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新型コロナウイルス対策には「換気」が重要?換気扇は有効?空調による対策をご紹介!
2020.04.08 空調機器活用ノウハウ
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」の流行に対しては、個々人で対策をしっかりと行うことが重要です。
「マスクの着用、アルコールなどの消毒液を使用し手指の消毒の徹底」
「外出から帰ったら手洗い、うがいを徹底する」
「人が多く集まる場所や密になりやすい場所には行かない」など、
様々な対策手段がありますが、その中のひとつに「換気をする」という方法が存在します。今回は、新型コロナウイルス対策において「換気」が何故重要なのかについて説明します。
目次
◎新型コロナウイルスとはどのようなウイルスなのか
ヒトに感染するコロナウイルスは、2020年4月現在において7種類が発見されています。
この7種類のコロナウイルスのうち4種類は一般的な風邪の原因の10%から15%(流行期は35%)を占めるもので、その多くは軽症で済みます。
しかし、残りの2種類は「重症急性呼吸器症候群(SARS)」「中東呼吸器症候群(MARS)」などを引き起こし、重症化の恐れがある危険なウイルスです。
そして、この重症化するウイルスの残り1種類こそが、2019年12月より世界各地で流行し問題となっている、いわゆる「新型コロナウイルス」です。
このウイルスは、くしゃみや咳に含まれる飛沫を吸い込む、ウイルスが付着した箇所に接触する感染すると1日から14日(一般的には5日とされる)の潜伏期間を経て発症します。
2020年4月現在、空気感染の事例は確認されていません。
初期症状は主に発熱、せき、たん、息切れ、喉の痛み、頭痛、下痢などです。
初期症状は風邪に似ているため、見分けることが困難ですが、この初期症状中に回復しない場合、高熱や気管支炎、肺炎の初期症状が現れ始めます。
重症化するとウイルスが全身に拡散することによって臓器の機能不全を引き起こしたり、脳炎になることもあり、最悪の場合は死に至ります。
また、ウイルスはアルコールなどの消毒液や、石鹸・洗剤などの界面活性剤に弱いため、手洗いやうがいが奨励されています。
また、プラスチックなどの表面に付着したウイルスは長時間生き残るため、不特定多数の人間が触るものについても、定期的に消毒や洗浄を行うことが必要です。
飛沫感染を防ぐためには「マスクをする」「咳やくしゃみをする時は手で口や鼻を覆う」「人の近くで大きな声や高い声を出さない」などの対策方法が挙げられます。
◎コロナウイルス対策で部屋の換気が重要な理由
空気中において新型コロナウイルスは3時間で死滅するとされており、空気感染が発生しないと考えられています。
新型コロナウイルスの生存期間
■空気中(3時間) ※エアロゾル状態
■銅の表面(4時間)
■ボール紙の表面(24時間)
■プラスチックの表面(2〜3日間)
■ステンレスの表面(2〜3日間)
しかし、空気感染をしないにも関わらず、新型コロナウイルス対策として「部屋の換気が重要」との情報もあります。
実は、この換気は空気感染対策ではなく「エアロゾル感染」への対策となります。
感染者がせきやくしゃみをした場合、その飛沫の中にウイルスが含まれますが、こうした飛沫の一部は「エアロゾル」となります。
エアロゾルとは、気体の中で浮遊する、ごくごく小さい個体や液体の粒子の総称です。通常、咳やくしゃみで飛び散った飛沫は、その重さによって地面へと落下します。
しかし、空気よりも軽い一部の飛沫は空気中にそのまま浮かび続け、エアロゾルとなるのです。
換気が悪い場合、ウイルスを含んだエアロゾルが滞留するために、他の人がそれを吸い込んでウイルスに感染するリスクがあります。
逆に、換気を行えばウイルスを含んだエアロゾルは空気の入れ替えによって外へと追い出され、やがて死滅します。
厚生労働省によると「スポーツジム」「ビュッフェスタイルの会食」「屋形船」「雀荘」「密閉されたテント」などの空間にて1人の感染者が複数の人に感染させた事例が報告されているとのことです。
こうした環境に共通するのは、多くの人が集まる換気の悪い場所です。
