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エアコン暖房時の換気と加湿方法
2023.02.17 空調機器活用ノウハウ
エアコンで暖房運転をする際に、室内の乾燥が気になるという方は多いのではないでしょうか。
この記事では、暖房時の乾燥を防ぐ加湿方法と、こもりがちな室内の空気を効率的に入れ替える換気方法についてご紹介していきます。
目次
エアコンの暖房で乾燥する理由
室内は、湿度が下がると乾燥します。
というのも、湿度は空気中に含まれる水分量で決まります。
しかし、エアコンの暖房で室内が乾燥するのは、暖かい風によって空気中の水分が失われるからではありません。
空気には暖まることで含むことができる水分量が増えるという特徴があります。
暖房で室内が暖まると、含むことができる水分量が増えますが、実際の水分は暖房で増えるわけではありません。
そのため、水分が失われなくても室内が暖まることで相対的に湿度が下がり、乾燥につながってしまいます。
なぜ暖房だと強く乾燥を感じるのか
暖房で乾燥を感じやすいのは、相対湿度が下がることだけが理由ではありません。
エアコンは、室内全体の温度を上げるもので、暖かい空気を室内に循環させています。
空気の流れが生まれることにより、肌から水分が奪われやすくなるため、乾燥を感じやすくなります。
冷房も同じように乾燥するのか
暖房と同じように冷房でも室内は乾燥します。
これは冷房には除湿の効果があるからです。
しかし、日本の夏は高温多湿なため、エアコンをつける前の元々の湿度も高くなります。
そのため、冬に比べると乾燥を感じにくいかもしれません。
相対湿度と絶対湿度とは
湿度には相対湿度と絶対温度があります。
記事内で湿度と言うときは相対湿度を指しています。
相対湿度は、空気に含まれる水分の量を割合(%)で表したものです。
暖房をつけた場合、室内の水分量は変わりませんが、含むことができる水分量が増えるため水分の割合が減り、湿度の数値も下がります。
絶対湿度は、空気に含まれる水分量を表すもので、単位はg/m³などが用いられています。
冷房や暖房をつけても室内の水分の量は変わりません。
そのため、冷暖房によって絶対湿度が変化することもありません。
室内の乾燥を防ぐ方法
室内が乾燥すると肌のうるおいが失われ、バリア機能の低下やウイルスの増殖、アレルギー反応の原因になることがあります。
健康のためにも室内の乾燥を防ぐことが重要です。
ここでは、乾燥を防ぐために手軽にできる方法を3つご紹介します。
加湿器の使用
最も効果的なのは、加湿器を使用することです。
室内全体をまんべんなく加湿するためには、加湿器を室内の中央に置くことをおすすめします。
出入口や換気扇の近くだと空気の出入りが激しく、加湿効果が下がってしまいますし、壁際に置くとカビの原因になるので、どちらもなるべく避けて設置することをおすすめします。
コップなどの容器に水やお湯を入れる
コップの中に水やお湯を入れておくと、少しずつ蒸発し、周りの空気が加湿されます。
加湿効果はそれほど大きくありませんが、デスク周りなど自分の近くに置くのであれば一定の効果が期待できます。
加湿効果が薄いと感じられる場合は、やかんでお湯を沸かすのも手軽でおすすめです。
濡れたタオルを室内で干す
気温が低く、日照時間も短い冬は、洗濯物が乾きにくくなります。
暖房を使用する際は、室内に干すようにすると、乾燥を軽減できますし、洗濯物も乾きやすいです。
加湿による結露に注意
冬は窓に結露が起きやすくなります。
冷たい空気は含むことのできる水分量が少ないですが、室内の水分を含んだ空気が冷たい窓によって冷やされると、空気中に含んでおけなくなった水分が生まれ、それが結露となって現れます。
また、加湿によって空気中に含んでおける量以上の水分がある場合も結露になります。
乾燥を防ぐためには加湿が必要ですが、加湿のし過ぎで室内に結露が発生してしまう状況も好ましくありません。
ここでは、結露によって起こる問題点について、ご紹介いたします。
カーテンや壁などにカビが生えやすくなる
結露した箇所の周りは水分が多く、なかなか乾きません。
カーテンや壁が濡れたままの状態になれば、カビが生えたり、空気中にカビが飛散したりしてしまいます。
床材や木材の劣化を早める
家の床材や壁材などに使われる木材は、使用する前に一定期間乾燥させられています。
木材は乾燥させると硬くなり、折れや曲がりにも強くなる性質があるからです。
言い換えると、結露によって濡れたままの状態が続けば、木材はもろくなってしまうことになります。
ダニが発生しやすくなる
水分が多く湿度が高い環境はカビと同様にダニの温床化につながります。
室内をある程度加湿することは重要ですが、結露が発生すると問題を引き起こす可能性が生まれます。
そのため加湿器を使用する場合はタイマーで時間を区切る、室温を一定の高さでキープして結露が発生しにくいような状態にするといった工夫が重要です。
暖房中の上手な換気方法
基本、暖房は窓を閉め切って行います。
しかし、空気の入れ替わりが起きないと汚れた空気がどんどんと室内にたまってしまいます。
暖房時でも定期的に換気な換気がおすすめです。
暖房の電源は切らずに稼働させ続ける
窓を開けて換気をすると、外の冷たい空気と室内の暖かい空気が入れ替わり、室温が下がります。
このとき暖房を消してしまうと室温が大きく下がってしまい、その後、元の温度に戻るまでに時間がかかります。
また、エアコンは立ちあがり時に最も電力を消費するので、換気をするからといってエアコンを切ってしまうと余計に電力を消費してしまいます。
換気時間を短くし換気回数を増やす
換気は1時間あたり5分の換気を2回行うのがおすすめです。
しかし、冬は窓を開けると冷たい空気が入ってきて耐えられないという場合には、1回の換気時間は短く、その代わり回数を増やしてみてください。
空気は暖かいところから冷たいところに移動する性質があるので、夏に比べると、冬は窓を開けると空気が自然に流れやすくなります。
まとめ
暖房時には室内の乾燥に注意する必要があります。
室内が乾燥したり、空気がこもってしまうと肌トラブルや健康に悪影響を及ぼしてしまう可能性があるため、適度に換気をしながら加湿することをおすすめします。
店舗やオフィスの乾燥でお悩みの場合には、業務用エアコンに後付けで設置できるタイプの加湿器や、空調負荷の軽減も期待できる、加湿機能つきの高機能換気設備の設置もぜひご検討ください。
業務用エアコンに後付けできる加湿器はメーカーや機種が限定されていますが、天井から加湿するものであれば効率的に室内全体を加湿できます。
高機能換気設備を使用すれば、窓を開けることなく外気の取り入れや室内の汚れた空気の排出ができます。
風邪やインフルエンザ対策、室内の空気環境向上のためにも、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。
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