NEWS
ビルトインエアコンの取付工事の方法や相場費用について
2024.01.07 空調機器導入ノウハウ
業務用エアコンの購入や買い替えを検討する際に、どのエアコンの形状を選べばよいのか、どのような性能のエアコンを選べば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。
業務用エアコンの形状はメーカーによっても多種多様で豊富なため、設置する空間に適したエアコンを選ぶことが難しいと感じる方も多いはずです。
また、部屋のレイアウトによって業務用エアコンを露出して設置させたい場合や、出来るだけエアコン本体が見えないように設置したいなど要望もさまざまかと思います。
今回の記事では、エアコン本体を目立たせない形で設置できるビルトインエアコンについて解説していきます。
ビルトインエアコンは天井内に埋め込む工事が必要になりますので、機器本体の費用のほかに設置にかかる工事費用について気になる方もいるかと思いますので、その内容を含めビルトインの業務用エアコンの取付方法やそれぞれにかかる費用についても解説していきます。
目次
ビルトインエアコンとは?
ビルトインエアコンは、室内のレイアウトを気にせず設置できるタイプの業務用エアコンです。
天井内に設置したエアコン本体にダクトをつなげることで、本体から離れた場所に吹出し口を設置できます。ビルトインエアコンは複数の吹出し口を取り付けられ、広い空間の設置に対応しているのも特徴です。
天井に設置できる空間があれば建物の構造に影響されず、好きな場所に風を送ることが可能になります。
ただし、ビルトインエアコンは他の業務用エアコンと比べると工事の工程が多く複雑なため、工事費用は他の業務用エアコンの取り付けよりも高額になりやすいので注意が必要です。
ビルトインエアコンの設置はどのような場所に適しているか
ビルトイン形は先述したように天井に埋め込む形で設置しますので、天井に設置が可能な空間があれば様々な場所で設置が可能です。
また物件の形状に対して柔軟に対応できるため、例えばL字型やコの字型などの変形している店舗での設置にも適しています。
また吹出し口を数ヶ所に分散すれば、柱が多い店舗などエアコンを設置しづらい空間でも設置しやすいでしょう。設置場所の自由度が高いだけでなく、天井に本体を隠せる点もビルトインエアコンの魅力です。
照明やインテリアの邪魔にならずに空調を設置できますので、店舗などの見た目を損なわずに設置したい方におすすめなエアコンです。
ビルトインエアコンなどの業務用エアコンと家庭用エアコンの違い
業務用エアコンと家庭用のエアコン違いは、大きく分けて『契約する電力』『工事の工程』があげられます。
家庭用エアコンは、一般家庭で使われている電気は単相100Vまたは単相200Vです。一般家庭などで契約されている従量電灯で問題なく利用できます。工事に関しても工程は単純となりますので、工事に何日もかかるようなことはありません。
一方、多くの業務用エアコンは三相200Vを使いますので、従量電灯を契約している場合は電力契約を変更する必要があります。
また工事に関しては、現場の状況や吹き出し口の設置台数にもよりますが多くの場合は工事工程が複雑になります。
業務用エアコンを新設する場合は、設置を希望する場所でエアコンを稼働させる環境を整える必要がありますので計装、配管、ダクト、保温、保冷、冷媒など各所専門的な作業が求められます。
そのため、家庭用エアコンの設置よりも工事工程が多く、一つ一つの作業も時間がかかるため設置が完了するまでの時間を要します。
ここからは、ビルトイン形の業務用エアコンについて、詳しく解説していきます。
ビルトインエアコンの工事内容
業務用エアコンは、購入後に取付工事が必要になります。この取付工事中は、基本的に作業エリアに立ち入ることはできません。
一般的に取付作業は現場や環境によって大きく前後しますが、1台につきおおよそ6~8時間程度かかるといわれています。
設置完了までに多くの作業時間がかかるため、どの程度まで設置工事は進んだのか進捗状況を確認したいという施主様もいるのではないでしょうか。
そんなときは、取付工事の内容をある程度把握しておくと便利です。工事に関して気になることがある場合は、予め業者に確認しておきましょう。
作業前に養生を行う
作業中に壁や床を傷つける可能性があるため、工事エリアの養生を行います。
マスキングテープやシートを利用して室内を保護します。必要な場合は、搬入経路や作業スペースも養生します。
冷媒ガスを回収する
古い業務用エアコンから入れ替えする場合は、冷媒ガスの回収が必要です。
既存の業務用エアコンの位置と搬入経路の位置を確認した後に、冷媒ガスを回収します。
フロンガスなどの種類がある冷媒ガスは、回収が法によって定められています。業務用エアコンを処分する際は、フロン類を回収した引取証明書が必要になるので注意しましょう。
