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【全熱交換器】ダイキンのベンティエールとは?仕組みや効果、用途を解説
2022.10.14 空調機器導入ノウハウ
新型コロナウイルス感染拡大により、換気に対する意識が高まりました。
オフィスや店舗においては、業務用エアコンとともに換気設備の買い替えや新設を検討するケースが増えています。
そして、広い空間で効率的に換気を行うには、給気と排気を1台で行える全熱交換器(高機能換気設備)がおすすめです。
今回は、全熱交換器の代表機種でもある、ダイキンの「ベンティエール」について特徴や効果を解説していきます。
目次
ベンティエールの仕組み
ダイキンが販売する全熱交換器「ベンティエール」は、
天井裏のスペースを有効活用して設置する機種だけでなく、室内スペースを圧迫せずに設置ができる屋外設置形、壁面や軒下などにも設置可能な露出設置形など、さまざまなタイプがあります。
ベンティエールは省エネ換気と呼ばれる換気方法で、室内の空気循環を効率よく行うことが可能です。
窓開け換気や、一般的な換気扇での換気方法の場合、室内の空気を外気に排出し、外気を室内に入れることで室内温度に変化が生じてしまいます。
しかし、ベンティエール(全熱交換器)は窓を開けての換気が必要ないため、換気による室内温度の変化が起こりにくくなります。
さらには外気の空気を室内温度に近づけてから取り入れ、汚れた室内の空気を外に排気することができますので、室内温度に変化が生じにくい状況になります。
また、ベンティエールはオプションでCO2センサーを設置することができます。
CO2濃度の計測やCO2濃度に合わせて適切な風量に制御し、外気導入量を最低限に抑え、空調負担を軽減することも可能です。
ベンティエールには、全熱交換換気モードと通常換気モードが搭載されているため、春や秋は熱交換をしない通常の換気も可能です。
◆参考サイト:ダイキン
ベンティエールの消費電力
全熱交換器を使用する際には、熱交換システムの性能が重要です。
冷房によって冷えた空気や暖房によって暖まった空気が持つ熱エネルギーをなるべく逃がさないことが、空調効率を左右します。
ベンティエールは、一般的な換気扇と比べても約20%※も消費電力を抑えることができます。
また、ベンティエール自体も優れた省エネ性能を持っており、一般的な熱交換用モーターと比べても消費電力が小さいことが特徴です。
※【試算条件】東京都の一般高断熱木造住宅(次世代省エネ基準のIV地域相当)(延床144㎡、空調面積86㎡)冷房期間5〜10月、暖房期間12〜3月、換気量180㎥での比較。電気代22円/kWhで計算。
◆参考サイト:ダイキン
ベンティエールの特徴
ベンティエールの特徴について紹介していきます。
特徴①:換気速度が一般の換気扇よりも速い
ベンティエールは換気を行う上で重要となる換気速度に非常に優れています。
例えば一般換気扇(およそ160㎥/h)とし、ベンティエールのVAH250HS(250㎥/h)で検証した場合、一般的な換気扇と比べると約1.56倍のスピードで室内全体の換気が完了します。
※面積16㎡・在籍人数8名の店舗を想定した場合。
特徴②:外気の汚れた空気を室内に入れさせない
換気は私たちの生活で当たり前に行われますが、車通りが多く排気ガスも多いような環境によっては窓を開けて換気することが難しいこともあります。
換気の目的は綺麗な空気を室内に取り入れ、室内の汚れた空気を外に出すことですが、室外の汚れた空気を室内へ入れてしまうと、逆効果となってしまいかえって体調を崩してしまったり、不快な気分になってしまうことがあります。
ベンティエールは、高性能なフィルターや活性炭フィルターを搭載していますので、外部から取り込まれる空気が汚れていても空気を効果的に浄化することができます。PM2.5や花粉などの微小な粒子や、有害物質を除去することで、室内へ清潔な空気を送ることができ、室内の空気の品質を維持、改善することができます。
特徴③:快適な換気効果
