り巻く2050年問題とは? 環境・エネルギー問題と解決策について解説

2025.03.07 空調機器活用ノウハウ

エアコンを取り巻く2050年問題とは? 環境・エネルギー問題と解決策について解説

地球温暖化やエネルギー問題が深刻化する中、2050年に向けた環境・エネルギー問題でさまざまな課題が浮上しています。

この記事では、エアコン業界が直面する4つの課題とその解決策、そして持続可能な未来に向けた技術や取り組みについて解説していきます。

「2050年に向けた環境・エネルギー問題」におけるエアコンの課題

「2050年に向けた環境・エネルギー問題」におけるエアコンの課題

ここでは、4つの課題について解説します。

  • エネルギー効率の向上
  • 冷媒ガスの環境負荷低減
  • リサイクル技術の発展
  • カーボンニュートラルへの貢献

エネルギー効率の向上

問題のひとつは、世界中でのエアコン需要が増えることです。

特に、発展途上国の経済成長と気候変動による気温上昇により、2050年までにエアコンの使用が拡大することが予想されています。これに伴い、電力消費も大幅に増加すると考えられます。

たとえば、アフリカ・アジアの多くの地域では冷房の普及率が低く、猛暑による生命危機にさらされているため、エアコンによる暑さ対策も必要です。

冷媒ガスの環境負荷低減

エアコンに使われる冷媒ガスは、環境に悪影響を及ぼすものが多くあります。

そのため、それらをもっと環境に優しい冷媒に切り替えなければなりません。

リサイクル技術の発展

エアコンの寿命が尽きた後の廃棄やリサイクルの問題の一つです。

古くなったエアコンを適切に処理しないと環境汚染を引き起こす可能性があります。そうならないよう、リサイクル技術の進展が重要です。

カーボンニュートラルへの貢献

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを意味する言葉です。

2050年までに、温室効果ガスの排出と吸収量がイコールになるまで持って行くことを目標にしています。

2023年にドバイで開催されたCOP28(気候変動枠組条約締結国会議の28回目)では、「冷房機器関連のCO2排出量を、2050年までに2022年と比較して最低68%削減する」との目標が示され、これには日本を含む世界63ヵ国が支持を表明しています。

つまり、2050年までにエアコン業界は、より省エネで環境に配慮した製品を開発することが求められています。

環境負荷を軽減する省エネ技術

環境負荷を軽減する省エネ技術

現在、エアコン業界はさらなる環境への配慮をすすめ、技術開発が進んでいます。

ここではどのような技術や取り組みがあるかを解説していきます。

  • 高効率インバーター技術の採用
  • AI技術を活用したスマート運転機能
  • 代替冷媒

高効率インバーター技術の採用

最新のエアコンには、高効率なインバーター技術が採用されています。

インバーターとは、電流の周波数を制御することで、エアコンの圧縮機(コンプレッサー)の回転速度を調整する技術です。

通常のエアコン(非インバーター)は、室温が設定温度から外れるとコンプレッサーを「オン」、設定温度に達すると「オフ」にする制御を行いますが、このオン・オフの繰り返しは電力を大きく消費します。

インバーターエアコンでは、最初は高速運転して設定温度に近づけ、その後は低速運転に切り替えて細かく調整するため、温度を一定に保ちながらエネルギーを節約できます。

AI技術を活用したスマート運転機能

AIが室内の温度変化や利用者の行動パターンを学習し、快適な温度に自動的に調整してくれるのがスマート運転機能です。

必要以上の運転を避けるため省エネにつながるうえ、適切に活用すれば日常的に電気代を抑えられるというメリットもあります。

代替冷媒

オゾン層破壊や地球温暖化の原因となっていた従来の冷媒に代わる、新しい冷媒が開発されています。

地球温暖化係数(GWP)が低いHFO-1234yfやR32といった冷媒は、従来の冷媒と比較して温暖化への影響が抑えられます。

環境負荷を軽減するためにできること

環境負荷を軽減するためにできること

環境負荷を軽減するためにできることには、以下のようなものがあります。

  • 高断熱住宅を選択する
  • 太陽光発電や蓄電池を導入する
  • 温度設定や定期的なフィルター清掃

高断熱住宅を選択する

夏の暑さ、冬の寒さが厳しい昨今では、エアコンなしの生活はかなり困難です。

そのため、エアコンを使用しながら省エネにするには、できるだけエアコン効率を上げることが重要となります。

古いエアコンから省エネ性能の高い最新モデルに買い替える、エアコン使用時はカーテンやブラインドで直射日光や冷気を抑えるといった工夫が効果的です。

また、高断熱の住宅を選ぶことで、冷暖房の必要エネルギーを大幅に削減できるため、より環境負荷の少ない暮らしを実現できます。

太陽光発電や蓄電池を導入する

太陽光発電を導入することで電気を生み出せるだけでなく、余剰電力は電力会社に販売することも可能です。

また、蓄電池には電力を溜められるため、安い電気料金の時間帯に電気を買って蓄電し、高い電気料金の時間帯に使用することで、電気代を抑えることもできます。

温度設定や定期的なフィルター清掃

日々エアコンの温度設定に気を付けることも、省エネにつながります。

目安として、環境省では冬は20℃、夏は28℃の設定を推奨しています。

また、エアコンの効率を上げるためには、定期的なフィルター清掃が重要です。

2050年問題の課題解決に向けた積極的な取り組みが重要

環境やエネルギー問題の解決には、エアコン業界全体が協力し、課題に取り組むことが求められます。

エネルギー効率の向上や冷媒ガスの環境負荷低減、リサイクル技術の発展など、技術革新の推進だけでなく、企業や個人が環境意識を高め、持続可能な選択をすることも重要です。

メーカーはより環境負荷の少ない製品開発に取り組む一方で、消費者も省エネ製品の使用、適切な温度設定、フィルター清掃など、日常の工夫を通じて地球の未来に貢献していくことが求められます。


電力節約や省エネを考慮しながら、最適な空気環境をつくるプランをご提案いたします。空調設備や空気環境はオーソリティー空調へお任せください。

 

 

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