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全熱交換器とは?効率的な換気に欠かせない換気システムついて解説

2022.04.01 空調機器導入ノウハウ

この記事のポイント

全熱交換器とは、換気の際に捨てる空気から「熱」と「湿度」を回収し、取り込む外気に移し替える省エネ設備です。一般的な換気扇と異なり、冷暖房の負荷を劇的に軽減できるため、電気代の削減と快適性の維持を両立できます。特に建築基準法に基づく「第一種換気」として導入することで、確実な換気量の確保と外気汚染物質のブロックが可能です。現場の状況に合わせた適切な機種選定と、定期的なフィルター清掃が性能維持の鍵となります。

 

店舗やオフィスの管理において、換気は避けて通れない課題です。しかし、窓を開けて換気をすると「夏は熱風が入り、冬は冷気が入り込む」ことでエアコンの効きが悪くなり、電気代が高騰することに頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。この悩みを解決するのが全熱交換器(ぜんねつこうかんき)です。

空調された室内の空気が持つエネルギーを再利用しながら換気を行うこのシステムは、現代の省エネ建築には欠かせない存在となっています。この記事では、全熱交換器の仕組みから導入時の選び方、長く使い続けるためのコツまで、現場視点で詳しく解説します。効率的な換気でコストを抑えたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

全熱交換器とは

全熱交換器とは

全熱交換器とは、熱交換システム高機能換気システムとも呼ばれています。夏季は室内の冷えた空気を利用して給気する外気を冷やし、冬季であれば暖まった室内の空気を利用し、冷たい外気を暖めてから室内に給気します。

全熱交換器では室内の空気と外気を混ぜ合わせて熱交換を行うのではなく、給気と排気の通り道が分かれており熱だけを交換する仕組みとなります。つまり、給気する外気は室温を利用し、室温に近い空気にして給気を行います。

また排気は室内の空気をそのまま外に排出しますので、室温を一定に保ちながら換気することが可能になります。

当社が運営する、業務用エアコン・高機能換気設備の販売サイト【ReAir(リエア)】ではロスナイ、ベンティエールを販売しております。

お見積もりから取付工事の施工までワンストップで対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

参考サイト:全熱交換器と換気扇との違いは?|ダイキンプロショップ-業務用エアコン総合情報サイト

全熱交換器で電気代が安くなるのはなぜ?

全熱交換器を導入する最大のメリットは、換気による「エネルギーロス」を最小限に抑えられる点にあります。通常の換気扇が室温をそのまま外に捨てるのに対し、全熱交換器は室内の涼しさや暖かさを再利用する高い省エネ性能を持っています。

温度だけじゃなく湿度も再利用する仕組み

全熱交換器は、排気(出す空気)と給気(入れる空気)が特殊な「熱交換素子(エレメント)」を介してすれ違う構造になっています。この際、空気同士が混ざることなく、温度(顕熱)と湿度(潜熱)だけが移動します。

例えば夏場、冷房で冷やされ除湿された空気を捨てる前に、外から入ってくる蒸し暑い空気に「冷たさ」と「乾燥」を移し替えることで、外気を室温に近い状態に整えてから取り込みます。この「熱交換」の仕組みにより、エアコンが外気を一から冷やし直す負担が減り、電力消費を抑えることができるのです。

一般的な換気扇と電気代を比べてみました

一般的な換気扇(普通換気)と全熱交換器を比較すると、年間を通じて冷暖房にかかる電気代に大きな差が出ます。特に外気温と室温の差が激しい真夏や真冬、また多湿な日本ではその効果が顕著です。

以下の表は、一般的な換気扇から全熱交換器へ切り替えた際の冷暖房負荷の削減イメージです。

比較項目 一般的な換気扇 全熱交換器
熱の回収 なし(すべて排出) あり(約60%〜80%回収)
エアコンの負荷 非常に高い(外気を直接処理) 大幅に軽減(予冷・予熱効果)
電気代削減目安 基準 冷暖房費の約20〜30%削減

※削減率は建物の断熱性や稼働条件により変動します。具体的な投資回収シミュレーションは現場ごとに異なるため、初期検討の段階で専門家へ試算を依頼することをおすすめします。

外気が直接入らないからお部屋の快適さが続く

換気扇を回した際に、首筋に冷たい風(ドラフト)を感じたり、急に部屋が蒸し暑くなったりした経験はないでしょうか。全熱交換器は外気を室内の温度・湿度に近づけてから供給するため、室内環境の変動が穏やかになります。これにより、場所による温度ムラが解消され、冬場の過乾燥を防ぐといった実務上のメリットがあります。

第一種換気って何がメリットなの?

第一種換気って何がメリットなの?

換気には「第一種」から「第三種」までの方式がありますが、全熱交換器は「第一種換気」に分類されます。これは最もコントロール性能が高く、現代のオフィスビルや店舗で推奨される方式です。

機械でしっかり空気の入れ替えをコントロール

第一種換気とは、給気(入れる)と排気(出す)の両方を機械(ファン)で行う方式です。これに対し、安価な第三種換気は排気のみを機械で行い、給気は自然な隙間や壁の穴に頼ります。

第一種換気である全熱交換器を用いると、建物内の空気の流れを設計通りに制御できるため、法定換気量を確実に満たすことができます。また、室内の圧力を調整しやすいため、ドアが開けにくくなるといった負圧トラブルも防ぐことが可能です。

PM2.5や花粉もしっかりブロック

全熱交換器の給気経路には高性能なフィルターを設置できます。外気を直接取り込む自然給気と異なり、全熱交換器を通すことで清浄な空気のみを取り込むことができます。特にアレルギー対策や、清潔感が求められるクリニック、飲食店の空気環境向上に極めて有効です。

建物に合わせた最適な空気のバランス作り

全熱交換器は、単独で運転するだけでなく、建物の空調システムと連動させて空気のバランスを最適化できます。全熱交換器の給気量を調整することで、建物全体の気圧バランス(正圧・負圧)を適切に保ち、建物自体の傷みを防ぐことにも繋がります。

クリニックや飲食店など、高い空気品質が求められる現場の換気設計もお任せください。

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うちの現場にはどのタイプが合う?