窓を開けたり、換気扇を利用した換気をおこなうことで室内の汚れた空気を外に排出することはできますが、温度調整された空気が外に排出され、外の空気が室内に入ってくることにより室温が変動してしまいます。
ベンティエールは熱交換機を搭載しており、室外から取り込む新鮮な空気と排気する室内の空気を熱交換することできます。そのため室内に給気される空気は室温に近い温度となりますので、冷暖房された室内の温度を大きく変化させることなく換気することが可能です。
これにより、空調された快適な空間を維持することができ、効率的に換気することが可能です。
特徴④:省エネルギー
「特徴③:快適な換気効果」で解説したように、ベンティエールは給排気の際に熱交換をおこなうことで室内温度を大きく変動させずに換気することができます。
そのため、空調機器も大きな室温調整をする必要がなく一定の稼働で空調することができますので、無駄なエネルギーを使うことがなく省エネ効果も高い特徴を持っています。
またベンティエール自体も効率性の高いファンやモーターを使用しておりますので。また適切な換気量を自動的に制御するセンサーを備えた、節電効果の高い機種もあります。
特徴⑤:静音性とユーザビリティ
ベンティエールは静音性にも優れており、一般的な換気扇のような「ボー」という音が発生せず、室内の静けさを保ちながら快適な換気を行います。
さらにベンティエールは使いやすさにも配慮されており、操作パネルやリモコンから簡単に操作できるだけでなく、設定や状態の確認もわかりやすい設計となっています。また、設置場所や空間に合わせた多様な形状、種類があり、設置の自由度も高いこともポイントです。
特徴⑥:ラインアップが豊富で空間に合った機種を設置できる
ベンティエールには、天井に埋め込むタイプに加え、建物の内壁や天井、軒下に後付けで設置することができる「屋外設置型」「天井吊型」「露出設置型」などがあります。
天井内にスペースがない場合でも設置可能なため、さまざまな業務用空間で効率的な換気ができます。
◆参考サイト:ダイキン
ダイキンの業務用エアコンとの連動制御が可能
ベンティエールは、同じダイキン製の業務用エアコンと連動して稼働させることができます。
この機能を用いることでより効果的に室内の空気環境を整えられます。
不在時停止モード
ダイキンのエアコンには「人検知センサー」が搭載されています。
人がいないときにはエアコンの運転が停止する機能で、ベンティエールも同時に運転停止して不必要な換気を避けられます。
予冷・予熱制御
エアコンの稼働開始と同時に換気が開始されると、室内が冷えたり暖まったりする前に室内の空気が排気され、空調効率が落ちる恐れがあります。
予冷・予熱制御は、エアコンの運転開始時にベンティエールの運転開始時間を意図的に遅らせることで、エアコンの電力消費を抑えることができます。
換気モード自動切換(バイパス制御)
室内温度と外気温度を検知して、省エネ効果の高い換気モードへの切り替えを自動で行います。
たとえば夏に外気温が高いときは、冷房で冷えた室内の空気の熱エネルギーを逃がさないように全熱交換モードに、外気温が低いときは熱交換を伴わない通常の換気に自動で切り替わります。
湿度センサー(別売品)を取り付ければ、熱量(エネルギー)や不快指数による自動切換も可能になります。
自動ナイトパージ機能
夜間の低い外気温を効率よく利用し、自動で冷房を行い室内温度の上昇を抑えます。
これにより、翌朝は冷房開始時の室温が低いところからスタートできるので、空調負荷を軽減し、節電につながります。
◆参考サイト:ダイキン
まとめ
ベンティエールを導入することで、室内の空気環境の改善だけでなく、空調負荷の軽減にもつながります。
オーソリティ空調では、エアコンはもちろん、ベンティエールの工事も承っております。
現地調査やお見積もりは無料で行っておりますので、ウイルス対策や換気改善でお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。
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