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事務所衛生基準規則の労働環境の室温基準とは

2025.05.30 空調機器導入ノウハウ

事務所衛生基準規則の労働環境の室温基準とは

労働環境において室温は働く方々の健康や生産性に大きな影響を与えます。

特にオフィスや事務所ではエアコンによる空調管理が中心であるため、適正な温度をどのように保つかが日常的な課題になります。

たとえば、夏場にエアコンが効きすぎて寒いと感じる方もいれば、冬に暖房が不十分で手足が冷える方もいます。このような温度トラブルは、労働者の集中力低下や体調不良を引き起こす原因となりかねません。

そこで今回は事務所衛生基準規則などに記された室温に関する規定を中心に、関係法令や実務での対応策について整理し、快適な職場環境を実現するための方法について解説していきます。

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事務所衛生基準規則における温度規定

事務所衛生基準規則における温度規定

事務所衛生基準規則は、事業場における室温管理のガイドラインを定めています。

ここでは室温の具体的な目安や設定の背景、法的な位置づけについて紹介し、日常業務における適切な対応について解説していきます。

現行の規定とその根拠

事務所衛生基準規則では、室温は「おおむね17度以上28度以下」が望ましいとされています。

この数値は、厚生労働省が示す作業環境の快適性を基準にしたものであり、極端な暑さや寒さから労働者を守ることを目的としています。

たとえば、室温が15度以下になると冷えによる体調不良のリスクが高まり、逆に30度を超えると熱中症の危険が生じます。

そのため、この範囲内での温度管理は単に快適性の問題だけでなく、労働者の健康保持にも直結する重要な対策です。

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労働安全衛生法における室温基準

労働安全衛生法における室温基準

労働安全衛生法は職場における安全と健康の確保を目的としており、温度管理もその一環です。

ここでは、作業環境管理の枠組みの中で温度がどのように扱われているかを解説します。

作業環境管理と温度の関係

この法律では「作業環境の維持改善」が事業者に求められており、温度の異常による健康被害を防ぐための管理措置が義務づけられています。

特に高温や低温にさらされる作業場では温度・湿度・気流などを定期的に測定し、必要に応じて換気や空調の見直しを行うことが重要です。

たとえば、工場や倉庫の一部では夏季に40度近くまで気温が上がることもあります。このような場合には、冷風機の設置や作業時間の短縮などの工夫が求められます。

快適さだけでなく、命を守るための対策として温度管理は不可欠です。

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労働基準法との関係性と注意点

労働基準法との関係性と注意点

労働基準法自体に室温の数値規定はないものの、労働条件の整備に関する原則から見ると温度も重要な要素です。

ここでは、法的観点からの注意点と職場環境整備との関係について解説します。

労働条件と快適環境の整備

労働基準法では、長時間労働やストレスの多い職場環境が労働者の健康を損なうことを防ぐため、適切な労働条件の整備が求められています。

この中に明記されているわけではありませんが、室温も間接的に含まれる重要な要素です。

仮にエアコンの効かない窓際で一日中作業を強いられたとしたらどうでしょうか。

集中力が低下するばかりか、体調を崩してしまうかもしれません。こうした状況が常態化すれば、企業への信頼にも影響します。

快適な職場づくりは、法律遵守だけでなく、従業員の満足度向上にも直結しています。

工場・倉庫における温度基準

工場・倉庫における温度基準

オフィスと異なり、工場や倉庫では外気の影響を強く受けるため、室温管理がより難しくなります。

ここでは産業の特性や作業内容に応じた温度管理の考え方と、柔軟な対応が求められる背景について紹介します。

産業別・環境別の柔軟な対応

たとえば、金属加工を行う工場では炉の熱で室温が高くなりやすく、一方で冷凍食品を扱う倉庫では極端に低い温度が維持されています。

こうした職場環境では、法律で一律の温度を定めることが難しいため、現場ごとに最適な対応を判断する必要があります。

そのため、産業医の助言を得て作業服の工夫や冷暖房設備の設置を検討することが求められます。

