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大型施設へ業務用エアコンを設置するためのポイントを解説
2023.11.10 空調機器導入ノウハウ
人は1日に約28,800回も空気を吸い込んでいるため、空気の質が人に与える影響はとても大きいと言えるでしょう。
空気がきれいだとほこりや花粉などのアレルギー症状を抑え、体に過度な負担をかけません。
周囲にきれいな空気があるかどうかは人の心身に深く影響を与えるため、多数の人が出入りする大型施設においては空調設備がとても大切です。
働く人、訪れる人にとって快適な環境を保つため、空調が重要な役割を担っています。
ここでは、大型施設の空調の役割やシステムの種類、そのメリット・デメリットをご紹介していきます。
目次
大型施設での空調の役割
まずは大型施設とは何かについて説明しましょう。
一般社団法人日本ショッピングセンター協会によると、大型施設とは「ひとつの単位として計画・開発・所有・管理運営させる商業・サービス施設の集合体」です。
デパートやショッピングセンター、ホームセンターやドラッグストアなどが当てはまります。
参考:福徳社「大型商業施設のこれまでとこれから②」
人の出入りが多い大型施設では、空調設備によって快適な気温と湿度を提供することが義務付けられているため、以下は重要な課題です。
- 室温のコントロール
- 室内の湿度コントロール
- 空気の入れ替え(換気対策)
大型施設は気密性が高いため、定期的に空気の入れ替えをして二酸化炭素の濃度を減らす必要があります。
これを可能にするのは換気設備です。
また、室内で快適に過ごすためには温度のみならず湿度のコントロールも大切です。
湿度がコントロールできないと、結露が生じてダニやカビが発生しやすくなります。
つまり施設の規模が大きくなればなるほど出入り口からの換気だけでは不十分であるため、室温・湿度・換気ができるシステムの導入が必要なのです。
大型施設で利用されている空調システムの種類
空調システムの種類は主に「セントラル空調(中央管理方式)」と「個別空調」の2つに分けられます。
それぞれの詳細をみていきましょう。
セントラル空調(中央管理方式)
セントラル空調は中央管理方式と呼ばれる空調システムで、建物全体の空調を管理会社などが管理します。
特徴は、空調を送る熱源が1つにまとまっているため空調管理が容易であることです。
1フロアが300坪を超えるような大型ビルでは、ほとんどがセントラル空調を採用しています。
セントラル空調が向いている建物は、高層ビル、大規模な医療施設、地下街や地下鉄構内、大規模工場、古いビル、ショッピングモールなど、人の出入りが多くて広いスペースがある建物です。
メリット
空調を送る熱源がひとつにまとまっているため管理が容易で、管理スペースも一カ所で済みます。
自動で空調管理をしてくれるため、自分たちでこまめに温度の切替などを行う必要がありません。
また、セントラル空調を採用している建物では「コアタイム」と呼ばれる空調利用時間が設定されます。
このコアタイム中の空調利用料金は共益費に含まれていることがほとんどのため、別途で空調費がかかりません。
もしもコアタイムでしか活動をしない企業であれば、コスト削減につながります。
参考:株式会社ダク・エンタープライズ「貸事務所・賃貸オフィスの空調はセントラル空調がおすすめ!特徴やメリットとは」
参考:officee「個別空調とセントラル空調、何が違う?それぞれのメリット・デメリットを解説」
デメリット
セントラル空調のデメリットは、空調の設定を自由に変更できない場合が多いことです。
季節の変わり目には全館で一斉に冷房から暖房に切り替わるため、細かく暑さ寒さに対応できません。
ただし、中には各部屋で温度調整ができるセントラル空調システムもあるため、個々で温度調節ができるかどうかはビルの管理に確認するようにしましょう。
また、設定外(コアタイム外)の時間にエアコンを稼働させると時間外の運転料金が必要です。
なおかつ、その費用は多くの場合に割高であるため、残業や休日出勤が多い会社には不向きとされています。
コアタイムは土日祝日が除外されるケースも多いうえ、建物全体で一律に時間設定されていたり、連続で○時間といった形で設定されていたりします。
参考:オフィス転移navi「個別空調・セントラル空調」
個別空調
各々で空調管理ができる個別空調は、部屋やフロアごとに室内機が設置され、それぞれで冷暖房の切替や空調の電源が個別設定できる方式です。
各フロアや部屋に空調のスイッチがあり、区切られたエリアごとに管理します。
テナントごとに空調が必要となる時間が異なる場合には、各自で空調管理ができる方が光熱費に無駄がありません。
そのため、雑居ビルなど中規模以下のビルでよく採用されています。
メリット
一般家庭と同じように部屋やフロアごとに空調管理ができることが最も便利な点です。
テナントごとにエアコンのオンオフスイッチが切り替えできるうえに、風量や温度の調節も自由でストレスがありません(設定を変更できないケースもあるため内見時に確認が必要です)。
さらに必要なときにだけ使用できるため、従業員の協力があれば大きな節電も可能です。
デメリット
個別空調では室内機と室外機を各フロアに設置しなければならないため、それぞれに設置スペースが必要です。
大型施設にセントラル空調をおすすめする2つの理由
大型施設に空調設備を導入する場合には、管理が容易なセントラル空調がおすすめです。また、次の2つの理由も考えられます。
- 築浅の物件は利便性が高い
- VAV方式(可変風量式)でコスト削減できる
築浅の物件は利便性が高い
築年数が古い物件では、まだ個別制御ができない古いタイプが導入されていることが多かったのですが、築浅物件であれば最新鋭の空調システムの導入が可能です。
最新鋭のセントラル空調では今までの不都合な点が改良されているため、より便利に利用できます。
たとえばゾーンごとにオンオフの切替が可能であったり、コアタイム以外の空調利用が分単位で調整できたりする場合があります。
VAV方式(可変風量式)でコスト削減できる
VAV方式(可変風量式)とは、室内の温度差をセンサーが感知して自動で風量を調節するシステムのことです。
運用上はセントラル空調なのですが、手元のスイッチで個別に風量調節が可能です。
その結果、テナントの省エネや節電、経費削減など、コスト削減が期待できます。
セントラル空調と個別空調の併用は可能でメリットも大きい
この2つの空調システムの併用は可能です。
一見すると倍のコストがかかるのではと考えてしまいますが、時間によって使用する空調システムを分けることでコストを抑えられます。
たとえばセントラル空調を導入すると通常の営業時間は共益費に空調料金が含まれるので、残業や特別出勤などのときは個別空調に切り替えることで割高な「コアタイム以外の空調料」がかかりません。
大型施設でのエアコンは利用シーンを想定しながら選ぶことが大切
空調方式にはそれぞれメリット・デメリットがあり、建物やその使用用途によってどちらの空調システムが合うかは現場状況によって異なるため、どちらがよいとは一概には言えません。
また、当記事で紹介したように、2つの空調システムを併用できる場合もあります。
大型施設への空調システム導入では、施設ごとに営業時間や利用人数、部屋数などが異なるため、実際の利用シーンを想定しながら選ぶことが大切です。
規模が大きいと必要な計算も変わるため、空調設備のプロへ相談することをおすすめします。
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。
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