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葬儀場や斎場における空気環境の改善について
2024.05.10 空調機器導入ノウハウ
葬儀場や斎場は、ご遺族や近親者、ご友人・知人など故人の関係者が集まります。
近年では家族葬や直葬など最小限での葬儀を選択されることも多くなり、ご遺族によって葬儀の規模は異なりますが、喪主を含め数名から数十名の参列者が一般的です。
葬儀式はホールで執り行われますが、親族や参列者が一つの空間に集まるため、室内の空気環境を気にされる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、葬儀場や斎場における空気環境の重要性について解説していきます。
目次
葬儀場・斎場の建築分類
建築部類として、葬儀場と斎場は「集会場」に分類され、他にも「結婚式場」「公民館」「隣保館」が集会場に当てはまります。
ですが、「集会場」の他に「集会所」の分類もあり、言葉の意味は同義ですが建築法上ではそれぞれの定義が異なります。
『集会所』は「体育館」「ホテルの大宴会場」「宗教用の建物」などが該当し、公共団体などが設置する建築物が該当します。
詳細は以下の通りです。
引用サイト:集会場の取り扱いについて.pdf
集会場などの人が集まる施設で注意したい空気環境
結婚式場や葬儀場など冠婚葬祭で利用される集会場では、多くの人が集まるため、施設内の換気状況や空調などの空気環境に注意を払う必要があります。
特に新型コロナウイルス感染症の流行から、人との距離を設ける・室内の換気をこまめに行うなど、空気や室内環境に関する意識がより高まりました。
そのため、安心して過ごしていただくためには室内の環境作りにも配慮は欠かせません。
しかし、人が集まる場所ではさまざまな問題が発生するため、それらの対策についても考慮する必要があります。
空気感染
たくさんの方が一箇所に集まることで懸念されるのが、風邪やインフルエンザなどの感染症です。
人は呼吸をする度に呼気が排出されます。
そのため、空気中に細菌やウイルスが浮遊し他の参列者に感染する可能性があります。
ですが、ホール室内の必要換気量を満たした換気設備を導入することで、汚染された空気を排出し、新鮮な空気を室内に供給することができるため、空気感染の対策にも効果が見込めます。
ニオイ
葬儀では線香や焼香などを焚くため、室内にそれら特有のニオイが広がります。
また参列者も一室に集まることで体臭なども合わさり、ニオイが気になってしまうこともありますが、それらに関しても、換気設備を導入することで解消しやすくなります。
集会場で推奨される換気量とは
集会場のように人が多く集まる場所では、換気についても考慮しなくてはなりません。
特に集会場のような建築物では、音漏れや光漏れの対策がされているため、室内の気密性が高く、空気の流れができにくいです。
そのため、常に換気されている状態を維持する必要があります。
しかし、ただ換気できていれば良いというわけではなく、室内面積や集まった人数によって必要換気量が異なります。
必要換気量の算出方法は『床面積での必要換気量』『1人当たりの占有面積での必要換気量』『局所換気の必要換気量』などさまざまです。
今回は『床面積での必要換気量』『1人当たりの占有面積での必要換気量』の2つについて解説します。
床面積当たりの必要換気量
床面積当たりの必要換気量の公式は、
必要換気量(m3/h)= 室の床面積当たり換気量(m3/m2・h)× 室面積(m2)
上記の計算方法で算出できます。
つまり、床面積 100㎡ の室内に10人いる場合、必要換気量は30㎥ / hが必要ということになります。
1人当たりの占有面積
1人当たりの占有面積の必要換気量の公式は、
必要換気量(m3/h)= [20 × 居室の床面積(㎡)] ÷ [1人当たりの占有面積(㎡)]
上記の計算方法で算出できます。
床面積 100㎡ の室内で計算した場合、約1,333㎥ / h が必要換気量と算出されます。
これらで計算された値はあくまで参考値ですので、設置状況によって値は異なります。
空調・換気設備の重要性
空調や換気設備は室内で安全に快適に過ごすためには欠かせない設備です。
最近の夏は猛暑日(外気温が35℃以上)が連日続き、熱中症で体調を崩される方や亡くなられる方が年々増加しています。
命に関わるほど、エアコンなど空調設備の重要性は非常に高く、生活する上でなくてはならない設備の一つです。
しかし、一般家庭や狭い室内とは異なり、斎場は広く大勢の方が1室に集まりますので、それ相応の空調と換気設備が必要になります。
参列者が安全で快適に過ごすためには、状況に合わせて室内温度を設定し、換気も十分にされていることが望ましいです。
参列者の快適性と安全性(シックハウス対策)
先述したように、人が多ければ多いほど室内温度は上昇しやすく、排出される二酸化炭素や室温上昇に伴う化学物質の放散によって空気は汚れやすくなります。
それらを踏まえた上で空調・換気設備を備える必要がありますが、もしそれらが備わっていない、あるいは不十分だった場合はシックハウス症候群などの体調不良の原因につながります。
シックハウス症候群とは、室内の細菌やカビ、ダニ、ハウスダストなどで汚染された空気を吸うことで引き起こされます。
症状は主に頭痛やめまい、吐き気などがあげられますが、対策としては十分に換気することが重要です。
葬儀場などの集会場には空調と換気設備が大切!
葬儀場など冠婚葬祭で利用される集会場には多くの参列者が気密性の高いホールなどに集まります。
そのため、空気環境への配慮が非常に重要となり、安全で快適に過ごせる場所の確保・提供が求められます。
そして、設置する環境によって必要な能力・適切な形状などは異なってきます。
オーソリティー空調では、空調・換気の視点から、それぞれの環境に合った最適な空間をご提案させていただきます。
工事をご検討の方はぜひお問合せください。
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。
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