うちの現場にはどのタイプが合う?

全熱交換器にはいくつかの設置形態があります。新築かリフォームか、また天井の懐(ふところ)の深さによって最適な選択肢は変わります。

隠すタイプや見えるタイプ、設置の仕方を比較

主流は天井裏に機器を隠す「天井埋込形(隠蔽形)」です。見た目がスッキリし、ダクトを通じて各所に空気を送れるため、オフィスや大規模店舗に適しています。一方、天井裏のスペースがない既存物件や後付けの場合は、露出形や壁掛形が選ばれます。設置場所の制約によって工事費や工期が大きく変動するため、現場調査に基づいた判断が不可欠です。

場所ごとに必要な「空気の量」を計算するコツ

全熱交換器のスペック(風量)を選ぶ際は、建築基準法で定められた必要換気量を計算する必要があります。一般的には1人あたり20m3/hや、床面積に応じた換気回数をベースに算出します。

計算を誤り、容量が不足するとCO2濃度が上昇し、利用者の眠気や集中力低下を招きます。逆に容量が大きすぎると無駄な電気代と騒音の原因になるため、用途に合わせた精密な設計が求められます。

今あるダクトがそのまま使えるかチェック

リニューアル工事の場合、既存の換気用ダクトを全熱交換器に流用できるかどうかがコストを左右します。全熱交換器は給気と排気の2系統のダクトが必要になるため、単なる換気扇からの交換ではダクトの増設が必要になるケースがほとんどです。ダクトの太さが足りないと十分な風量が出ないこともあるため、計画の初期段階で専門家へ現地診断を依頼するのがスムーズです。

長く使うために知っておきたいお手入れ

全熱交換器は「設置して終わり」ではありません。メンテナンスを怠ると、本来の省エネ効果が発揮されないばかりか、健康被害の原因にもなり得ます。

汚れが溜まるともったいない!お掃除のタイミング

全熱交換器の心臓部である熱交換素子やフィルターにホコリが詰まると、風量が低下し、熱交換効率もガクンと落ちます。実務上の目安として、フィルター清掃は3ヶ月〜半年に一度、熱交換素子の点検・清掃は1年に一度行うのが理想的です。汚れを放置するとファンに負担がかかり、故障や異音の原因にもなります。

フィルター交換の目安と気になるコスト

掃除をしても取れない細かい汚れや目詰まりが発生した場合は、フィルターの交換が必要です。定期的に交換することで冷暖房の無駄な消費電力を抑えられ、結果としてトータルコストを安く抑えることができます。大通り沿いや工業地帯など外気が汚れやすい場所では早めの交換が推奨されます。

センサーを付けて自動でかしこく換気

最近では、室内のCO2(二酸化炭素)濃度を検知するセンサーと連動させる運用が増えています。人の出入りが少ない時は風量を落とし、混雑してCO2濃度が上がった時だけフルパワーで運転させます。

全熱交換器自体の電気代も抑えられ、エアコンへの負担も最小限にできる、非常に合理的で実務的な節電手法です。

最新のセンサー連動システムを導入して、無駄のないスマートな換気環境を実現しませんか?

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よくある質問

エアコンはいらなくなるの?

いいえ、エアコンは必要です。全熱交換器はあくまで熱を「交換」して再利用する設備であり、自ら空気を冷やしたり温めたりする熱源は持っていません。エアコンをメイン、全熱交換器をサブとしてセットで運用することで、初めて快適で省エネな空間が実現します。

音や震動はうるさくない?

適切な設置工事を行えば、日常生活で気になることはほぼありません。全熱交換器の中にはファンが入っているため運転音は発生しますが、多くの機器は静音設計されています。ただし、天井裏の固定が不十分だと振動音が響くことがあるため、施工時の適切な配慮が音トラブルを防ぐ鍵となります。

「顕熱交換器」との違いって?

最大の違いは「湿度」を交換できるかどうかです。顕熱交換器(けんねつこうかんき)は温度だけを交換しますが、全熱交換器は温度に加えて湿度も交換します。多湿な日本では、全熱交換器の方が省エネ効果が圧倒的に高いとされています。

まとめ

全熱交換器は、窓を開けずに効率的な換気を行い、かつ電気代も抑えられる現代の建物に最適な設備です。温度と湿度を再利用する仕組みによって冷暖房負荷を軽減し、快適な空気環境を維持します。しかし、その性能を100%引き出すには、用途に合わせた適切な風量計算や、現場の構造に合った設置方法の検討が欠かせません。もし「換気を強化したいが電気代が心配」「自社物件にどの換気システムが合うか知りたい」といったお悩みがあれば、ReAirへお気軽にご相談ください現場の状況に合わせた最適なプランをご提案し、安心で経済的な空気環境づくりをサポートいたします。

全熱交換器の導入からメンテナンスまで、当社がトータルでサポートいたします。まずは一度お気軽にお問い合わせください。

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参考文献


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