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業務用エアコンを快適に使用できる期間は?耐用年数とその違いついても解説
2023.09.15 空調機器活用ノウハウ
業務用エアコンは大型の設備になりますので、機器を購入するだけでも大きな金額になりますが、業務用エアコンは設置してからどのくらいの期間を快適に使用することができるのでしょうか。
故障の可能性や買い替え時期の検討のため、快適に使用できる目安の期間を先に知っておきたいという方もいるでしょう。
その際は、耐用年数についても理解する必要があります。
また、業務用エアコンを事業に使用することで固定資産として減価償却の対象となるため、経費へ計上することが可能です。
この記事では業務用エアコンを快適に使用できる期間や耐用年数を確認しながら、減価償却やそのメリットについても紹介していきます。
目次
業務用エアコンの3つの耐用年数とは
業務用エアコンを購入する際に、快適に使用できる期間はどの程度なのかを事前に知っておきたいと思う方も多いかもしれません。
その際に目安となるのが「耐用年数」です。
耐用年数とは、何等かの資産がその使用に耐えうる年数を指しますが、エアコンの耐用年数には以下3つがあります。
- ・法定耐用年数
- ・物理的耐用年数
- ・経済的耐用年数
法定耐用年数とは
法定耐用年数は、固定資産税の手続きに用いるために法令で定められている耐用期間です。
物品に応じて決められている税法上での資産の寿命で、エアコンの性能や機能などによって耐用年数が異なりますが、あくまでも一般的な設備の耐用期間として設定されています。
ただし、この法定耐用年数を過ぎればエアコンが必ず壊れるというわけではありません。
業務用エアコンが使えなくなるまでの期間は、その使用状況や環境、メンテナンスの有無や頻度などが大きく影響します。
耐用年数15年の業務用エアコン
法定耐用年数が15年と定められている業務用エアコンもありますが、それはビルトイン型やダクト型の大型の業務用エアコンです。
これらは建築時からダクト配管を作らなければならず「建物附属設備に属する冷房、暖房、通風又はボイラー設備」に該当します。
明確に建物の構造の一部として扱われる、工事が大がかりで高額な業務用エアコンです。
耐用年数13年の業務用エアコン
耐用年数が13年と定められる業務用エアコンもあり、その定義は前述した建物附属設備の中で、出力が22KW以下の場合、耐用年数が13年となります。
ダクト配管されていて建物と一体化しているのは同じなのですが、冷凍機の出力が22KW以下のエアコンに限り、耐用年数は少し短くなります。
耐用年数6年の業務用エアコン
耐用年数が6年と定められている業務用エアコンは、上記の2つに該当しないもので、建物の一部ではなく取付機器と判断される設備のことを指します。
- ・天井埋込型
- ・壁掛け型
- ・床置き型
- ・天吊り型
その形状とは、上記のような、賃貸オフィスなどで入居後に取付工事が可能な形状のエアコンで、「器具及び備品に属する家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品」の分類に当てはまります。
耐用年数の期間は、ダクト工事の有無が大きく関係しています。
業務用エアコンはリース契約が可能な商品ですが、リースも法定耐用年数を目安にして貸出します。
耐用年数が6年の業務用エアコンの場合は、4年〜7年程度がリースの期間であることが一般的です。
物理的耐用年数
物理的耐用年数とは、機器の部品ごとに決められている「定期的なメンテナンスによって故障を最小限にできる期間」のことです。
つまり、物理的耐用年数に達するまでは、本来のパフォーマンスを維持できる期間ということになります。
この期間を経過しても使えなくなるわけではありませんが、故障するリスクや本来の性能を発揮できなくなる可能性が高まります。
経済的耐用年数
稼働にかかる経済的な寿命のことを、経済的耐用年数と呼びます。
この経済的耐用期間は機器自体の寿命のことではなく、機器自体はまだ問題なく使えても、稼働時の費用(電気代など)が高くなってしまって、買替えた方が経済的にお得になると判断できる時期のことです。
たとえば20年近く使っているエアコンがまだ問題なく使えたとしても、電気代がかさむなら新しいエアコンに替えた方が経済的メリットが高いといった場合などに、経済的耐用年数を判断材料にします。
ただし、経済的耐用年数は機種ごとに決まっているわけではありません。
エアコンの使用環境やメンテナンスの有無や頻度によって年数は異なります。
業務用エアコンの「耐用年数」=「快適に使用できる期間」ではない
前述したように、業務用エアコンがいつまで快適に使用できるかはメンテナンスの有無や使用環境などが大きく影響するため、実際は耐用年数通りではないことがほとんどです。
法定耐用年数を大きく超えて機能するエアコンもあれば、法定耐用年数に達しないうちに故障してしまい買替えを余儀なくされることもあるでしょう。
快適に使用できる期間についても一概には言えませんが、一般的な目安は10年から15年程度と言われています。
ただしその期間を待たずして、不具合が多かったり修理頻度が高いようなら、そのエアコンは買い替えることをおすすめします。
法定耐用年数と減価償却
法定耐用年数は固定資産税の計算に用いますが、その仕組みを減価償却と言います。
減価償却とは
時間とともに減少する固定資産価値を反映させるため、固定資産の購入費用をその耐用年数の間、費用として計上する仕組みを減価償却と言います。
減価償却は原則、1品あたりの取得価額が20万円以上で使用期間が1年以上の固定資産を対象とします。
業務用エアコンは20万円以上する高額商品で、多くの場合10年以上使用する機器であるため、固定資産に分類されます。
つまり、業務エアコンの所有者は、資産価値から算出された固定資産税を市区町村へ納めなければなりません。
業務用エアコンを減価償却するメリット
業務用エアコンを減価償却できる代表的なメリットは、「節税効果」と「財務状況を安定して見せられる」の2つです。
節税効果がある
業務用エアコンは固定資産に該当するため、確定申告において経費計上ができます。
確定申告の際に減価償却を行うと、定められた法定耐用年数を上限としてエアコンの購入費用を分割して経費化することができます。
結果としてその期間中の利益が抑えられるため、節税効果が見込めます。
財務状況を安定して見せられる
減価償却することによって、財務状況を維持した形で見せることができます。
というのも、仮に減価償却しなかった場合、エアコンの購入費を一度に経費計上してしまうとその年度の所得が原価焼却しなかった分、下がってしまいます。
しかし翌年の経費がさほど高くなければ所得が上がり、数年間の所得額に波ができてしまうことになるでしょう。
つまり、経営状況が不安定にみられる可能性があるということです。
これを減価償却で経費分散させると、数年にわたってエアコン購入費用の影響を軽減できるため、所得額を含め財務状況が安定して見えます。
業務用エアコンの耐用年数と快適に使用できる期間は別物
業務用エアコンの耐用年数には、前述したように種類がありますが、一般的にその機械が問題なく使用できる期間を法定耐用年数といいます。
ただし実際に法定耐用年数が経過すればエアコンが使えなくなるということではなく、使用状況や環境、メンテナンスの有無などが大きく影響します。
つまり、使用状況や設置環境、定期的なメンテナンスによって業務用エアコンを快適に利用できる期間は延ばせるのです。
業務用エアコンは高額な機器であるうえに、快適に仕事や店舗の運営を行うための必需品です。
そのため、できるだけ丁寧な使用を心がけ、業者による定期点検や、自分で簡単に行えるフィルター掃除などもぜひ実施してみてはいかがでしょうか。
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