このことから、厚生労働省やWHOは「換気が悪い場所」「人が多く集まる場所」「不特定多数の人が接触する恐れの高い場所」の3点を、集団感染のリスクが高い場所として挙げており、こうした環境を作らないことが重要であると呼びかけています。
◎エアコンや換気扇を使用したウイルス対策
コロナウイルス感染予防対策としては、部屋の換気を定期的に行うことが有効です。特に、家族の中に感染者がいる家庭では、換気の重要性は高まります。
エアコンや換気扇を利用する、窓を開けるなどして空気を定期的に入れ替えることで、ウイルスを含んだエアロゾルを部屋から追い出しましょう。
なお、ウイルスの感染を防ぐ上で必要な換気量としては、一人あたり毎時30立方メートルとされています。
■換気回数※を毎時2回以上(30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する。)とすること。
※ 換気回数とは、部屋の空気がすべて外気と入れ替わる回数をいう。■空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、二方向の壁の窓を開放すること。窓が一つしかない場合は、ドアを開けること。
換気扇を使用する場合、風通しを良くするとより効果的と言われています。換気扇の反対側にある窓やドアを開けて空気の流れを作ることで、より効率的に部屋の換気を行うことができます。
室内の空気を循環させているエアコンの場合も送風機能を使用することで同様のことが可能です。エアコンを使用する場合は、室温を保つことも有効とされています。
SARSなどのコロナウイルスは、20度の室温と50%の湿度が保たれている場合、感染力を失うという実験結果があります。
参考元:Effects of Air Temperature and Relative Humidity on Coronavirus Survival on Surfaces(外部リンク)
新型コロナウイルスに対する効果は不明ですが、他のウイルスへの対策にもなるので、決して無駄になるわけではなりません。
▼「空調と換気」その設備の使い方について
◎換気扇によるコロナウイルス対策はどれだけ有効か
換気扇によるコロナウイルス対策は、換気扇の換気量と部屋にいる人数によって有効度が変わります。
先述したウイルスの感染を防ぐために必要な換気量である、1人あたり毎時30立方メートルの換気量を満たすには、換気扇の換気量が足りない場合、窓を空けて換気を補助する、部屋にいる人数を減らすなどの対策を講じる必要があります。
ビル管理法に則って建築された建物の場合は、基本的に必要十分な換気量が最低限確保されているため、よほど人が密集していない限り、換気扇を回し続けることで十分な換気が可能です。
一般家庭の換気扇でも、天井埋込式の換気扇(DCモーター)の場合、1時間あたり50立方メートル以上の換気が可能です。
参考:三菱電機 ダクト用換気扇 天井埋込形 VD-07ZVC2(外部リンク)
ただし、それでも人が密集する状態は出来る限り避け、定期的に窓を空けるなどして風通しの良い状態を作ることでより万全な対策となります。
一部屋にいる人数を決めて、必要換気量が常に足りている状態を作ることを心がけましょう。
▼換気についての解説はこちら
なお、換気の悪い場所はあくまでもリスク要因のひとつに過ぎず、換気を行うことがコロナウイルス感染への特効薬というわけではありません。
「感染者がいる場合は感染者と他の人で部屋を分ける」「感染者がいる部屋には長時間滞在せず、感染者の世話をする人も限られた人のみにする」「手洗い・うがいの徹底」「ドアノブなどの消毒を行う」
など、他の対策と組み合わせて、感染リスクを最大限に下げる努力をすることが大事です。
◎マスクと換気でエアロゾルを追い出し、手洗いうがいで消毒してウイルスを持ち込まないようにする
コロナウイルスの感染ルートは、くしゃみやせきによる飛沫やエアロゾルによる飛沫感染と、ウイルスが付着した場所を触って感染する接触感染の2つがあります。
飛沫感染を防ぐにはマスクと換気、接触感染を防ぐには手洗いうがい。どちらもすぐに実践できるうえに有効性も高いです。
人が密集した場所にはなるべく近寄らないことも含めて、感染リスクを下げるように心がけましょう。
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