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建設業の残業上限規制と工期の関係を解説
2026.09.18 空調機器活用ノウハウ

「見積もりから工事完了まで、思ったより時間がかかりますね」――最近、そうしたお声をいただくことが増えました。
実はこれ、業者の都合だけではありません。
2024年4月、建設業にも時間外労働の上限規制が法律で適用され、以前のように「残業でカバーして工期を詰める」という対応が難しくなったことが背景にあります。
この記事はこの法改正の内容と空調工事の依頼・工期にどう影響するのかを、厚生労働省の公的情報をもとに解説します。
2024年4月、建設業にも「残業の上限」が法律で定められました
厚生労働省の建設業向けポータルサイトによれば、時間外労働の上限規制は平成30年の働き方改革関連法によって法制化され、一般業種では平成31年(2020年4月からは中小企業にも)適用されていました。
しかし建設業は、適正な工期の設定など取引慣行上の課題を解決する時間が必要という理由で5年間の適用が猶予されており、令和6年(2024年)4月からようやく一般業種と同じ規制が適用されることになったのです。
具体的な上限時間
同ポータルサイトによれば、時間外労働は原則として月45時間・年360時間までとされています。
臨時的な特別の事情がある場合には、労使協定(36協定)に特別条項を定めることで限度時間を超えることもできますが、その場合でも次の上限を守らなければなりません。
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 時間外労働+休日労働(単月) | 100時間未満 |
| 時間外労働+休日労働(2〜6か月平均) | 80時間以内 |
| 時間外労働(年間) | 720時間まで |
| 月45時間を超える時間外労働 | 年6回まで |
(※災害の復旧・復興の事業に限り、単月100時間未満・複数月平均80時間以内という規制は適用されません。)
この上限に違反した場合、事業者には罰則が科される可能性があるため、以前のように「繁忙期だけ残業でカバーする」という運用が事実上できなくなりました。
建設業に猶予が設けられていた背景
厚生労働省の資料では、建設業について「労働時間は他の産業と比べて高水準であり、就業者の高齢化も進み、将来の担い手確保も懸念されている」ことが、働き方改革が必要不可欠とされた理由として挙げられています。
長年、突発的な仕様変更や納期のひっ迫に、現場の残業で対応してきた建設業の商習慣そのものを見直す必要に迫られている、というのが実情です。
工期・繁忙期にどのような影響があるのか
この規制によって、実務上は次のような変化が生じています。
- 猛暑前や年度末など依頼が集中する時期に、残業で無理に工期を詰めることができない
- 職人・作業員1人あたりの1日の作業量に上限があるため、同時に対応できる現場の数が実質的に制限される
- 見積もり依頼から現地調査、着工、完了までのリードタイムが以前より長くなりやすい
厚生労働省のポータルサイトでは、繁閑差の大きい建設業向けに「1年単位の変形労働時間制」を活用し、猛暑期を避けて秋・冬に作業を集中させるなど、労働時間を年間で効率的に配分する方法も紹介されています。
裏を返せば、「夏本番に慌てて依頼する」というスケジュールほど、対応できる業者・時期が限られやすくなっているということでもあります。
空調工事を依頼するお客様への影響
業務用エアコンの入れ替えや新規の空調・換気設備工事を検討されている企業様にとって、実務上のポイントは次のとおりです。
- 繁忙期(初夏〜夏場、年度末など)の依頼は、できるだけ早めにご相談いただくのが安心です
- 現地調査から着工までの期間に余裕を持ったスケジュールを組んでいただくと、希望の時期に工事を完了しやすくなります
- 故障時の緊急対応は従来どおり優先して対応しますが、計画的な更新工事は「壊れてから」ではなく早めの計画がおすすめです
まとめ
2024年4月に施行された建設業の時間外労働上限規制は、働く人の健康を守るための重要な制度である一方、発注する側にとっては「早めの相談・早めの依頼」がこれまで以上に重要になったことを意味します。
オーソリティー空調では、法改正後の労働環境にも配慮しながら、無理のないスケジュールで質の高い空調・換気工事をご提案しております。
更新時期が近い設備がございましたら、繁忙期を避けて、ぜひ早めにお問い合わせください。
