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空調設備による乾燥の健康被害と対策方法とは
2024.11.08 空調機器活用ノウハウ
- 湿度の「相対湿度」と「絶対湿度」について
- 適切な湿度と乾燥対策について
これからの寒い時期に欠かせないのがエアコンを含む暖房器具です。
素早く室内を暖められるというメリットがある一方、室内が乾燥しやすいデメリットもあります。
今回はエアコンを使用すると乾燥する原因と、乾燥を防ぐ対策方法について解説していきます。
目次
湿度とは
湿度とは、空気中に含まれる水蒸気の量を指し、温度と深い関係があります。
温度が高いほど空気中に含まれる水蒸気の量が多くなり、逆に温度が低いと水蒸気量は少なくなります。
湿度が高すぎると蒸し暑く感じ、低すぎると乾燥を感じることがあります。
相対湿度と絶対湿度
湿度には「相対湿度」と「絶対湿度」の2種類があります。
相対湿度は、空気中の水蒸気量がその温度で保持可能な最大量に対する割合を示します。
例えば、相対湿度が50%ということは、空気中の水蒸気がその温度で保持できる最大量の50%しか含まれていないことを意味します。
相対湿度 (%) = (実際の水蒸気量 / 最大水蒸気量) × 100
例えば
25℃の空気で最大水蒸気量が20g/m³で、実際の水蒸気量が10g/m³の場合
相対湿度=(10/20)×100=50%
相対湿度は上記のように計算できます。
絶対湿度は、空気中の水蒸気量そのものを示し、単位はg/m³です。
これは温度に関係なく、空気が含んでいる水分量そのものを表します。
例えば、絶対湿度が10g/m³ということは、1立方メートルの空気に10グラムの水蒸気が含まれているという意味です。
湿度と快適性の関係と快適な湿度を保つ重要性
湿度は日常を過ごすうえでの快適さに直接影響を与え、通常、快適な湿度は40%~60%程度とされています。
快適な湿度を保つことで、快適な体感温度を保ちやすくなり、健康的な室内環境が維持されます。
- 湿度が低すぎると、乾燥が生じ、肌が乾燥したり、喉が痛くなるなどの原因になります。また、静電気が発生しやすくなります。
- 湿度が高すぎると、空気が重く感じ体温調節が難しくなり、不快感を覚えます。さらに、カビやダニの繁殖を促進します。
空調設備が湿度に与える影響
空調設備は、室内温度を調整するだけでなく、湿度にも大きな影響を与えます。
空調を稼働させると空気が乾燥する原因
暖房による乾燥の原因は、室内の温度が上がると、湿度が下がってしまうためです。
空気が保持できる水分量は温度に依存し、温度が高いほど多くの水分を保持できます。
空調設備は基本的に加湿機能を持っておらず、空気を暖めるだけですので、水蒸気は発生しません。
そのため、空気中の水分量は変わらず、温度だけが上がるため、結果として湿度が下がり、乾燥しやすくなってしまいます。
空調設備稼働時の乾燥対策
空調による乾燥を防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 加湿器を使用する:空気の乾燥を防ぐためには、室内に加湿器を使うことが効果的です。湿度を40〜60%に保つことが理想的です。
- 植物を置く:観葉植物などを置くことで、自然な方法で湿度を上げることができます。植物は水分を蒸散させ、空気の湿度を調整します。
- 水分補給を意識する:体内の水分が不足すると、乾燥がさらに悪化します。十分に水分を摂取することも大切です。
換気と湿度管理が及ぼす健康への影響
湿度管理だけでなく、換気も健康に大きな影響を与えます。
適切な湿度を保ちつつ、換気を行うことで、より健康的な室内環境を作ることができます。
感染症予防と推奨する温度・湿度
湿度が低すぎると、インフルエンザや風邪などのウイルスの生存率を高め、感染症が広がりやすくなります。
感染症予防には、温度20〜22℃、湿度40〜60%が理想的です。
この温度・湿度範囲では、空気中のウイルスの活動が抑制されやすい傾向にあります。
湿度とカビ・ダニ対策
湿度が高すぎると、カビやダニが発生しやすくなります。カビは高湿度を好み、ダニも湿度が高い環境で繁殖します。
湿度を適切に管理することで、これらの問題を予防できます。
- 湿度が60%を超えるとカビやダニの繁殖が促進されるため、湿度は40%以上から50%以下に保つことが望ましいです。
まとめ
適切な湿度を保ち、さらには加湿器や換気設備も活用することで、健康を守りながら快適に過ごすことができます。
そして、湿度を細かく管理することで、感染症の予防やアレルギー対策にも繋がるため、湿度管理の重要性は非常に高いと言えます。
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