また、労働者への健康教育や作業時間の調整など、働き方に合わせた管理も重要です。

「一律」ではなく「現場最適」の視点が、温度基準の実効性を高めます。

夏季・冬季で異なる基準と対応

夏季・冬季で異なる基準と対応

日本には四季があり、外気温の変化に応じて室温管理も変化させなければなりません。

ここでは季節ごとの温度・湿度の目安と、それに伴う対応策について具体的に見ていきます。

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季節別に見る温度と湿度の目安

厚生労働省によると、夏場は室温26〜28度・湿度50〜60%、冬場は18〜20度・湿度40〜50%が望ましいとされています。

こうした目安は身体の冷え過ぎや熱中症リスクを抑え、快適な職場環境を維持するために有効です。

仮に冬の暖房が不十分で室温が15度を下回れば、手先の冷えや風邪の原因となります。

逆に夏場に28度以上の室温が続けば、集中力が下がり、熱中症を引き起こす恐れもあります。

したがって、季節ごとの基準に沿って設備や運用を調整することが欠かせません。

湿度管理の重要性と基準値

湿度管理の重要性と基準値

温度と同様に、湿度の管理も労働環境の質を左右する大切な要素です。

この章では、湿度が健康や作業効率に与える影響と、適正な湿度を保つ理由について解説します。

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相対湿度50~60%が推奨される理由

適切な湿度は呼吸器や皮膚への刺激を抑えるだけでなく、ウイルスやカビの発生も防いでくれます。

特に冬場は空気が乾燥しやすく、湿度が40%を下回るとインフルエンザなどの感染症が拡大しやすくなる傾向があります。

一方で湿度が高すぎるとカビやダニが発生しやすく、アレルギーの原因にもなります。

そのため、通年を通じて相対湿度50〜60%を維持することが推奨されています。

加湿器や除湿機の活用、定期的な換気を通じて、湿度を適切に保つことが重要です。

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違反があった場合のリスクと罰則

違反があった場合のリスクと罰則

法律で定められた環境基準を守らないと、企業にとって大きなリスクとなります。

以下からは、温度管理に関する違反が招く行政指導や法的トラブルについて説明します。

行政指導・訴訟リスクを防ぐには

事務所衛生基準規則や労働安全衛生法に違反していた場合、労働基準監督署による是正勧告が行われることがあります。

また、職場環境が原因で健康被害が発生した場合、労働者が企業に対して損害賠償を求める可能性もあります。

管理者が実施すべき温度管理の対策

管理者が実施すべき温度管理の対策

快適な職場環境の維持には、日常的な管理と仕組みづくりが不可欠です。

ここでは、管理者として実務で活用できる温度管理のチェックポイントを紹介します。

実務で使える室温管理のチェックポイント

まずは温度や湿度の記録を習慣化させ、そのうえで、外気温に応じて空調の設定を見直したり、ブラインドや遮光カーテンを活用したりするのも有効です。

また、従業員からの「暑い」「寒い」といった声を拾い上げる仕組みも重要です。

意見箱や定期アンケートを通じて現場の声を集めることで、気づきにくい問題を早期に解消できます。

計測・調整・フィードバックの三位一体の運用が、職場の快適性を継続する鍵です。

まとめ

事務所衛生基準規則をはじめとした各法令では、労働環境における室温に一定の目安を示していますが、実際の運用では業種や作業環境、季節によって大きく異なる対応が求められます。

この記事では法律に定められた室温基準から、労働安全衛生法との関係、湿度管理、違反時のリスク、管理者が行うべき具体策までを総合的に解説しました。

快適な職場づくりは、単に規則を守るだけでなく、現場の声を受け止め、柔軟に改善していく姿勢があってこそ実現します。

ぜひ今回の内容を日々の運用に活かし、安全で働きやすい環境づくりを進めてみてはいかがでしょうか。

オフィスや作業場の空調環境を改善したいとご検討の方は、ぜひオーソリティー空調へお問い合わせ下さい。

機器の設置にとどまらず、快適な職場環境の実現を目指し、豊富な施工実績と専門的な知識を活かしたご提案を行っております。

温度や湿度の管理はもちろん、空間デザインに至るまで、職場全体の快適性を一貫してサポートいたします。

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