既存の業務用エアコンを撤去する
準備が整ったら、既存の業務用エアコンを撤去します。産業廃棄物扱いになるため、家庭用ゴミと同じように自治体で処分することはできません。
自治体の認可を受けた業者のみ処分が可能なので注意が必要です。取付工事を依頼する業者には、産業廃棄物を処分できるかを事前に確認しておきましょう。
新しい業務用エアコンを取り付ける
購入した新しい業務用エアコンの本体を所定の位置に取り付けます。必要に応じて、化粧パネルやリモコンの取り付けも行います。
配管工事やラッキングなどを行う
業務用エアコンを設置したら、配管工事、ラッキングなどを行います。ビルトイン形の工事では、ダクトの調整が必要になります。
試運転して、正常に業務用エアコンが動くかチェックする
新しい冷媒を設置後は、正常に作動するかを確認しましょう。業務用エアコンの作動に問題なければ、作業スペースを清掃し顧客に引き渡します。
工事が完了した後は、使用方法などの説明を受けます。このとき、故障の修理対応やメンテナンスなどについて確認しておくと良いでしょう。故障時の対応方法や連絡先を確認しておけば、いざというときにスムーズに対応できます。
ビルトインエアコン本体の価格相場
業務用エアコンはメーカー、性能、機種の新旧などによって価格が大きく異なりますが、ビルトインエアコンの本体価格の相場は、10~80万円程度と言われています。
高馬力で高性能な機種の場合は、本体価格が50万を超えるケースも少なくありません。
設置環境によって購入をおすすめする機器は異なってきますが、例えば火を取り扱う飲食店やドライヤーを使う美容室などは熱源が室内にあることで室温が上がりやすくなります。
また店舗によっては、路面店の場合は人の往来により室温の変化が起こりやすい環境でもありますので、馬力の高いエアコンが推奨されます。
このように設置する環境よってエアコンの機種を選定する必要がありますので、設置箇所の環境に合った性能タイプを選んでください。
ビルトインエアコンの取付工事費用の相場
ビルトインエアコンの取付工事費用の相場は、他の業務用エアコンと比較して高くなる傾向があります。
しかし、取付工事と一口に言っても「新設工事」「移設工事」「入替工事」「増設工事」などがあり、それぞれ施主様の状況に応じた工事をおこないます。
以下では、ビルトインエアコンの工事費用について簡単に解説します。
ビルトインエアコンの工事費用
ビルトインエアコンの工事費用は、工事の内容によって費用は大きく異なります。
工事の内容は大きく分けて「新設工事」「移設工事」「入替工事」「増設工事」の4つに大別されます。それぞれの工事工程や工事が完了までの期間も異なります。
以下に「新設工事」「移設工事」「入替工事」「増設工事」それぞれどの工事でその程度費用がかかるのか解説します。
- ・新設工事の費用:新規でエアコンを取付けるため、全体的に費用は高め、工期も長い。
- ・移設工事の費用:設置する環境や廃棄物によって費用が大きく左右する。工事費用は新設工事と同等もしくはそれ以上になる可能性が高い。
- ・入替工事の費用:すでに設置環境は整っており、機器の入れ替えだけなため比較的工事費用は抑えられる。
- ・増設工事の費用:増設する環境によって大きく費用が変わる。新設工事の費用と同等もしくはやや安い可能性がある。
いずれにしても設置場所の環境や状況によって工事費用は大きく前後しますので、工事依頼をする際は現地調査と複数社から見積を依頼しましょう。
見積金額が安すぎる、実績などの情報が少ない空調業者に要注意
空調業者の中には、他社との差別化を図るために格安で取付工事を請け負っている会社が多くあります。
格安価格でも親切・丁寧に取付工事をおこなってくれる業者様もいらっしゃいますが、中には安いだけで対応が悪く、粗悪な工事をされてしまい、かえって修理費用がかかってしまうこともしばしばあるようです。
そのような目に遭わないためにも、空調業社選びは慎重におこないましょう。
空調業社を見極めるポイントは「会社情報が明朗か」「工事実績数は多いか」「見積書の内容が詳細で的確か」が重要です。更に注意したい方は「レビューで悪評はないか」「会社名で検索した際にネガティブな情報が出てこないか」などをネットで調べると良いでしょう。
レイアウトを維持したいなら設置の自由度が高いビルトインエアコン
今回は、ビルトイン形の業務用エアコンについて解説してきました。ビルトインエアコンは設置の自由度が高く、設置環境に左右されにくいのが特徴です。
ただし、業務用エアコンの中でも、比較的工事費用が高くりやすいため、ビルトインエアコンを選ぶ際は、予算や他の形状と比較して、よく検討してから購入しましょう!
▼あわせて読みたい
換気設備の設置から、最適な空気をつくる最新設備の施工プランご提案まで、空調のトータルコーディネートができるオーソリティー空調にお任せください。