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バイオフィリックデザインとは?ストレス軽減やウェルビーイングなどの効果について解説

2025.08.15 空調機器活用ノウハウ

バイオフィリックデザインとは?ストレス軽減やウェルビーイングなどの効果について解説

忙しい日々の中で、ふと公園の緑や木漏れ日を見ると心が落ち着く瞬間を感じたことがある方は多いかと思います。

こうした「自然とのつながり」が人に与える影響を、意識的に空間設計に取り入れるのがバイオフィリックデザインです。

近年、オフィスや店舗での採用が進み、従業員のウェルビーイング向上や顧客体験の質を高める手段として注目されています。

この記事では、その効果を科学的根拠と事例を交えて解説し、実務へのヒントを提示します。

バイオフィリック効果とは

バイオフィリック効果とは、人が自然に触れることで得られる心理的・生理的な好影響を指します。

職場や商業施設ではストレス軽減や創造性の向上といった実益が期待され、世界中で研究と実践が進んでいます。

バイオフィリアとの関係

バイオフィリア(Biophilia)は「人は本能的に自然を好む」という考え方で、1984年に生物学者エドワード・O・ウィルソンが提唱しました。

進化の過程で自然環境の中で暮らしてきた人間は、都市化された環境でも自然要素に接すると安心感や活力を得やすいとされます。

たとえば、窓からの自然光や観葉植物、木材や石材の質感などがその一例です。

グリーンの要素がもたらす心理的作用

室内に植物を配置すると心拍数や血圧が下がり、緊張が和らぐことが複数の研究で示されています。

また、緑視率(視界に占める緑の割合)が10〜15%程度ある空間は作業効率が向上し、疲労感が軽減する傾向があるとされます。

これはオフィスワーカーだけでなく、店舗利用者にも有効です。

また、緑視率(視界に占める緑の割合)が10〜15%程度ある空間は作業効率が向上し、疲労感が軽減する傾向があるとされます。

これはオフィスワーカーだけでなく、店舗利用者にも有効です。

バイオフィリック効果と従業員ウェルビーイング

自然要素を取り入れた職場環境は、従業員の心身の健康や働きやすさを支えます。

精神的な安心感だけでなく、離職率低下や生産性向上といった経営的メリットも期待できます。

ストレス軽減と集中力の向上

兵庫県立大学の豊田正博氏の研究結果によると『机上の植物に触れながら3分間休憩した後、脈拍数が著しく低下した』とあり、机上に小さな観葉植物を置くだけでストレスホルモンであるコルチゾールが低下したと報告されています。

さらに、メルボルン大学の研究では40秒間グリーンルーフを見ただけで、集中力が著しく改善されたという結果があります。

社会的つながり・職場満足度の向上

自然要素のある共用スペースは、従業員同士の偶発的な交流を促進します。

たとえば休憩室に自然光を取り入れ、木材家具や植物を配置するだけで、会話量や笑顔の回数が増えたという企業調査もあります。

こうした空間は心理的安全性を高め、結果としてチーム全体の協力体制を強化します。

バイオフィリックデザインのオフィスでの活用

オフィスでバイオフィリックデザインを導入する際は光・植物・素材の3要素をバランスよく組み合わせることが鍵です。

単なる装飾ではなく、業務動線や視界計画と一体化させることで効果が最大化します。

自然光・植栽・素材選定のポイント

自然光は人間の概日リズム(体内時計)を整えるため、生産性や睡眠の質に影響します。

窓際席の配置や天井反射率の高い内装材を選ぶことで、光の回り方を改善できます。

植物は視線の高さや動線沿いに置くと効果的で、素材は木材や竹、天然石など触感と温度感のあるものが望ましいです。

動線設計と視覚的開放感の確保

植物や家具の配置は通行の妨げにならず、視界に自然が入るように工夫します。

壁面をガラスにして中庭や屋外緑化を見せる設計も有効です。

これにより閉塞感を減らし、来訪者にも開放的な印象を与えられます。

バイオフィリックデザインの店舗での活用

店舗ではバイオフィリックデザインが来店者の滞在時間や購買意欲に直結します。

特に飲食店や美容室では、自然要素の導入が顧客体験の質を左右します。

店舗コンセプトと自然要素の融合

店舗デザインはブランドコンセプトと整合する必要があります。

たとえば、オーガニックカフェなら木材や植物、自然光を積極的に取り入れることでブランド価値を強化できます。

逆に高級ジュエリー店では間接照明と上質な天然石素材を組み合わせると高級感と落ち着きを両立できます。

集客・売上への影響事例

アメリカの小売チェーンでは、植物ディスプレイを導入した店舗で顧客滞在時間が平均18%延び、売上も12%増加した事例があります。

日本でも同様の傾向が確認されており、視覚的な居心地の良さが購買行動を促進すると考えられます。

業種別の効果差と適用ポイント

飲食業ではリピーター率向上、小売では滞在時間延長、美容サービス業ではリラックス効果が評価される傾向があります。

それぞれの業種に合わせて、自然要素の配置や強調ポイントを調整することが重要です。

まとめ

バイオフィリックデザインは、自然要素を空間設計に取り入れることで、心理的・生理的な恩恵を人々に届けます。

オフィスでは生産性と従業員満足度を、店舗では顧客体験と売上を改善する可能性があります。

まずは小規模な導入から始め、効果測定を行いながら段階的に拡大することが現実的な進め方です。

参考文献