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工場の室温管理は必須! 適正な温度を保つための対策とは
2024.09.27 空調機器導入ノウハウ
- 工場の室内温度・湿度管理の必要性について
- 工場内を快適な空間にする方法
工場は窓が少ないことが多いため風通しが悪く、また、大勢の人が作業をするため、気温や湿度が高くなりやすい環境です。
そのような中で、室温管理が重要視されていますが、ではなぜ工場における室温管理が必要なのかご存じでしょうか?
大きな空間になりがちな工場の空調管理に対し、どのように取り組んでいるのか疑問を持つ方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、工場に室温管理が求められる理由や適正な温度を維持するための具体的な対策法について解説していきます。
目次
工場に室温管理が求められる3つの理由
工場とは、物を製造・加工・修理するために必要な機械や器具をそろえ、労働者が作業する場所を指します。
その工場に室温管理が求められる理由は、以下の3つです。
- 従業員の体調管理とモチベーション維持のため
- 労働安全衛生規則が定められているため
- 機器や商品の品質を保つため
従業員の体調管理とモチベーション維持のため
人は暑い、寒い、湿度が高いといった環境で長時間労働すると、心身にさまざまなリスクが発生します。
特に高温多湿の現場では熱中症になる危険性が高く、従業員の体調管理が難しくなってしまいます。
熱中症は毎年死者がでるほどの危険な状態であり、楽観視はできません。
また、人は働く環境によって作業効率やモチベーションの維持に影響されることがわかっています。
日本建築学会による「室温における、従業員の作業効率」といった研究では、室温を25℃から1℃上げるごとに作業効率が2%下がったという結果が出ています。
つまり、暑くなればなるほど人の作業効率は低下するため、室温を適正に保つことは企業のためにもなると言えるでしょう。
– 参考サイト:日本建築学会環境系論文集「オフィスの温熱環境が作業効率及び電力消費量に与える総合的な影響」
労働安全衛生規則が定められているため
労働安全衛生規則とは、労働者が健康や安全を害されることなく衛生に配慮した環境で安心して働けるように、厚生労働省が定めた法令のことです。
労働安全衛生規則 第606条と第607条で、屋内作業場の「温湿度の調節」そして「温湿度の測定」について、事業者に義務付けています。
上記によると、空調設備がある事務所の室温は18℃〜28℃以下、湿度が40%〜70%以下にすること、空調設備がない場合でも気温を適正に保つようにすることが望ましいとされています。
また、具体的に「半年に1回を目安に」温度や湿度の測定をするよう、定期点検の義務付けも明記しています。
つまり、会社の義務であるが故に、工場内の気温・湿度はしっかりと管理しなければなりません。
ちなみに、労働安全衛生規則は厚生労働省で制定されたもので、労働安全衛生法は国会で制定された法的拘束力が強いものです。
労働安全衛生法をもとに、より具体的、そして実践的な内容として労働安全衛生規則が定められています。
– 参考サイト:e-GOV「労働安全衛生規則」
機器や商品の品質を保つため
工場内にある機器や商品の品質は、温湿度に影響される場合があります。
また、工場内を一定の温度にすればそれでよいということではなく、個々の機器や商品に合わせて適切な温度・湿度管理をする必要があります。
たとえば食品工場であれば、食中毒を防ぐために乳製品は10℃以下、生鮮魚介類は5℃以下にしなければなりません。
クリーンルーム内なら23℃前後、精密機械なら18℃〜26℃といった目安がそれぞれにあります。
適切に温度や湿度を保たれていないと、工場稼働率や商品の不良品率にも影響するため、室温管理は重要視されているのです。
工場を適正な温度に保つための対策方法
一般的に工場は屋内に熱がこもりやすく、湿度が上昇しやすいと言われています。
その理由は、屋根が広く日射面積が大きいことや、機器の稼働によって発せられる稼働熱などです。
工場にエアコンなどの空調設備は備えていても、建物の構造上、室内が思うように冷えない・暖かくならない可能性があります。
そこで、どのような対策ができるかをみていきましょう。
- エアコンの点検をして必要なら取り換えを検討する
- シーリングファンを天井に設置する
- 遮熱シートを施工する
- ビニールカーテンを利用する
エアコンの点検をして必要なら取り換えを検討する
広い工場の場合は業務用エアコンが多く設置されていたり、大きなサイズのものが設置されていたりします。
基本的には必要な馬力を備えているものが設置されているはずですが、エアコンは経年劣化で使う内に効率が低下していきます。
普段からエアコンの点検やフィルターの掃除をするようにし、それでもエアコンの効きが悪いなと感じたら、取り換えを検討してみましょう。
シーリングファンを天井に設置する
現場の状況などによっても変わってきますが、工場の天井にシーリングファン(大型扇風機)を設置することで、室内の空気を効率的に循環してくれます。
夏場は冷房の冷たい風を室内全体に行き渡らせ、冬場は暖かい空気が上部にたまりやすいですが、空気を循環させることで、室内の温度ムラを減らすことができます。
遮熱シートを施工する
工場の屋根や壁に遮熱シートを施工することで、工場全体の室温を下げる方法があります。
特に屋根が広く、直射日光が当たりやすい環境にある工場では熱がこもりやすくなるため、温度管理は困難です。
そこで、屋根を遮熱シートで包んで直射日光による熱の侵入を受けないようにします。
また、遮熱シートは室内の熱が外に逃げるのを防ぐ働きもあるため、冬にも効果的です。
夏は室内の温度上昇を防ぎ、冬は室内の冷えを防ぐため、年中利用可能です。
ビニールカーテンを利用する
空間が広いとどうしても「気温を下げる・上げる」ことが難しくなります。
そこでおすすめなのが、ビニールカーテンです。
ビニールカーテンの使用目的は主に「空間を区切る」ことや「静電気を防ぐ」ことですが、エアコンの空調効率をアップさせるためにも有効です。
工場に合わせて必要な室温管理をしよう
工場に室内管理が必要な理由は、作業効率の向上や従業員の体調管理、商品や機械の品質維持などがあります。
また、法律によって空調管理が定められているため、気温や湿度を適切に保てるようにしなければなりません。
ただし、工場はその構造上、室温・湿度が上がりやすい環境です。
業務用エアコンなどの空調設備は、たとえその規模に合ったものを使っていても、適切な場所に設置されていなければ効果を得にくいこともあります。
また、各メーカーより、能力の大きい設備用・工場用のエアコンも販売されています。
工場の空調機器については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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