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工事の前に覚えておきたい!空調設備業界の専門用語:基本編
2021.10.29 空調機器導入ノウハウ
空調の現場ではたくさんの専門用語が使われています。
日常生活では耳慣れない言葉が多く、なかなかイメージがしづらいこともありますよね?
やはりオフィスなどに空調設備を設置する際には、施工業者からの説明をしっかりと理解するためにある程度の専門用語を知っておく必要があります。
目次
専門用語を理解して工事説明を聞こう
空調に関する設備·機能·工事それぞれの場面で、さまざまな専門用語が用いられています。
今回はそれらをジャンルごとにまとめてご紹介していきます。
空調業界専門用語:設備編
まずは設備に関する専門用語をご紹介します。
ここでの設備とはかんたんにいえば「機械」のことです。
見えるところに設置する機械に関する用語だと思ってください。
空調設備
空調設備と聞くとイメージされるのは「エアコン」ではないでしょうか。
しかし空調設備とは「空気調和設備」の略称ですので、空気の調子を整えるためのものはすべて空調設備と呼ばれます。
具体的には
- ・温度調整
- ・湿度調整
- ・換気
- ・気流調整
が該当します。
これらを行うものはすべて空調設備ということになります。
4項目すべてを含む必要はなく、たとえば換気だけを行う換気扇も空調設備の1つです。
空調と聞くとイメージしやすいのはエアコンですが、エアコンは室内の空気を循環して熱交換を行う役割を担っています。
ルームエアコン
ルームエアコンとは、一般的に知られている壁に取り付けるタイプのエアコンのことで、住宅の壁に掛けるかたちで設置する長方形のエアコンをルームエアコンといいます。
家庭用エアコンのうち天井や壁に埋め込む、壁掛けタイプ以外のエアコンはハウジングエアコンと呼ばれています。
業務用エアコン
オフィスや飲食店のように大きな出力が求められる空間に設置するエアコンのことを業務用エアコンといいます。
業務用エアコンには天井埋め込み形や天井吊形の他に、ルームエアコンのような壁掛けタイプもあります。
パッケージエアコン
パッケージエアコンは業務用エアコンの一種で、店舗やオフィスに設置されることが多いです。
室外機1台に対して複数台の室内機をつなげることができます。
電源を室外機につなげ、室外機から室内機に給電しており、室外機が稼働している時は、つながっている全ての室内機が稼働します。
1台の室外機に対して室内機が1台のエアコンのことをセパレートタイプ、1台の室外機に対して複数の室内機が接続できるエアコンをマルチタイプといいます
ビル用マルチ
パッケージエアコンよりも出力が大きいものがあり、大きな施設で使われるマルチタイプのエアコンのことです。
1台の室外機に、複数の室内機をつなげることができ、室内機ごとに個別運転が可能です。
室内機は同一のものでなく出力が異なるものも設置できます。
パッケージエアコンにもマルチタイプはありますが、容量の同じ室内機を、同じ条件でしか運転できないという点で異なります。
ファンコイルユニット(ファンコイル)
送風機と熱交換器を一つに収めた空調機のことをファンコイルユニットといいます。
エアコンとは異なり、温度や湿度の調整に水を使います。
建物の屋上などに設置する熱源機器で冷たい水や温かい水をつくり、配管を通してビル中をめぐらせる工程で冷暖房を行います。
熱源機器とは、電気やガス・油などの資源を使用し、冷暖房や給湯等に使う熱を交換して供給する機器のことです。
例えば夏の場合、熱源機器から冷たい水が流れて、各ファンコイルユニットを通ります。
その際冷たい水で冷やされた空気が室内に吹き、室内から暖まった空気を吸い込んでコイルにぶつかります。
大型施設向きの設備で、建物の中の温度を一定にさせたい場所に向いています。
空調業界専門用語:機能編
続いて空調の機能について、ご紹介します。
個別空調方式
部屋ごとに空調機器を置いて、部屋ごとに温度設定を管理する方式のことです。
ヒートポンプ方式
熱の移動を利用した空調方式のことです。
ヒートポンプ方式には空気の熱を使用するものを空冷式ヒートポンプ、水の熱を使用するものを水冷式ヒートポンプといいます。
熱交換器
暖かい流体から冷たい流体へ熱を移動させる機器のことを熱交換器といい、流体には水や空気などが使用されます。
その代表的な例がエアコンです。
室内機、室外機どちらにも入っており、熱交換器によって部屋を冷やしたり暖めたりしています。
全熱交換器
全熱交換器は、エアコンではなく換気設備の一種です。
通常の換気との違いは、室温の変化を抑えて換気ができるという点です。
エアコンと併用して使用することで省エネ対策につながります。
▼全熱交換器の詳しい説明はこちら
空調業界専門用語:施工工事対応編
続いて工事に関する専門用語をご紹介します。
真空引き
真空引きとは、エアコン取り付け時に、室外機や室内機、冷媒管の内部に残った空気を真空ポンプで吸い出し、配管内を真空状態にすることです。
真空引きをしないと、エアコン稼働時に配管内に空気が残ってしまい水分が凍ったり、効きが悪くなったりと故障につながります。
真空引きは、エアコン設置時には欠かせない作業です。
ポンプダウン
ポンプダウンはエアコンの移設や撤去時に行う作業で、室内機と配管に残っているフロンガスを室外機に送り出して封じ込める作業です。
フロンガスは空気中に放出すると環境負荷が大きいため、漏れ出さないようにしなければなりません。
こちらも真空引き同様、欠かせない作業です。
ラッキング
エアコンの配管を断熱材で覆いアルミやステンレス、鋼板と塗装材で巻いて仕上げる作業です。
保温や保冷の目的で行われ、配管の経年劣化も防げます。
コア抜き
工事の際にコンクリートに穴を開ける作業のことです。
開けた穴にはスリーブキャップという専用のフタになる部品をはめ、配管類を通したあとにパテですき間を埋めます。
まとめ
空調には設備から工事に至るまで、さまざまな専門用語があります。
エアコンの設置を検討する際にはあわせて専門用語をある程度知っておくことで、施工業者からの説明をしっかりと理解することができますので、ぜひご参考にしてみてください。
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。
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