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ビルトイン形 業務用エアコンの取付工事の方法や相場費用について
2021.05.07 空調機器導入ノウハウ

業務用エアコンの購入を考えるとき、どのタイプを選べばよいか悩む人が多いのではないでしょうか。業務用エアコンは種類が豊富なので、空間に適したものを選ぶのが難しいと感じるはずです。
また購入するにあたり、費用について気になる人もいるでしょう。そこで今回は、ビルトイン形の業務用エアコンの取付方法や費用を解説していきます。
「ビルトイン形」エアコンとは?
業務用エアコンと家庭用エアコンの違い
業務用エアコンと家庭用のエアコン違いには、まず工事内容があげられます。家庭用エアコンの場合は、他の家電工事と同様に量販店などで工事を依頼できます。
一方、業務用エアコンの取付工事には、冷媒配管の溶接などの専門的な作業が求められます。
そのため、空調設備を専門とする業者に工事を依頼する必要があります。
また、エアコンに必要な電力の種類も違います。一般家庭で使われている電気は、単相100Vまたは単相200Vです。
業務用エアコンの場合は、主に少ない電流でより大きな電力を使える三相200Vを使いますので、店舗やオフィスなど電気の使用量が多い建物では、このタイプの電力を契約する方が多くなっております。
基本料金は高いですが、使用料は安いのが特徴です。業務用機器は長時間使用されるケースが多いため、このような契約内容になっています。
三相200Vを使う業務用エアコンは、カセット形やダクト形など様々な種類があるのも特徴といえます。ここからは、ビルトイン形の業務用エアコンについて、詳しく解説していきます。
ビルトイン形エアコンの特徴
ビルトイン形は、レイアウトを気にせず設置できるタイプの業務用エアコンです。天井内に設置した本体にダクトをつなげることで、本体から離れた場所に吹出し口を設置できます。
1台のエアコンに複数の吹出し口を取り付けられるのが特徴です。
建物の構造に影響されず、好きな場所に風を送ることが可能になります。ただしビルトイン形の業務用エアコンは、他の業務用エアコンと比べると工事費用が高くなりやすいので注意が必要です。
ビルトイン形エアコンはどのような場所に適しているか
ビルトイン形は、病院や美容室、レストランなど様々な場所での設置に向いています。設置場所はレイアウトに合わせて柔軟に変更できるため、L字型やコの字型などの変形店舗にも適しています。
吹出し口を数ヶ所に分散すれば、柱が多い店舗などエアコンを設置しづらい空間でも設置しやすいでしょう。設置場所が自由自在なだけでなく、天井に本体を隠せる点も魅力です。
照明やインテリアの邪魔にならずに空調を設置できますので、店舗などの見た目を。
ビルトイン形の工事内容
業務用エアコンは、購入後に取付工事が必要になります。この取付工事中は、基本的に作業エリアに立ち入ることはできません。
一般的に取付作業は、1台につき約6~8時間程度かかるといわれています。作業時間が長いため、途中で進捗状況を確認したいという人もいるのではないでしょうか。
そんなときは、取付工事の内容をある程度把握しておくと便利です。工事に関して気になることがある場合は、予め業者に確認しておきましょう。ここからは、ビルトイン形の工事内容を紹介します。
作業前に養生を行う
作業中に壁や床を傷つける可能性があるため、工事エリアの養生を行います。マスキングテープやシートを利用して室内を保護します。必要な場合は、搬入経路や作業スペースも養生します。
冷媒ガスを回収する
古い業務用エアコンから入れ替えする場合は、冷媒ガスの回収が必要です。既存の業務用エアコンの位置と搬入経路の位置を確認した後に、冷媒ガスを回収します。
フロンガスなどの種類がある冷媒ガスは、回収が法によって定められています。業務用エアコンを処分する際は、フロン類を回収した引取証明書が必要になるので注意しましょう。
既存の業務用エアコンを撤去する
準備が整ったら、既存の業務用エアコンを撤去します。産業廃棄物扱いになるため、家庭用ゴミと同じように自治体で処分することはできません。
自治体の認可を受けた業者のみ処分が可能なので注意が必要です。取付工事を依頼する業者には、産業廃棄物を処分できるかを事前に確認しておきましょう。
新しい業務用エアコンを取り付ける
購入した新しい業務用エアコンの本体を所定の位置に取り付けます。必要に応じて、化粧パネルやリモコンの取り付けも行います。
配管工事やラッキングなどを行う
業務用エアコンを設置したら、配管工事、ラッキングなどを行います。ビルトイン形の工事では、ダクトの調整が必要になります。
試運転して、正常に業務用エアコンが動くかチェックする
新しい冷媒を設置後は、正常に作動するかを確認しましょう。業務用エアコンの作動に問題なければ、作業スペースを清掃し顧客に引き渡します。
工事が完了した後は、使用方法などの説明を受けます。このとき、故障の修理対応やメンテナンスなどについて確認しておくと良いでしょう。故障時の対応方法や連絡先を確認しておけば、いざというときにスムーズに対応できます。
ビルトイン形 業務用エアコン本体の相場
業務用エアコンは種類や設置台数などによって、価格が大きく異なります。業務用エアコンの本体価格は、10~80万円程度が相場です。
馬力や性能などによっては、本体価格が50万を超えるケースも少なくありません。
例えば、火を取り扱う飲食店やドライヤーを使う美容室は、店内の温度が上がりやすくなります。また人の出入りも多く空調が効きにくいため、馬力があるエアコンが必要です。
このような業種の場合は、本体価格が高くても馬力のあるタイプを選んでください。
ビルトイン形 業務用エアコンの取付工事費用の相場
ビルトイン形の工事費用
ビルトイン形業務用エアコンの工事費用は、新規か入れ替えかによって、大きく変動します。
ビルトイン形は吹出し口を複数設置できるため、他の業務用エアコンと比べて工事費用が高くなる傾向にあります。
設置場所の状況でも設置費用が変わるので、契約する前に必ず見積もりを依頼しましょう。
大幅に安い業者には要注意
エアコンの設置業者の中には、格安で工事を請け負っているところがあります。こうした業者は、工事を下請け会社に依頼している可能性があります。
下請け会社の利益は少ないため、工事内容が手抜きになることも考えられます。施工不良の場合、さらに修理費がかかるケースがあるので注意が必要です。
本体購入から設置にかかる工事費用総額の相場
ビルトイン形の本体価格は20~50万円程度です。
一方、他の種類の業務用エアコンですとビルトイン型の本体価格以下で、取り付けまで完了できるケースもあります。このことから、ビルトイン形の業務用エアコンは比較的高めの費用がかかり気味であることがわかります。
初期費用が高額になるので、予算を抑えたい場合はリース契約も検討すると良いでしょう。
自由に設置したいならビルトイン形エアコン
今回は、ビルトイン形の業務用エアコンについて解説してきました。このタイプは本体と吹出し口を離せるため、好きな場所に設置しやすいのが特徴です。
レイアウトに関係なく空調設備を整えたい人に適しています。ただし業務用エアコンの種類の中でも、比較的費用が高くなります。ビルトイン形を選ぶ場合は、よく検討してから購入しましょう!
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